3話 小沢

話しは、少し前になる。 ああ、俺か。 名前は小沢だ。元は世に言うヤクザだ。 まあ、ちょいと刑務所に入っていたことが、ある。 帰ってきたら事務所は閉鎖、組も解散していた。 今どき、それが普通になっている。 俺が、若いときと違って例えば、敵の組長殺して上にあがるなんてもう、なんて言うか。 そうだな、都市伝説みたいなもんだな。 出世は、できない。 難しくて辞めていく奴もいる。 今や、イレズミいれてない経済ヤクザが、幅をきかせている。

俺が、行くところなんてないな。 イレズミいれてるから、まともなところは、はいれない。 いわゆる、3Kの仕事でどうにか食いつなぐものの、そこも外国籍の連中が、主力になっている。 当然、曰く付きの人間はそれとなく追い出される。

ある日、俺はある事業所に面接を受けに行った。 それまで、丸3日公園の水だけでしのいでいた。 腹が、へりすぎてフラフラだった。 一張羅のスーツを着て、なんとか受かろうと必死だった。 演技の1つでもしてやると考えていた。 顔色は、少しわるかったが、頬をたたきいざ、本番に挑む。

コンテナのレンタルといわゆる、倉庫業の会社だ。 イメージとしては、でけぇ箱の中でまあ、いろんな食品を配送先別にリストどうりに集める、又は書籍かもしれない。 厚いカタログを運んで腰にきたことが、ある。 いや、四の五の言ってる場合じゃ、ない。 生きるか死ぬかだ。

10分くらいか、待ったのは。 色白で左耳にピアスをした、小僧だった。

コイツが、社長かよ! 自己紹介されて立場を理解したわけだが、ずいぶん若い奴だと思った。まあ、いいかと思っているうちに面接が、すすんだ。

これで何度目か。 今までの事を洗いざらい話す。 事情聴取じゃねぇかよ。クソったれ。

フムフムと聞く社長。

小沢さん、何でもやりますか?と言われたら、どう答えますか。

やさしい物言いだ。 それでいてその目は、じっと俺をとらえている。 物になるか見極めようとしているようだ。 品定めならもう、いいんじゃねぇか。 答えを早く、言えっつうの。

ダメならもう、ダメでもう終わらせるからよ。

そうしたら、その小僧はおもむろに箱をとりだした。 フタを開けると中から銃を取りだした。 リボルバーの銃だ。 昔、いじったことがある。

小僧、いや社長は聞きとれるギリギリの小さい声で話しを続ける。

ご存じと思いますが、今の世の中はどこの企業も、非常に厳しい状況にあります。 少ない仕事を星の数程の企業が、奪いあい時には足を引っ張っています。

はあ、と相づちをうつ俺。 ぬるい茶をすすりながら話しを聞く。 どうせ、時間はいやと言う程たっぷりあるしよ。 かまわないぜ。 そのくだらない演説、しっかり聞いてやる。

そこでですよ、小沢さん。 実は、この間邪魔されて仕事を奪われたんですよ。 だから、そこの会社の社長をこうちょっと、いじってほしいんです。 それを使って、ですよ。 できたら、ここで働くのを考えます。

俺は自分の耳を疑った。 小僧は、俺に脅しの仕事を依頼しようとしてる。 本気なのか。

俺の心臓の鼓動が、変わった気がした。

本気か。 見極めようとするが、その目はガラスのようで何も語っていない。

やるか、どうするか。 答えは1つだろ。

どうしました、小沢さん? 怖じけついたのですか? 元ヤクザでしょう、怖くないはずですよ。

こいつ、本当にやったらやったで絶対そのあとは、知りませんよ、おまわりさん。 でだ、こうとどめをさすんだ。 ヤクザが、勝手にやったことです。 私はいっさい、知りません。

