第9話時々友と戯れる。【後編】

「お前…俺からの手紙読んだか?」

 後頭部ら辺から聞こえてきたのは、太郎さんの声だった。近いとはいっても車で出る距離はあった。歩きでも行けない距離ではないけど、敦子さんも嫁もいるんでね。どっちも妊婦というこの非日常的な日常的な感じが何とも言えない。しかもですよ、私の呼び方が晴彦さんから晴さんになって(ここまではほぼ一日)いつの間にか”お前”になってるし。どんどん馴れ馴れしく?なってきているわけで、まぁいいんですけど。年上ですし…お友達ですし…。まぁいいんですけど。久しくお前って呼ばわりされていないので、今度ガツンと言ってあげようかな。と思いつつ。まぁ私がガツンと言ったところで、「”お前”はお前やないか」って言って終わりなような気もしますけどね、はい。「お前って言われるんが嫌なのか?」と言われるとまぁその別に悪い気はしないんですけど…どうなんでしょう?お友達ですし…ぶつぶつ…。


「読んだっていうか見たっていうか」

「おかしなとこなかった?」

 太郎さんはそれが言いたかったのだ。

「…特になかったような…なぁ」

 洋子に振ってみた。あなたも読んだよね?あのとき落ち着いて読む雰囲気じゃなかったけど。そうです、あなたに邪魔されてそれどころじゃなかったわ。あんたのせいやわ。

「普通でしたよね」

 洋子も気付いていなかった。

「あかんなぁーー君ら。注意力欠如!!」

「なにかありました?」

「うーーーん?と…」

「もういいじゃない。表面の消印がなかっただけよ」

 敦子さんがもう~うざったいって感じで。シャウト。これでこそ敦子さんです。やっぱり敦子さんがここにいないとツマラナイです。いつも太郎さんの独壇場ばかりでは面白くないです。さすが猛獣使い女帝敦子様!!降臨。なんちゃって。

「消印がなかったの?」

「へぇー」

 そんなこと言われてもって話ですけど。

「お前ら、その態度なんなん?」

「消印がないってことは、ご自身が持ってきてくれたってことでしょ?」

「有難いね」

「んーーー!!!」

 私らの反応が気に入らないらしい。んなこと言われましても。時間経ってますし。あのときあの状況じゃなかったら、もう少し驚いたり感謝していたりしているかもですけど、お手紙=感謝というのは、もうすでに無くなっている話ですよ、残念ながら。全ては、あなたのその余計な行いがそうしたんです。自業自得ですよ。これは。

「お前ら感謝の気持ちが足りんわ」

「はいはい」

 そんな自分の予定通り動けますかって。

「お前ら、えっちらほっちら向こう側から重たい荷物抱えて戻って来よったやん。僕らは、そーーとその風景を車から見てましてん」

「そんなに早く来ていたんですか?」

「結構な悪趣味ですね」

「お前らがマンションに戻ってくる前にあの手紙をやな、そーーと投函しようかな?と思って、ちょっと前から待ち伏せていましたんや」

「あらま、ご苦労様です」

「…」

 その発想はもう僕のレベルを超えていて答えられません。

「普通に投函してもおもろないなって話になって」

「そんな話になってないわよ」

「おもろないやないか」

「あなたが投函するの忘れただけじゃない」

「そうとも言う」

「で、折角一生懸命書いたんやから、届やなあかんやんって思て」

「一生懸命って”13日に行くからいろいろ準備しておきなさい”って上から目線のただの身勝手な手紙よ。ったく失礼しちゃうわ。あたしまで性格が同じかと疑われちゃうじゃない?」

 敦子姐さんの仰る通り。ズバッて言ってくれるから気持ちいい。

「いろいろ準備しておきなさい。って書かな、こいつらなんもやってないからな。うん、絶対に。そうやろ」

 その通りで全く言い返せない。「ほぼ正解」

「で、かいた手紙を投函すべくマンションへ行ったわけよ。そしたら、丁度郵便屋さんと遭遇しまして、ちょっと嫌な雰囲気になってしもうて。郵便屋さんの目が”おたく何しますの?”的な感じで見よったわけよ。もっとこー穏やかに見れんかな?と言いたいね、俺は」

