第10話 名前を呼んで…
去年の話だ。
彼氏とデートしていた時のことだった。
私は、メイクに手間取って、
少し遅れてしまった
「ごめ~ん♪、遅れちゃった、待ったぁ?」
「ん、全然いいよ。それじゃ、どこ行く?」
「私、お腹すいたな♪へへへっ」
「ん?そういえば、俺も。なに食べたい?」
「ん~、私、お寿司♪」
「いいね、そういえば、肉より魚派だって
言ってたよな、お前……」
「ん?………………う、うん……」
………………
私と彼氏は、お寿司を食べていた
「ごめんな、給料日、過ぎたら、次は、
回ってない寿司屋に連れていくから」
「えー、回転寿司でも、全然大丈夫だよぉ
美味しいし♪」
「そっか、良かった」
「私、お腹いっぱいだー、これ食べて♪」
「お前、食べれないなら、皿、取るなよ。
お前は、もおー……。」
「…………え?、………う、うん………」
…………
……
彼氏は、私をじっと見つめていた。
「ん?、なぁに?」
「あれっ、なんか今日、眉毛、太くない?」
「え?、そんなことないよ、……っていうか
これが流行りだし……
ほらっ、あそこの綺麗な人も、
眉毛、太いよっ♪」
「あー、本当だ、……イモトだ
イモトみたいだ……」
「そ、そこまで、太くないけど……」
「……ていうか、お前なぁ……」
!?
………………
お前………
………
私と彼氏は、そのあと、お互いの仕事場の
話をしていた
「……ってな感じでさ、大変なんだよぉ」
「俺も分かるよ、でも、まっ、がんばろ
それに、お前なら、大丈夫だよ」
「…え?……………う、うん…………」
……………
「お前のことは、俺が、よく分かってるか
ら、だから…、なっ!
お前なら大丈夫。。お前なら………」
!!?
………………お前?
お前………お前………
お前………
お前…
…………
…………
…………ブチッ
私は、キレた
「……おっ!、おっ!、おっ!、
お前って呼ぶな"―――――――っ!!!!」
!!?
……………
「お前、お前、お前お前、お前って!!!」
「………え?………、」
「何が分かってるだ!!私が嫌がってるの
分かってねーだろがっ!!
言われないと分かんねーのかよっ?!
気づけよっ!!!
最近、いきなり、言い出したなっ!!
私のこと、お前って!!
私は、嫌なんだよっ!!!
お前ってよばれるの!!
逆に、私が呼んでやるよ、お前って!!!
今日、私が遅れたのだって、お前が、
眉毛が細い娘が、タイプだって言うから
私は、流行りっぽく太くしたいのに
細ーく、そして、変な感じにならないように
ビミョーに、さじ加減して……
それで、遅れたんだよっ!!!
今、眉毛、細いの、
私か、土屋アンナぐらいだっ!!!
まわりに、私、土屋アンナのファンだからっ
て言って、いつも、ごまかしてんだよっ!!
おかげで
後輩に、アンさんってあだ名つけられたし!
先輩には、元ヤンとか、ヤンママとか言われ
てるしっ!!!
だから…、もう、全部ひっくるめて!!
とりあえず…………!!
お前って、呼ぶな――――――っ!!!! 」
…………?!!
……………
「…そ…そそ、…そっか…、ご、ごめんな、
………な、なんて呼べばいい?」
「はぁ?、今までどおり名前だろがっ!!
ずっと、お前、私のこと
さちこって呼んでたろーがっ?!」
「……ご、ごご、ごめん、
さ、ささ、さ、さち、……すちこ」
「かんでんじゃねーよ!!」
「さちこ、………さちこ、…ごめんな」
「…………………」
「俺が悪かった、謝るから………
だから、なっ?……さちこ」
「………………」
「さちこ」
「……………う、うん……」
「さちこっ」
「………それじゃ…」
「ん?」
「…………今度、回らない お寿司屋さんに
連れていってくれるぅ?」
「いいよっ、もちろんっ、行こう」
「うんっ♪」
「さちこっ」
「なぁに?♪」
「さちこぉ♪」
「フフフっ♪」
「アンさんっ♪」
「もーっ……♪」
えへへっ
私と彼氏は、とっても、仲良しだっ♪
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