そう、なるのか。

俺は、これでもかってくらい両手を握った。

ヤクザ、ヤクザ、オイ、ヤクザ。 ウルセェ。

ウルセェ、ウルセェ。

俺は、はっきり断った。 俺が、やるのはそう

いうのじゃない。 陽のもとで堂々と働くやつだからよ。

そうしたら、小僧はこう続けた。

分かりました。 合格にしましょう。

瞬間、唖然とした。 合格? 聞き違いか。

小僧、あ、いや、社長はその銃を箱にしまった。 立ち上がると右手をだしてきた。 俺は、反射的にその手をつかむ。 思っていたより大きくて、ゴツゴツしていた。

昼飯、食べに行きましょう。 近くに食堂が、あるんですよ。 安くてマズイですけどね。

言われるがまま、一緒に飯を食いに行った。これが、社長との出会いだ。

ちなみにあの時、俺が銃を選択したら殴って追い出すつもりだったらしい。 表情も変えず言う社長の本心は、正直分からない。

まあ、でもなんとか仕事は、みつかったうえに住む所も貸してくれた。 そう、あの倉庫の2階の奥だ。 風呂無し、トイレは従業員用で敷地の端っこで徒歩5分くらいか。

「風呂は、自転車で10分くらいの所に湯の郷が、ありますよ。 あとで回数券、買ってきましょう。 なに、先行投資ですよ小沢さん」

ヤバイ、そこまで期待されると調子づいてしまう。 ここは、オイ、ヤクザだからこの環境で満足しろとがなりながら言ってくれよ。

飯は、下の給湯室にあるガスコンロで作るよう言われた。 たいした物は、作れないが無いよりはマシか。

それから仕事だ。 なんか知らんが、社長のために探偵まがいの事をする事となった。 しょっちゅうあるわけじゃ、ねぇからたまに倉庫業を手伝うあるいは、トラックをころがす。

「時々、私の車の運転手をして下さい。 話したい事が、あるでしょうから」

分かった、分かりました。

まあ、フォークリフトや大型の免許を持ってるから問題は、ない。 最初の3ヶ月は、見習いということで若い連中(半分以上は派遣だ)と一緒にピッキングをしたり、トラックで納品する商品を運んだ。 初任給は、手取り15万円也。

もちろん、文句はありまくりだが、社長の運転手をしてるとき、飯をおごってくれたし、新しいスーツと服を買ってくれた。 運転手代は、別にいくらか手渡しでくれた。

そんなある日だ。 社長の家で飯を食うことになった。 俺だけでなく、他に10人ほどバーベキュー会の名目で集まっていた。 社長の家は、4LDKの一軒家だ。 車2台とめられる駐車場に20坪ほどの庭が、ある。全体の広さを聞いたが、忘れたのでこんな説明をしてる。

で、ついでに言うと家族はいない。 婆さんと二人でこの広い家に住んでいる。

久しぶりの酒だ。 ゆっくりと味わいながら飲んでいると、婆さんから紙切れをそっと渡された。 あとで一人で読むよう、言われた。

まさか、解雇ってことはないはずだ。 けれど俺は、不安をかき消すためにトイレへ小走りで行く。 その内容は、まあ指示書だな。

このあとこうして、こうこうしろみたいな。

その先に答えがあるわけだ。 一応丁寧にあわてて行動しないよう、注意書きがしてあった。 ハイ、ハイと。

16時を過ぎたとき、俺はひどく酔っ払ったフリして居間で休むという行動をとる。

社長は、ビールを飲みながら横目でこちらを確かに見た。

居間から外の様子が、分かった。 社長が、経理の斉藤さんと話している。 斉藤さんは、魅力的な女性だ。 ふちのないメガネをかけ、笑顔がいい。 年輩で残念と言ってる奴らが、分からない。 かえっていいじゃないか。