「投函せんでも持ってくれば…」

「予定はあくまでも予定やね。投函したまではバッチリやったんやけど、この女が急にお腹が痛いっていうもんやから計画が台無し。もう~あかんかった」

「なによ!!言い方。妊婦に向かってさ」

「もうちょい我慢したら全て計画通りだったのに」

「計画?」

 洋子が突っ込む。

「たいした計画じゃないのよ」

「たいした計画や」

「オーバーなんだから」

 お腹を摩りながら敦子さんが言う。

「まずは、俺だけが先になんとかマンションへ潜り込み(俺は紳士やからな入れると思うねん)で、敦子だけがフロントのチャイムを押して普通に入るわけよ。その時にはすでに俺は11階に居て、お前らをびっくりさせようっていう展開や、どや」

「どやって…」

 先に何とか潜り込むとこでアウトでしょうに。誰も入れてくれませんって。結構うちのマンションセキュリティきつめですよ。入れるわけないじゃないですか。

「この女が途中でお腹が痛いって言うからもう計画がおじゃんやわ」

「そもそもその計画は、無理があると思いますね」 

 洋子、大正解!!

「なんでや?」

「敦子さんも妊婦ですし、お腹が痛くなるのは仕方ないことですよ。それに…うちのマンション意外とセキュリティきつめですから」

「その辺なら問題なしですわ」

 そうこうしている間に、近所のカフェに着いた。特に食事がうまいとかコーヒーが引き立てでうまいとかそういった売りもなく、かといってすげぇまずいわけでもなく。平凡な平均的な通いやすいカフェです。この辺のマダムの行きつけになっている感じのそんな特徴のないカフェであります。

「ヨイショヨイショ…」

 洋子は、その身体を揺らしながらゆっくりと車から出ようとした。先に降りた私が彼女の身体を支えるのが日課になっている。もう結構しんどいと思われ。

「大丈夫か?」

「今日は大丈夫みたい」

 日によって体調が変わるみたいです。本当に苦しいときは、こう簡単に乗り降りできないです。自動車に乗り降りするだけで相当身体に負担がかかるようです。最初の夫婦共同作業ってやつですね。いまこの状況をきちんと見ているといいと思いますよ?見ていますか?太郎さん。あなたも数か月後こんな風な面倒な作業をするんですよ。分かっていますか?分かってねぇーだろうな、おい太郎。この先が思いやられるわ。

「ゆっくりな」

 敦子さんは、私たちの姿をきちんと眺めていた。さすが妊婦さんですね。当の太郎さんというと…。

「これうまそうやな」

 外から見えるメニューのプラスチックのあれを見ながらブツブツ言っているのです。パパになる気ありますか?

「はい、もう大丈夫です。お時間かかってすいません」

 ぺこりと頭を下げながら答えた。

「やっぱり妊婦さんって大変ですよね」

 しみじみと思う敦子さん。

「そうですよ、大変なんです、妊婦さんって。ここまで来るともう勢いですね。最後までえいやーーっていっちゃう感じですね、私の場合は。もう、えいやぁーーって感じです」

「なるほどねぇ。えいやーーですか。まだ正直そこまで思えなくて。不安と格闘しています」

「あたしもですよ、初心者マークなんでね、日々一生懸命です」

「えいやーーですね」

「はい、えいやーーーです笑」

 女性同士、妊婦同士の会話は、男どももきちんと聞いておくべきですね、ね。太郎さん。”んな会話聞きたないわ”って太郎さんの心の声が聞こえそうです。


 人の落ち度は、許すより忘れてしまうといい


 やっと空腹のお腹を満たされた感じです。と言いたいところですが、お互いの片割れが妊婦様なので、あまりそのがっつり食べるという事もなく、至ってシンプルに終了。うちの妻に至っては、メニューにない野菜ジュースとやらを豪快に2杯飲んで満足気でした。この分だとジューサーのような食器を買うのかな?と心の中で思うのであった。

「晴さんのとこのお腹の子は、男の子なんか女の子なんか?」

 コーヒーのお替りの合図をしながら答えた。”お前らどや?”と言うので、僕だけ注文に参加した。妊婦さんは”いらない”という合図を顔で。

「いやぁ…まだ分からないんですよ」

「教えてもらってないんです」

 二人で答えた。

「ふーん、そうなんや」

「初めのうちになんか聴きそびれたっていうか…今さら聞いてもなぁって思うようになってさ、この際だから産まれてくるまで聞かないことにしようみたいな雰囲気なんですよ、いま。なぁ…」

