レビューというより感想文ですが。あと、なるべく避けましたが少し話の筋などネタバレしてます。
概要にある通り、物語の裏側を担う存在のひとりを主人公に据えたチュウ編。それと同じ時間を別の視点で描く、お約束てんこ盛りな内容の拍子木編。そして両者の出会う邂逅編を経て物語は終息します。
やや特異な内容で目を引くチュウ編は普通なら表側に当たる拍子木編より後に置きそうに思えますが、こちらを先に置いたことで興味を引いてのスタートダッシュ。そして逆にすると印象が薄くなりそうなポイントがあったり、他にも意味がある所が凄いと思いました。
全面的にベッタベタな内容を描く拍子木編は、この手の話を読み慣れていれば「展開への飽き」が手を止める要因になりそうなところを、既に提示された謎が頭の片隅にあることで「気を抜かずよく読み込んでいこう」という意欲を引き出され、自然と新たな疑問を拾いながら話を読み進めていくことができました。
道に点々と落ちる飽きの来ない餌をつつきながら進む鳥のような気分でした。うまうま、ぴょこぴょこ。さらに進むともっと美味しいのが待ってるのが分かってるんだもの。やめられないとまらない。
最後のエピソードでは、ゲスト/キャストの子たちにも少し出番をあげて欲しかったですが、そうすると物凄く喋らせなければならなくなって相当長くなりそうですね。残念だったのはそれくらいです。
読んでいて楽しかったです。ありがとうございました。