本当に寝そうになったとき、婆さんが水を持ってあらわれた。 その水を飲んだあと、猛烈な睡魔におそわれた。

慌てふためいて起きた。 薄暗い、ホコリっぽい部屋だ。 俺の座っている簡易ベッドの他は椅子が、2ついや3つある。 そのうちの1つに社長が座っている。 その隣に田島が立っていた。 田島は、50に近いガリガリに痩せた男だ。 メガネをかけ直しながら俺を見ている。

俺の隣に住んでいて確か、酒で人生を棒にふったと言っていた。 ついでに言うともう一人、鈴木と言う若い男がいる。 元自衛官らしい。 なぜ、ここにいるかは知らない。 とにかく、無口なのだ。

開口一番、田島は一礼したあと、詫びをいれた。 ずれたメガネをかけ直し、こう言う。

「こんな手荒なことをして、申し訳ない。事は慎重にかつ迅速にやらなくてはいけない。

あとは、当然誰にも知られてはいけない。

もちろん、信用あるいは信頼関係はあるべきだがな。小沢さんは、表の面はまあ、信用してるしまかせて安心だ。 けれど、裏の面はそうはいかないんだ。分かるだろ? 1度はいた世界だから」

普段と違って饒舌じょうぜつに話す。いつもは、面倒くさそうに話す田島のその表情も違う。こっちが本当の姿なのかと思った。

俺は、まだぼんやりしてる頭で考える。

新しく仲間を迎えるための儀式か?

「ああ・・・」

声と言うより音をだして答える。

田島は、社長をチラッと見たあと話しを続け

る。

「我々は、俗に言う正義の味方をやっているんだ。と言っても、表だって堂々とやるわけでは、ないんだ。 分かりやすく言えば、悪い連中にするんだ」

田島は俺を、俺は社長を見る。

「それで俺が、断ったらどうするんだ?」

「断らない、そう判断したうえでこの話しをしている」

社長が、そう答えた。 その表情は、揺るぎない確信に満ちていた。

買いかぶりすぎだと思った。 この俺が、そんな、ゴッコに付き合うと思っている。 元ヤクザだぜ? 背中から両の太ももまでよ、イレズミいれている奴が、正義をするだァ? 素敵な冗談だよ、まったくよぉ。

でもまぁ、ここクビになったら行く所、無いしな。

さてさて、どうするかな?

結論はでている。

俺の前にいる3人を見る。 生きてるんだから、今まで何かしらやってきてる。 田島の酒うんぬんが、本当なら社長と鈴木もすげぇ、失敗して後悔してここにいる、ということか。

どんな失敗かは、知る気にならない。 知ったところでプラスになるわけでは、ないだろ。

おいおい、小沢。 冷静になれよ、一文の徳にもならないんだぜ? 正義の味方は、できないがここに残らせてくれって言えよ。

俺は、笑いそうになる。

極道から正義か。

声をあげて笑うか? それとも、こいつらを罵倒するか?

