第40話 ギルドでお仕事でございます
40
朝食を二人が起きちゃう前に用意した。
チーズとパンだなんだけど、手持ちの食料だと朝食はこの程度しか作れない。
ベットのほうからモゾモゾと何かが音が聞こえた後、二人分の欠伸も聞こえた。
うちの美人双子姉妹が起きたみたいだね。
「ふぁぁ……アイリスちゃん、おはお〜」
「おはよー…あー、よく寝た」
【お二人とも、朝ごはんの用意ができております。顔を洗って着替えたら食べましょう】
「「うん〜」」
私の言葉に従って、二人とも顔を洗って着替える。
その着替えシーンを私は小石視点を悪用して覗く。
別に堂々とみても良いんだけど覗いた方が、こう……気持ちが高揚する。うひひ。
着替え終わった二人は、朝食が並べてあるテーブルの前の椅子に腰掛け、朝食を食べ始めた。
ものの3分で完食した。
朝食を食べ終わったし、歯磨きをさせなが。今日私達がすべきことを決目ようと思う。
【今日はどうしますか?】
「ふー、ひょーひゃへ、まふはおひごとひないほへ (うーん、そーだね、まずはお仕事しないとね) 」
「ほふほひょひょほうほいいほーおほう。おはねがはひほ、はひもはひはらはいほんへ (ぼくもその方がいいーと思う。お金が無いと、何も始まらないものね) 」
あ、これ、歯磨きさせながら話すのは失敗だったね。…明日からは朝食をとりながら1日の目標を決めよう。
【…歯磨きしながら会話をするのは失敗でしたね。明日は朝食を食べながら話しましょう】
「ふん。ほーはへ (うん、そーだね)」
ロモンちゃんとリンネちゃんは洗面台まで行き、歯磨きを終えてきた。
やっとこれでまともな話し合いができるね。
「ふぅ、で、どんな依頼をする?」
「うーん、どーしよーかなぁ…最初だし、討伐系の依頼が良いかな」
「じゃあそうしよっか。早くあと3万ストンを貯めて、参加費用を作らないとね! ね? アイリスちゃんはどう思う?」
【私もそれで良いと思います】
「じゃあ、きっまりー!」
私達はすぐに準備をし、ギルドに向かった。
ギルドはすでに人で賑わっている。
「まず、掲示板みよ」
「そだね」
掲示板の前で立ち止まり、依頼の紙をざっと見てみる。
本当にいろんな依頼があるね。
例えば、
〔治癒魔法で兵士に癒しを!
条件:ペアが使える方なら誰でも。女性が好ま
しい
報酬:回復して頂いた兵士の数×1800ストン!
女性の場合は2000ストン!
詳細:女性冒険者の皆様、是非お願いします〕
だとか、
〔建設のお手伝い
条件:力に自信があるならば、誰でも!
報酬:1日11000ストン。働きによりボーナス
有っ!
詳細:アットホームな職場です!!〕
とか、
〔娘に魔法を教えて下さい。
条件:上級の魔法使いの方。
報酬:1回6時間で40000ストン
詳細:お願いします〕
そんな感じで、いろいろあったね。
ていうか、2枚目、ブラック企業かな?
その中から私達3人が選んだのは、
〔セントピー退治
条件:セントピー5匹討伐
報酬:3万ストン
詳細:倒したセントピーはこの依頼を受けてれ
れた方のものです。畑を荒らすセントピ
ーの討伐をお願いします。〕
これだった。
その依頼紙を剥がし、金髪の受付嬢のところに持っていく。
昨夜の受付嬢とは別の受付嬢だ。
「これ、受けに行きます」
「かしこまりました。ご依頼の場所は_____」
私達はこの依頼人が指定した場所を教えてもらい、ギルドを出て、その場所に向かった。
城下町内での依頼だったから、そんなに移動時間はない。
やっぱり、私がいともたやすく侵入と言う名の出入りを繰り返しても誰も気づかないあたり、割とここの警備はザルなのかもしれない。
街中にセントピーが入り込んで畑を荒らしてるんだもんね。
「ついた、ここだね」
「私達の初仕事だよ! アイリスちゃん、探知お願い」
【御意】
現場である、かなり草が茂っている場所に着いた私達。
私はその場所に向かって探知をした。
探知に引っかかったのは、およそ7匹のFランクの反応。5匹じゃなかったんだね。
【この草原の中に、7匹の反応がありました】
「よし! アイリスちゃん、魔流真砲をぶっ放しちゃって!」
「今回はぼくの出番がなさそうだね」
魔流真砲をその草むらめがけて放つ。
その水色の7つの砲弾は、私が探知し指定した通りの場所に飛んでいき、何かに被弾した。
そして、アイテム探知でセントピーの死骸を探し、全てを回収してきた。
【以上ですね】
「もう終わっちゃった」