 洋子を見ながら答えた。

「そうですね、まぁ…どっちが産まれてもいいんでね」

 ウォーターの中に入っている氷をつんつん弄りながら答えた。そう、洋子はいつもそう言っている。どっちでもいいんだって。僕は…女の子がいいな?といまは思っています。エレベーターなどでちょっとすれ違う女の子を見ていると可愛いのなんのって。さっき紹介した佐藤君の子も女の子で、会う度に可愛さが増していくというなんともいえない状況なのです。

「うちは、男の子っぽいのよ」 

 敦子さんは、ちょっと赤面しながらも嬉しそうに答えた。

「そうなんよ、男の子っぽいんや」

「ぽいってのは?」

「その産婦人科のせんせもはっきり言わないの」

「まだ分からんって事ですかね」

”コーヒーお持ちしました!”

”ども”

「いやぁー男の子だと思いますよ、僕は」

 太郎さんも笑顔だった。

「この人は、男の子が欲しい欲しいってうるさいの。サッカー選手にしたいんだとか俺の子やから才能ありまっせ的な…この先が思いやられるよ」

「えぇやないか、わが子の将来を考えたら、やっぱりどう考えても男の子やな」

 コーヒーカップを持ちながら答えた。

「そうかもね」

「そうかもとは?」

「うんうん?」

「いあや、こんなよく喋り倒すような男のDNAを受け継ぐわけでしょう?煩い女の子なんてどう思われるか…お嫁さんにいけないかもって」

 敦子さんの顔は、もう立派なママの顔をしていた。ちょっと前のあの出来事で出会った顔ではない。

「大丈夫だと思いますよ」

 洋子は、自信あり気に答えた。バシッと決められるのかな?

「大丈夫?」

「なんでや?口うるさい子もお嫁にいけるって話か?」

 太郎さんは、結構気にするタイプのようで、そこがまた可愛らしいというかなんというか。太郎さんらしいのです。

「子供ってほとんど妻のNDAを受け継ぐらしいんです。80%くらい。だから絶対に口うるさい子は産まれてこない気がします。敦子さんのように…あっ…」

 洋子は途中で会話を止めた。おいおい…責任もてよ。

「敦子さんのように…何よ」

 敦子さんは、ぎょろっと洋子を見たわけで…

「敦子さんのように可愛い女の子が…」

 と、私がフォローに回ろうとすると…出た猛獣…。

「敦子のように、先を考えずにおっちょこちょいの子が出来上がるというわけやな。サッカー選手あかんかぁーーー?悲しいなぁ」

「そこまでは思ってませんけど…まぁ近いような気もしますね」

「そこまで言うかなぁ…誰もフォローしてくれないし」

「みんなそう思ているって話や。もう飽きらめたら」

 太郎さんは、にやにやしながら答えた。私はフォロー側に回ろうとしたけど、ちょっと無理かな?って思ってしまい出来ず。あのお蕎麦屋さんを無理くりオープンさせた女性ですから、まぁまぁ…おっちょこちょいが正解かもですね。はい。

「ところで、あのお蕎麦屋さんその後どうしているんですか?敦子さんもつわりが酷いみたいで大変じゃないですか?」

 私は、話題を変えようと思い…この話題も地雷付ですが…。我々の会話には、地雷のない会話はほぼないと思われ…無事に着地出来ますかね?

「初めてお前にしては、いいこと言いよった…」

「おっ?」

 新たな展開が?

