14話 快晴
千由から
「そお、そ。公園の爆発は、新聞とかで載ってたでしょ?
公園で謎の爆発。現場には、木の人形らしき破片が、散らばってって感じ。
まあ、相手もとい敵はここまでは追ってこなかったけど(来たら来たで対応は、ムズい)。
私のこと? え~⁉
まあ、こうなんて言っていいか?
約束事とかあってあんまり、話せないけど。
まあ、今のところフシギ系少女(自分で言うの恥ずかし)。
一応、父さんとここはなんらかの縁が、あって付き合いがあるってだけで。
まあ、お互い本当のこと話さないから知らないし(ホント、ごめんね)。
とりあえず、敵は竜の爪を立ち上げたって言われてるわ。
さっき聞いた赤い色の旗。真ん中にライフルとハンマーが、クロスしてるんだけど。
ある人物の話し(父さん経由で)だと、冷戦があった頃にある国の軍隊の部隊だったらしい。
国が、崩壊して混乱してる間にこっちの方に移ってきたそうよ。
小泉って奴が、言っていた白髪の老人は多分、偽物ね。影武者って言うより、ただの飾りと思う。
《彼ら》にとっては、ただの駒だし、警察ごまかすためにいろんな
なかには、小泉みたいな木の人形が化けた隊も、あるだろうし。
え、あれについて?死んだ人間とかの魂を呪力で封入したものよ。
私?できないよ。専門外だし。
さっきの福知君のは、コピーで全然違うから(魂は入ってません)。
ま、それができる奴と環境があるのね。
目下、調査してる途中だけど(それについては言えません)。
そうね。ヘタしたら意外に近い所かもね。
で、リシンって奴は自分の体に問題が、あったから千由の母さんの体にのり移った。
何したいのか、分からないけど又、連絡があったのよ。
その公園の事件から丸一月たった頃。夏休み終わって始業式のあとくらい。
千由たちとは、約束してたのよ。何かあったら連絡するようにって。
何せ、呪力使うような連中が相手だから、危険すぎるし。
警察に助けを求めても、相手にしてくれないだろうし。
とは言え、私も魔法なんてたいして使えないんだ。レベルの高い奴が、来たら逃げるしかない。
年代物のマンションに呼ばれて3人で行った。
新次君は、ついて行くって言ったけど千由が、説得してここに残ってもらった。
んで、陽もおちた頃アイツらが姿を見せた。
すごいよね。まだ、マンションには住人がいるはずなのに、狼男供を従えてたね。
ハッキリ数えてないけど、10人(いや、体か)はいたと思う。
何が、目的かを私は、聞いたの。
そしたら、ゲラゲラ笑いながらこう言ったのよ。
『さあねぇ。何、しよっかね?』
も、完全バカにしてムカツクったらありゃしねぇ。
『私の発明品でお前らが、ぶっ飛べばそりゃあ、愉快だ!』
千由の母さんが、可哀想だなって思ったよ。
こんなに歪んだ奴にのっとられてさ。
泣きながら千由が、叫んだよ。
母さん、返せって。
リシン=千由の母さんは、何も答えず狼男たちに指示をだしたのね。
ゆっくり、ソイツらがじわじわ近づいてくる。さすがに2度目だからか、千由とおじさんは多少は落ち着いていた。
おじさん、叫んでいた。
『アズ?アズ、目を覚ませ!』
『無駄だよ。もう、元の持ち主はいないよ。
つまり、もう死んだってことさ。理解しなよ。ダメ人間』
『アズ~!ヴヴ・・・』
おじさん、泣きだしたんだよね?(千由に確認する)。
ん、そうそう。で、そのあと(額に人指し指をあてる)。
も、全力で焔(の塊)をブツケタわ。あれこれ考えても仕方ないしね。
リシンは、何が、おかしいのか分からないけどムカツクほど笑ってたね。
で、ソイツはこう言ったのよ。
『クク・・・。こんな力使えるガキが、いるなんてな。まあ、いいさ。
これから、先会うことは無いだろう。
私は、私で発明品をさばいてこの世を愉快な世界にしてやる』
『アズ、待ってくれ!』
おじさんが、そう叫んだときには煙のように姿を消したわ。
ん~、まだ推測と言うか。おそらく、敵はそのリシンだと言っていいと思う。
そろそろ、お開きにして休みましょうか。
情報は、寝て待てってね。
あれ?
トイレ?