「でも、これだけで3万ストン貰えるんだもん、良い仕事だったね!」
【そうですね】
さっさとギルドへもどり、受付にセントピーの討伐部位をリンネちゃんは提示した。
「はい、確認しました。これが3万ストンですね。お受け取りください! それにしてもお二人共、初めての仕事なのにすごく手際が良いですね!」
「あ、どうもありがとうございます!」
金髪の美人の受付嬢さんは私達をそう、褒めてくれた。
私達はその3万ストンを受け取った。
「やった! これで20万ストン達成だね」
「うん、じゃあ今から冒険の店に行ってセントピー売ってこようね」
私達はまたすぐにギルドをでて、冒険の店へと足を踏み入れた。
そしてすぐにセントピーを売却する。
計14700ストンとなった。
「この14700ストン、どうしようか?」
【アイリスちゃん、どう使えば良いかな?】
今、私達に必要なのはより強力な武器なんだけど、それは私個人で稼いだお金で買うから良いとして、冷蔵庫代わりの食料保存用のスペーカウの袋が欲しい。
大体、それは10000ストンで十分だろうから、残った4700ストンは食材費だね。
いや、家計簿がつけられるような手頃な手帳とペンも買いたい。
【10000ストンを、食料貯蔵用のスペーカウの袋を買うために使いましょう】
「うん、わかった! それでいこう」
「残りのお金はどうするの?」
【4700ストンのうち、2000ストンはお金の管理をするための手帳を2冊とペンを買いたいのです。2700ストンは食材費です】
「お金の管理は大切だもんね。私、今日はハンバーグがいいな」
「あ、ぼくも」
【かしこまりました】
買うものが決まった私達は、冒険の店内にある道具屋で、スペーカウの袋(容量10000ストン分)と、700ストンの手帳と2冊、1200ストンのペンを一本を買った。
用は済んだから、冒険の店から退店する。
「よし、じゃあ次は食料だね」
「うん、でもその前にさ、ぼくはもう1つ依頼を受けた方がいいと思う。ぼく達が使えるお金がもう2700ストンしかないし……」
確かに、2700ストンじゃ数日分しか食料は買いこめないよね。
私もその方がいいと思う。
【良いですね、ではどんな依頼を受けます?】
「うん、ぼくは既に目星はつけてるんだけど_____」
◆◆◆
「はぁ……癒されるぅ〜」
「お前、どっちの娘がタイプ? 俺は長髪の娘の方かな?」
「俺は短髪の娘かな。あのスラリとした身体がなんとも……」
見回り兵士達ががそう、ヒソヒソと超小声で呟いている。
二人を性的な目で見てないよね?
だからあまり私はこの仕事をお勧めしたくなかったんだけど……。
二人はなんでこの依頼が女性優遇かわからなかったみたいで、『回復するだけでだから』って、リンネちゃんとロモンちゃんは認識してた。
これで、依頼内容を考察してから受けることを学んでくれると良いんだけど。
ただ、二人に手を出したらここにいる男全員半殺しにしてくれるわ。
因みに、リンネちゃんもリペアムまで使えるよ。
今回使ってるのはペアだけどね。
私は兵士達を回復させている二人を用心深く見ている。
「いやぁ、お嬢ちゃん達、可愛いねぇ」
「あ、ありがとうございます!」
「お嬢ちゃん剣士だろ? 回復魔法使えるなんて珍しいね〜」
それにしても、この場にいる兵士約37名が全員ロモンちゃんとリンネちゃんの動向を目で追っているのは、若干危険な感じがしなくもない。
結局、兵士達の話し相手をしながらの回復作業だったから、全員をペアで回復し終わるのに1時間かかった。
「ご苦労だったな! ははははは! これが報酬金だ、受け取ってくれ」
仕事が終わり、見回り兵士長から渡された報酬は80000ストン。
本来の報酬より6000ストンも多い。
「あれ……? 6000ストンも多いですよ?」
「がはははは、二人のおかげで兵士達皆、機嫌が良いからな! 色をつけたのだ!」
「ありがとうございます!」
「がははは、また、頼むぞ」
私達は仕事が終わったので、兵士集会所から出る。
入ってから出るまでずっと男の兵士達全員に凝視され続けるってどんな気分なんだろ?
「なんか…お金は良かったけど、男の人達の目が怖かったね」
「そだね……女性を優遇してたのは、下心があったからかも」
「うん、今度からはちゃんと内容を見てから考えよう」
良かった、気づいてくれたみたいだね。
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