「今月末で閉めますねん」

 太郎さんの表情が今日いちの笑顔で答えた。

「そう閉めちゃうの。もったいないわって今でも思ってますが…」

 どうも納得いっていない様子の敦子さんではあったが…

「あれほどいっぱい喋ったやんか。もう結論変えんなや!」

「分かっていますけど…」

「分かっているならもう言うなや」

「そうなんだ」

「へぇー」

「はい」

「あの土地とお店を買いたいっていう不動産屋もついこの間出てきてな、いま絶賛交渉中なんよ。貸す話も出たんやけど、賃貸は賃貸でえらいめんどくさいみたいで。いまは買取で交渉中なんや。良い額で取引できればいいんやけどなぁ…」

 コーヒーカップの底を除きながら答えた。”もうないんか”

「休業するのは良いとしても…売っちゃうんですか?御爺さんの遺産だとかなんか言っていたような気がしますが…」

「そう、爺さんの…」

「もうええねん、そのことはいっぱいこいつと喋ったの!蒸し返さんでええねん!!」

 太郎さんもうんざりって顔で喋った。その気持ちすごく分かります。不動産を購入するってのは、結構パワーがいるもんで、決めたことはもう変えたくないというのは、理解できます。私自信も経験済みです。あのマンションを買うの買わないのって大揉めでしたし。あっちの不動屋さんのマンションがいいとかなんとか、最後まで揉めた記憶が…。まぁ住んだら住んだで、その場所が都になるんですけど…。

「まぁーね。太郎さんの言う事も一理あるし…」

「一理?」

「ほう?」

「どう考えても狭いねん、三人の家族で住むにはあの二階じゃ狭いねん。どう考えても狭いねんって…」

 コーヒー頼もうかどうしようか悩んでいる模様。

「あぁ」

「なるほど」

 部屋へ入ったことはないが、二人がそう言うならそうなんでしょう。

「そういうことです。高いうちに売ってしまう方がいいと地元の不動産屋さんにも言われて…私も納得しました」

 そういう事ね。それじゃー仕方ない。部屋が狭いのは、一番困る。広すぎるのも困るが、掃除やらなんやら大変そうで。しかし狭いのだけは頂けない。これはそう。

「じゃお引越しを?」

「へぇー笑」

「そうそうお引越しを」

「考えています」

 二人の息がぴったりに。それでこそ夫婦なんです。きゃはーーー笑。収まるところに収まるのです。

「そういや、敦子。いま何時や?」

「丁度14時くらいかな」

「おう、そうかそうか。もうそんな時間か」

 太郎さんも笑顔だった。物件を見るのは、本当に楽しいもんです。それも分かります。

「ほんなら、行くで」

「どこへですか?」

「どちらへ?」

「マンションや」

「へぇ?」

”目が点になる”とはこの事だ。彼の発言は、全く理解出来なかった。

「だから、紹介せいーよ、晴彦さん」

「へぇ?」

「はい?」

 洋子もさすがにぽかんとする。そりゃしますわな。

「だから、お前らが住んでいるマンションを紹介せぇーって言うてるの!」

「だから、なんで?」

「もう、相変わらず鈍い男やな」

 太郎さんは、レジに向かって歩き始めた。わざわざ”ここは俺が払うわ”という合図しながら。

「だから、なんで?」

「洋子さんらが住んでいるマンションに空きが出たのよ。いまからその部屋の内覧会があんねん。お前らに会いに来たのは、そのついでやついで。はよ行くで」

「そうなんですか?」

「ひぇーーーーーーマジか」

「私が引っ越しを考えたのもそれがきっかけなのよ。それにあそこのマンションって値下がりしないみたいだし」

「そんなバカな」

「そうなんだ笑。確か廊下にブルーシートかかってたわね」

 洋子は、なんとなく知っているっぽい。確かに引っ越しする際は、廊下にブルーシートを張り付ける。今までも何度も見たことがあった。

「そんなバカな話がすぐそこにあんねん。はよ〜行くで」

 びっくりというかなんという偶然が重なってそんな出来事になるんだといいますか…なんなんでしょうか?このサプライズは。この稀に見るサプライズ展開は。ひょっとして太郎さん夫婦とご近所さんに?

