東アシュハについて


■統治者


騎士王マルコライスは西アシュハ王ヴィレオンと並び称された英雄の一人である。


そのマルコライスの長男であるドゥイングリスが現在の東アシュハにおける国王を務めている。


大抜擢であったが他ならぬヴィレオン王の指名であり、人好きのする人柄と有り余るバイタリティで諸侯からも受け入れられている。


ドゥイングリス王は戦により隻腕ではあるが、恵まれた体格と魔術を宿した剣の持ち主として武闘派としての威厳を保っている。


頭脳明晰な弟のパトリッケスが宰相を務め、役割分担がうまく機能している様だ。


三兄弟であるが、三男は父マルコライスの謀殺を図ったため殺人未遂の咎により国外追放に処されている。



■西との違い


隣国のデルカトラが弱腰なこともあり、西と比べると平穏な地方とされている。


戦中にある西と切り離されたことでよりその傾向が強まっており、民衆にとって国が別れたことの実感なども希薄なようだ。


山脈地帯のある西から東にかけて平地が増え海に面しているため、流通が盛んで商人の力が強い。

あらゆるギルドの中で商人ギルドが最大であり、全貌の把握が不可能なほどの勢力を誇っている。


西が危機感により強い結束を発揮し始めたのに反し、東では役人に対する買収や賄賂が横行し、それに端を発する風紀の乱れなどが都市部では問題視されている。



■ダラク族


東アシュハから北、海を隔てた孤島を支配する民族。

閉じた島国で暮らしている為、技術の獲得や発展の為に外界にて略奪を行っている。


自発的な技術革新に向いていない環境上、略奪するほど英雄視される。

そのため男のほとんどが好戦的で粗暴に育ち、海賊となる。


腕っ節の強さと無謀さこそが最上のアクセサリーであり、個人の地位を保証するもので、称号の最上級は勇者である。


同胞に対しては寛容だが、他民族に対しては徹底的に冷徹という性質を持つ。


ウロマルド・ルガメンテを筆頭とするインガ族を最強の戦士集団とするならば、ダラク族は最大の盗賊集団である。


特に航行中の船を頻繁に襲うために海上戦闘を得意とする。


近年、彼らの技術では建造不能とも思える強力な軍艦を入手。

西アシュハ近海で大暴れを始めたことで国軍を苦しめている。



■劇団いぬのさんぽ


イーリスとニィハは王兄弟とは顔見知りである。

特にイーリスを妃にするため三兄弟で奪い合いになったという経緯がある。


アシュハの二分割は首都から追放されたニィハたちを東で、東から追放された三男を西で保護することも目的に組み込まれていた。


これは元主君の身を案じたヴィレオンの配慮によるものである。


しかし、ニィハとイーリスに関してはその素性を隠し通さねばならず王の近辺で庇護することは叶わなかった。

二人もまた支援を受けることを良しとせず、最北東の港町で細々と劇団活動を開始することを選択した。

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