正義、正義、正義。 極道、極道、極道。

表裏一体じゃないか。 結局、よく分かってない奴らが物事をはかって決める。

田島が、大丈夫かと聞いてくる。

俺は、笑いをこらえながら答える。

「別にいいぜ。どうせ、どこ行ってもこのイレズミのせいで、まともに働けないからな。

しょうがねぇから、つきあってやる」

俺が、こう言うと社長がおもむろに立ち上がり、右手をだす。

「その前に条件がある」

「条件?」

少しをあけて言う。

「つまらないようだったら、抜けるからな。

抜けても、ここで働かしてくれよ」

社長は、1度だした手を引っ込め考えてこう答える。

「まあ、秘密を守ってくれるなら」

「社長? いいんですか」

あわてて、田島がそう言った。

「大丈夫だぜ。約束は、守る。 元ヤクザだからな」

たぶん、この時の俺は、にたつきながら言っていたと思う。

「あらためて、よろしくお願いいたします。で、役割分担はどうするんですか?」

「あ、ああ。 こちらこそお願いする。まあ、役割分担は・・・」

田島が、何かメッセージを送っている。 本気で信じて採用するんですね? 私は、どうなっても知りませんよ。そんな、感じだ。

「私が、ある人からの提案を受け取り、田島君と鈴木君にやれるか、確認をあおいでる。

出来ると判断したら、実行にうつす」

「ある人って? それといつも、この3人でやってるのか?」

「詳しくは、契約上言えないがまあ、情報提供者だ。 この3人でやることは、めったにないな。 だいたい、向こうから経験者が、応援に来る」

「仕事内容は?」

「取引の妨害」

田島が、そう答えた。

「他には? いつも、悪人が取引してるわけじゃねぇ」

「ここでいろいろ話すより、体験するのが早いし納得もしやすいだろう」

「分かった」

短く答える。 確かに、あれこれ言われるよりは、実体験が理解しやすい。 それにだ、俺を迎える家族もいないし、これやって死ぬことになっても後悔はしないだろう。

「ただし、騙すのはなしだからな。 もし、それをやったら殴るから覚えておけっ!」

「分かった」

そう答える社長の目は、やはりガラスのようで何も語っていない。

「で、ここはどこか知らんが、仕事の依頼があるんだろ?」

「・・・彼に話してもらう。 丸さん、お願いいたします」

「え?」

ドレットヘッドの背の高い男が、あらわれた。 目が、ギラギラしていて獲物を見たら、すぐに飛びかかりそうな感じだ。 腰にチェーンつけていてジャラジャラ、音をたてながら俺の前に来る。

見たまんまで判断するとひどいにあう、俺は本能的にそう思った。 ハデに見えて中身は、まったく別物だと。

「丸だ。よろしく」

黒っぽい革靴から頭のほうまでざっと見る。

がっしりした体格だ。日々、鍛えているようだ。 鷲鼻も特徴的だがその目は、まるで俺を品定めしてるかのようだ。 この元ヤクザが、本当に使い物になるか考えているように思えた。 そう言えば、社長もそうだった。 今思えば、を含めて採用するか考えていたんダロな。

まったく、もってメンドイことには縁があるようだ。 俺が、えんをきろうとすると向こうからやってくる。 そう、今日みたいにだ。 やっぱ、このイレズミが呼ぶんダロな。

「小沢だ。 よろしく」

声の大きさに気をつけて言った。

相手のことが、分かるまでかみつかれないよう、おとなしくしてよう。

「今回の仕事は、合法ドラッグの取引妨害だ」

丸さんは、ゆっくりと話しだした。 声音っていうのか、太い感じだ。 一語一語、噛むように話す。 なんか、政治家の演説みたいだな。

「竜の 爪という名前に覚えは、あるかな?」

「・・・確か、外国系のマフィアだよな?」

田島が、答える。

「そうだ。 そこが、作ったエンジェルキッスと言う名前のドラッグが、また流通し始めた」

「でも、あれは法律がかわったあと、警察が徹底的に潰したはずだ。 もう、随分年月たってるし、今さらですか?」

田島が、続ける。

「確かに末端の人間ばかりだったけど、あの時警察は、威信をかけてローラー作戦までやったんだ」

それは、俺も知っている。

確か、ニュースでは倉庫にたてこんだマフィアは、16人だった。 機動隊が、チェーンソーで鉄の扉を切って突入するシーンは、頭にまだ残るほど印象的だった。 マフィアの連中は、火炎瓶とかで抵抗したんだ。 結局、丸2日かかって解決したが、犯人は2人死亡、機動隊隊員1人死亡の激戦とマスコミは報じた。