「マジかぁ…」

「そこの兄ちゃん、のんびり語ってないで行くぞ!」

「はいはい」

「支払いも終わったし、お前ら…はよ行くで」

「あっはい、ありがとうございます」

「へぇーーーーー」

 私は、突然の彼らの報告によりまだ状況を把握できていないというかびっくりが納まらない。妻もですが、そんな彼女は、私なんかよりそのハプニングも楽しめる器があるようでして…表情がニコニコです。これから、太郎さんとご近所…というか同じマンションですか笑。不思議なもんですね、縁というのは。腐れ縁になりそうです、この縁とやらは、楽しそうですけど…大変そうです…。

「ヨイショヨイショ…」


 二度は産まれてこない人生なんだから

 いつ何時も心だけは晴れ晴れと輝かせて生きていこうじゃないか


「だから言うたやろ、セキュリティーガチガチでも俺は入れんねん」

 太郎さんは、ニコニコしながら部屋を見ていた。

「そういうことだったんですね…」

「そういうこっちゃ」

 びっくりしているといいますか、この展開の早さに自分の脳みそがついて行ってないわけです。

”いい部屋でしょう?”

 不動産屋さんも進めています。

「そうやなぁーー思っていたより狭いかな笑」

「バカ!もう…口が悪いんだから」

「一度でいいからこういうときにそういう態度してみたかったの。すまんすまん」

”ここはA棟ですからお友達の方とは反対側ですね”

「お前らは、何棟に住んでんねん?」

「僕らは、C棟です。この部屋の窓から多分見えますよ」

 がらがらっと窓を開けながら答えた。

 目の前には、洗濯物を干している洋子の姿があった。あたしは、洗濯物を干したいから先に部屋へ戻っているね。と。フロントの前で出会った不動産屋さんに軽く会釈をしてフェイドアウトして行った。ありがとうございます。と、私も心の中で洋子に向かって会釈をしたわけです。こういうささっと引き際が簡単にできる「妻」って本当に素晴らしいと思う。感謝です。

「そうかそうか、どれどれ」

 太郎さんも顔を出した。

「ほうほう、あぁーーー洋子さんの姿も見えますね」

「はい」

 洋子も私たちに気が付いたのか、手を振ってきた。

”…”

 さすがに何を言っているか部屋の中までは聞こえないが、同じ方向を向いている玄関から外に出たら辛うじて聞こえそうな感じもしますが。スープの冷めない距離ってこういう話ですね笑

「もうここでいいんじゃないの?」

敦子さんは、もう決めている模様です。

”ここは9階ですからね〜眺めも最高ですよー”

「うちは11階ですけどね〜笑」

「なんやて?」

「11階ですって言ったんです笑」

「だからなんや、うちの方が高いって話か」

「あははっ~笑」

「もう~春彦さんも茶化さないの!」

敦子さんも笑った。

「敦子、もう少し考えるで笑」

「その方がいいと思いますよ。ちゃんと考えてください。多分無理でしょうけど。関西弁で職業弁護士、甲高い声の方は、マンションの入居禁止っていう一文があったと思いますけど…」

「うそこけ」

「私がこのマンションの理事になったら、その一文を規約書に入れたいと思います笑」

「できるか」

「してみますよ笑」

「アホか」

「もう…」

 と、まぁ〜こんな話がざっと1週間前の出来事でした。太郎さんと出会って学んだことは、突然の偶然も重なると必然となり、その必然が重なると縁になる。その縁が重なると…それはもう立派な良縁(腐れ縁)となる!!という事。2か月後くらいにその良縁の太郎夫婦とやらは、何事もなかったようにマンションへ入居するようです。あの日の内覧会の後、すぐに判子を押しまくったようです。”判子押しまくったった”っていうような内容のお手紙を頂きました。今度は、そのお手紙と一緒に来なかったのが唯一の救いです笑。このマンションもあの甲高い声で包まれるのも時間の問題のようで…。でもですよーー産まれてくる子は、私らの子が”先輩”ですからねぇー太郎さん。太郎さんの子は”後輩”ですからね!笑。どうでもいい情報ですが。その後の出来事は、またの機会にということで、ひとまずこの辺でお終い。

 


 毎日ニコニコの笑顔の人の傍にいるか

 難しいしかめっ面で毎日を過ごす人の傍にいるか

 どっちがいいかって話ですよ

 人生ってやつは

 話さないでも分かりますよね

 人生とは

 そういうもんです



 私の「家族」の物語と太郎さん一家の「物語」は、まだまだ続きがあります。しかし今回は、残念ながらお時間が尽きてしまったようでして。後程、またご連絡差し上げるやもしれません。そのときは、暖かく見守って頂けると幸いです。












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夫婦といえど。 ジュウベイ イトウ @ajra7444

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