がんばれ忍ちゃん!

 ここは、とある山奥にある忍びの隠れ里。

 早朝から木刀を持ち素振りの稽古をしている1人の少女がいた。

 私は『すめらぎ しのぶ・15歳』ただいま立派なくノ一になるため修行中。修業をつけてくれるのは私の祖父の源ジイ。とっても怖いの!だけど柔術の寝技の時だけは優しいの。なんでだろう?

「忍おらんかー。おーそこにいたのか」

 小屋から出て来たこの人が源ジイ。『皇 源蔵げんぞう』白くて長いアゴヒゲをしてるけどアレ付け髭んだよwあまりにウルサイから前に私がイタズラしてったのw

「素振りはすんだのか?」

「じいちゃん終わったよ~」

「じいちゃんじゃないだろう。お師匠様と呼べ!」

「はいはい。おしょうさま」

「シが抜けとるわーー!わしゃハゲとりゃせんぞ!」

「いいでしょ。もうすぐお迎えくるし、ばあちゃんそこまで来てるよ」

「忍を立派なくノ一にするまではワシャ死ねん!」

「ところで何用なの?お師匠様」

「そうじゃった。今日の朝飯は忍がつくる番じゃろ。忘れとるのか?」

「あー忘れてた!今から作るね」

 爺ちゃんと私は毎日交代でご飯つくってるんだ。ばあちゃん生きてた頃は修行だけで良かったけど。爺ちゃんがこれも修行じゃーて言うから作るようになったの。


「忍ちゃーん!おはよー」

 田畑のほうから走ってくる少女。

「あっ弓ちゃんおはよ」

「忍ちゃん今からなにするの?」

 この子は私より5つ下の『草薙くさなぎ ゆみちゃん・10歳』小さくて私の妹みたいな子かな。一緒に遊んだり、修行もしてたりするんだ。

「ご飯の準備だよ。近くの森でキノコでも取ろうと思ってるの」

「わたしもいっていい?」

「いいよ~。私のあとついてきてね」

 弓ちゃんは私が行く所にはすぐついてくるんだ。甘えん坊だけどそこが可愛いから、どこでも連れて行くんだけど。

 森の中を歩く忍と弓。ところどころにキノコが生えてる場所へきた。手分けしてキノコを取り始めた。

 これはシメジだから大丈夫。傷つけた箇所が青色に変色するのはダメよね。あと胞子が黒色や焦げ茶のも危ないんだったかな?ヨシ!これくらいでいいかな。

「弓ちゃん集まったかな?」

「いっぱいとれたよ~」

 ウン。危なそうなのは無いみたいね。忍は確認してザルの中へいれた。

「それじゃ帰って準備しようか」

 忍は森を抜けウチへ戻ってきた。小屋の横にある炊事場でキノコ汁を作り小屋の中へ運び込む。

「ほ~キノコ汁か。ウマそうじゃな。弓も一緒に食べんか」

 弓は忍の横に座る。忍は源ジイと弓にキノコ汁をついであげた。

「じゃいただくとするか。お~これは美味いの~」

「忍ちゃんお料理じょうずだね」

 アハっほめられちゃった。爺ちゃん食べるの速い~。おかわり忙しいよ。弓ちゃんも朝食たべてきてないのかな。キノコ採りもしたから沢山おかわりしてる。

 キノコ汁はまたたく間に売れ切れた。


「さて、朝食も取ったし修行じゃな。忍、弓おもてにでんか」

「えーもう修行するの?爺ちゃん食休めしたほうがいいよ」

「たわけ!そんなことしてたら太るわ!」

 太る!それはヤダ!忍びが太ったら軽業かるわざもできないもの。ヨシ!がんばろう。


 源ジイに着いて行く忍と弓。原っぱにやってくると源ジイが大型の弓をもってきた。

「これでよ!」

「わかりましたお師匠様!」

 げんを引く忍。源ジイから矢をもらうと狙いをつけた。そして一気に放つ!

「わーい。お空を飛んでるよー」

 ゴーーーン!弓は大木に頭からぶつかり地面におちた。ピクピクして笑っている弓。

「見事じゃばあさん!腕をあげたな」

「やだな~弓ちゃん。婆さんなんて私まだ15歳だよ~」

「婆さんもうろくしたか?わしゃ弓じゃないぞ」

「あはは。弓ちゃん爺ちゃんの真似じょうず~」

「それにしても婆さん乳が垂れとらんの。どれ久しぶりに触らしてくれ」

 そう言うと源ジイは忍の胸をもむ。

「婆さん若いころのようじゃ!ハリがあるの~うひょひょ」

「やだ弓ちゃんくすぐったいよ。もうやめて~」

 3人は幻覚を見ていた。


 そこへ通りががかる村人夫婦。

「なにやってんだ爺さん!孫の胸もんで喜んでるぞ!」

「アンタ!様子がおかしいよ!忍ちゃんも喜んでる」

「そうだな。あんなことされて忍ちゃん喜ぶはずがないな」

「アレじゃないの前にもテングダケたべて幻覚見た人いたじゃない」

「そうだな。よく見れば泣きながら笑ってる弓ちゃんもいる」

「みんなに知らせて隔離しないと危ないよ」

 集められた男衆により源ジイ、忍、弓は隔離された。

「ウヘヘ。婆さん分身の術がうまくなったの~」

「ウフフ・・・弓ちゃん腕が丸太みたいだよ」

「エヘエヘ。しのぶちゃんもう一度お空とびたいエヘヘ・・・」

 

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誤解しないでよっ! 高見 雷 @taka-mirai

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