当時のマスコミは、警察のやり方に問題があると非難した。 が、警察はあくまでできる範囲でやり遂げたと、突っぱねた。

そうだ、犯人は銃で武装していたとも発表されていた。

「丸さん、そのエンジェルキッスは、どこまで流通してんだ? 全国か、都会だけか?」

質問するつもりは、なかったが一応存在感は示しておかなければと思った。

丸さんは、俺と社長を交互に見る。

「分かっているのは、都内とその周辺だ。 それから、 いるのは仕事を失った売人どもだ」

「竜の爪のメンバーは、関わっていない?」

「今のところはな。 しかし、確実にやるためにメンバーは、いるとふんでいる」

「それで、仕事内容はアジト摘発でしょうか? それとも、材料の潰しでしょうか?」

社長が、そう聞く。

「あくまで取引妨害です。まあ、相手がどういう人間かを知りたいですがね。あまり、ふみこんで正体ばれるのは、避けたいでしょうから」

たぶん、やわらかな口調で言ってるつもりだろう。 それが、かえって聞く者に言葉の重味を与えていた。

「それ、いつ頃すんだ?」

別に無理して質問しなくても、いいのだがどうしてもおいていかれるのは、イヤだった。

「その前に身辺調査をする。社長に聞いてくれ。いいな?」

ジロッと睨む丸さん。 余計なことはするな、言われたとおりやれ、そういう意味か。

俺は、うなずいた。 けど、目はそらさない。

おとなしくしない、いつでも噛みついてやると俺の意志を送る。 すると、丸の口元が確かに動いた。 理解したということか。

丸さんは、何も言わず踵をかえすとその場を離れた。

「さて、会議を始めますか」

社長が、腕時計をチラッと見てからそう言った。 これに何らかの意味はないと思う、たぶんだが。

「その前にここ、ドコだよ? ワザワザ人を眠らせやがってよ」

とりあえず、文句を言った。

「ああ、会社の裏側ですよ」

社長が、答える。

「俺が、イチイチビビって断ると思ったのかよ?」

本当は、思いっきり叫びたかったが、新人の身だから音量に気をつけて言った。

「すみません。 ちょっとした演出なんです」

社長は、そう言って頭を下げた。

「あまり、ひょいひょい事を進めると重要性や緊張感が、損なわれると思ってやりました」

「まあ、そうかい。その、分からんでもないが・・・」

ふと田島が、視界にはいった。

「私たちも、やられましたから。 儀式だと思ってください」

「あ、そうかい」

本当は、笑っていいんだろうが、折角の雰囲気がこわれるのでこらえた。

「じゃ、始めますか」

社長が、そう言うと鈴木が手に持っていたファイルを俺に渡す。

二人の若い男が、写っている写真だ。 赤い色と緑色のジャージをそれぞれ、着ている。

「双子・・・か?」

「ああ。 配達をしていると思われる。 ある時は、靴箱。 ある時は、A3の封筒を使っているようだ」

「推測ですけど、ドラッグに使う葉っぱとみている。 我々の目的は、その双子にはりついてどこから、材料を調達して誰に渡しているのかを調べる」

「それだけか? 受け取った人間の身辺は、調べないのか?」

俺は、写真をファイルに戻して鈴木に返す。

「可能であれば。 ただし、危険度はグッと上がるだろう。 ギリギリまで見て、サッと撤退する予定だ」

「なるほど」

「小沢さんには、言いづらいんですがよろしいですか?」

社長が、そう聞いてくる。

「言いづらいってことは、ヤクザが絡んでいるってことか? 別に今さら、気にするな。

もし、知り合いなら知ってる事、話してやるよ。 安心してくれ」

俺は、3人の顔を見る。 緊張が、ほぐれていないように思えた。

「まあ、で、どうすれば安心してくれるんだ?」

「一番の不安要素は、もし、君が憎いと思っている人間がいたら、暴発するんじゃないかと思ってるんだ」

俺は、即答した。

「バーカ! もう俺は、カタギだぜ? 昔の敵がいたくらいでやるか」

ゆっくり立ち上がり、俺は続ける。

「ヤバそうなら、遠慮なく殴れよ」

3人は、ほぼ同時にうなずく。

いや、同調しないでくれよ。

「質問がなければ、始めますか」

社長が、手を数回叩いてからそう言った。

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