なぜ、話しの途中でいなくなる!
まだ、続きがあるんだぞっ!」
その男は、マドロミのなかにいた。
ボンヤリと白っぽい天井を眺めていた。
多分、ベットに寝ていると思う。
目を覚ましてから時間は、結構たっているはずだ。
だが、思考がまとまらない。
ハッキリしない脳ミソでどうして、こうなったか思いだそうとする。
その度に頭痛がして、考えがまとまらなくなる。いや、まとまる前にそれがバラバラになるのだ。
動きたいが、体がいうことをきかない。
力が、全くはいらない。
どうして、こうなった?
確か約束の場所に向かっていたんだ。
駅の近くの駐車場に車を停めてそれから・・・ 。
そうだ。飯を食ったんだ。立ち食いで天そばを食べて、仲間に1本連絡をいれて公園へ歩いて行ったんだ。
よし!いい感じだ。
頭が、ハッキリすれば恐らく体も、動くようになるはずだ。
幸い、体は縛られていない。
ボンヤリした視界でなんとか、それは確認できた。
自分は、ベットに寝ている。
場所は、どこだろう。なんとか、それを知りたい。
けれど、また猛烈な眠気に襲われる。
ダメだ、寝てはいけない。
寝ては、負けてしまう。
?
誰に負ける?
誰?誰?誰?誰?誰?
鈍い光の中にスウ~、と意識が溶けこんでいく。
男は、とうとう眠気に屈した。
誰かが、声をかけてくる。
夢か?
少年が、ベットに座っている。
こちらの意識は、ないはずなのにその少年だけは、ハッキリ見える。
『よお、大丈夫か?』
聞き覚えがある。懐かしい声だ。
『ここは、病院だ。まあ、異常は無いらしいからゆっくり、していけや』
思いだせない。誰だろうか?
何かを言いたいが、なぜか声がでない。
『まあ、もうすぐ快晴たちが来るよ。ずいぶん、心配してるぜ』
こころ?こころって言ったか?
この少年は、一体誰だろう?
頭のなかで何かが、ぐるぐるまわる。
ぐるぐる、ぐるぐる。
少年が、更に何かを言っている。
僕は、何も答えられない。
答え。答えは、この喉まででかかっている。
そう、知っている。僕は、この少年を。
でも、そうだと辻褄があわない。
彼は、ここにはいないはずだ。
『お前、ホント間抜けだよな。しっかりしろよ。快晴に笑われるぜ』
君は、一体誰だ?
言葉としてでたのかは、分からない。
少年は、ケタケタ笑いこう言った。
『何を言ってるんだ?俺は、福知だよ。ホントに大丈夫か?』
福知?福知だって?
そんなはずはない。福知が、いるなんておかしい。
記憶が、正しいなら彼はいない。
そう、彼は死んだはずだ。
死んだ人間が、いるはずはない!。
待て!落ち着いて考えるんだ。
考えなければいけない
考えなければ、この世界にとりこまれてしまう!
『もう、こっちに来ちまいなよ』
僕の心拍数が、異常に上がる。
危険だ。危険すぎる!
どうしたらいい?
息が、苦しい。
少年との間にまるで曇りガラスが、あるかのように目の前が、ボヤけてきた。
逃げるんだ!今すぐに!ここは、危険だ!。
動け!動くんだ!
『何をもがいているんだ?早く、こっちの世界に来れば楽になるぜ?』
違う!
落ち着け、落ち着いて行動するんだ。
僕は、必死になって体を動かしベットから転げ落ちた。
夢のなかだからか痛みは、感じられなかった。
床を這っている感覚も無い。
なんとか、部屋から出る。壁にもたれかかるようにして、立ち上がる。
ふと、ネームプレートが目にはいる。
あり得ない!
その名前は、違う!
歪んでいる視界のなか、頼りなく歩きだす。
少年の声が、聞こえる。
ダメだ。
このままでは、取り込まれてしまう。
目が、痛くなるくらいまぶしい廊下を走りだす(そのつもり)。
途中、足がもつれて倒れた。
少年が、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
ぐんにゃりした肉の塊みたいな化け物を引き連れていた。
ヤバイ、ヤバすぎる!
『ひ~ろ~と~!』
その名前を呼ぶな!
お前は、福知じゃない!
そのとき、電気ショックみたいに痛みが体にはしった。
目の前が、真っ暗になる。
僕は、まだそこには行かない!
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