僕のオカンは暴走列車
【僕のオカンは暴走列車】
僕『
食事と言えばご飯に漬物、まれにメザシがついてくる。
だけど、たまに超豪華にトンカツや外食する時もある。
なぜ貧乏かと言えば母さんが原因だ。『ギャンブル依存症』
これは怖い病気だ。口で言われても決して治らない。平気で
お金を持つと燃料が入った列車のごとく暴走し
どうやら今日は外食なのか母さんの鼻歌まじりの声が玄関から聞こえてくる。
「みつる~。今日はお寿司にするわよ~。回転寿司よ」
母『陣内 幸子』が部屋に入ってきた。
「マジ寿司なの!もう何年も行ってないよ、回転寿司」
「お兄ちゃんやったー。おすし~おすし~」
妹の『陣内 メメ・6歳』も喜んでいる。
母さんはちょっと準備するから待ってね~と隣の部屋に行った。しばらくして戻ってくると畳に折りたたんだ紙を置いた。
「みつる~メメ~。混ぜ混ぜしてね」
「何?母さんクジ引きで食べれる皿の数決めるの?」
たしか以前そうだった気がする。
「はいは~い。それじゃ始めるわね。みつるからどうぞ」
「しょうがないな~枚数多いの出てくれ!エイッ!」
紙を開くミツル。寿司のネタの名前が書いてある。『イクラ』
「今日のは皿じゃなくて食べれるネタなんだ~」
「そうよ~メメも引いてね」
「うん。う~んこれ!」メメは『マグロ』
「メメいいやつ引いたな!」
僕はメメがうらやましかった。次は母さんの出番なんだけど炊事場へ行く母さん。
「はいご飯よ~。後コレね」
「あれ?母さん回転寿司は?行かないの?」
「混ぜ混ぜしたじゃないネタの紙。お寿司のパンフ見ながら、ご飯たべるわよ」
「は~?コレは回転寿司じゃないよ!もうグレてやるーーー!」
ミツルは玄関から飛び出した。
「今までで最悪だ!とうとうココまできたかギャンブル依存症。でもあんな母さんでも憎めないんだよな。メメは回転寿司初めてだから、あれが本物だと思うよ」
ミツルはポケットを見る『100円』急いで家に帰った。
「母さんこれでメメだけでも!」
僕たちは歩いて回転寿司にきた。メメに一皿だけマグロを食べさせた。
「おいしいよ~お兄ちゃん」
「ああ・・・」
僕は涙が止まらなかった。恥や外見よりもメメに本物を与えてやれたのが嬉しかった。
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