第11話 神様の前だから…

一月五日。。。




今日で、この神社に来るのは、今年、3回目だ。



初詣は、わたしは、親友のマユ子達と一緒に来た


そして、二回目は家族と。。

 


今日、私は、ひとりで ここに来た


そう、ケンジに会うために。。。













二年前の1月5日、ここで私は、ケンジに告られた



友達、みんなで初詣に来たときだった





そのとき、私の隣にケンジがいた



わたし達は、お賽銭を入れ、鐘を鳴らし、礼をした




そして、、、





パンッ! パンッ!





今年もよい年で、ありますように。。。


 



そのときだった!





ケンジが、突然。。。




「カナコ・・・・・俺と付き合ってほしい


・・っていうか、付き合え」







・・・?






「はぁ?、馬鹿じゃないの?・・・ていうか、


誰に言ってんの?、わたし?、神様?・・」





ケンジは、手を合わせ、拝んだままだった





「両方だ、神様の前で、お前に告ってんだよ」






!!




「・・・・・・・ふふっ、どうしよう、



それじゃ、神様、わたし達、・・・・付き合いますっ!」







「マジ?・・・あ、ありがとう、


・・・・か、神様、俺とカナコは、付き合います


・・・・幸せにします!」





・・・







「・・・ケンジの頭がよくなりますように」




「・・・・カナコが、もう少し、俺に優しくなりますように」





・・・・






最初、ふざけて言ったと思い、ノリをあわせてしまったが、


結局、わたし達は、そのまま付き合った





私はケンジのことが、友達として好きだった



付き合いだしてからも、わたし達は、友達のときと、


あまり、変わらなかった




「これが、俺たちの かたちだ」





私もケンジも、楽しかった。 そして、いちおう、カップルだった






そして、去年の、3月・・





ケンジは、就職で、東京に行った





ずっと、ケンジは、悩んでいた



でも、私が、



「せっかく決まったんだから、行け!そこで、働きたかったんでしょ?


一人前になるまで二度と帰ってくるな!」



と、送り出してやった









今日、ケンジは、出て行った3月以来、久しぶりに帰ってくる




そして、ここで待ち合わせ・・・






・・・・・・






「カナコ!」





!!





「うわっ!・・け、ケンジ・・・・・・


・・・び、びっくりした」





「ん?、なんか、思い出にでも浸ってた?」





「ん?・・まあ・・・ていうか、久しぶり」




「おう、やっと会えたな」




「ねっ、お盆、帰ってこなかったしね」




「うん、一人前になるまで帰ってこないって、


お前との約束もあったしな」




「それじゃ、帰ってきたってことは?・・」




「ん?・・ぜんぜん、・・まだまだ」




「じゃ、なんで帰ってきたの?」




「・・・正月だから」




「あ・・・そう・・・」




「なんだよ・・正月ぐらい、いいだろ、帰ってきたって・・」




「ふふっ・・・・」





「・・ふふっ じゃねえよ」






「・・けんじぃ、」






「ん?」





「なんか、少し、たくましくなったかも」




「ん?、そうかぁ?」





「うん、少し、かっこよくなったかも」










わたし達は、参拝をした





「けんじぃ」




「ん?」





「なんで、ここで待ち合わせにしたの?」





「それは、お前と初詣したかったからだよ」





「今日が、はじめて?」




「うん・・・もちろん」





「・・・・」





私は、今日が三回目だってことは言わなかった





「それに、お前に告ったの、ここだし・・・・


ていうか、分かるだろ・・」









・・・・もちろん、覚えてるよ







「ねえ、けんじぃ」




「ん?」





「いつか・・・、神様の前で、私にプロポ一ズしてね」







「なっ・・お前・・・俺・・・


しようと思ってたのに・・・・


それじゃサプライズになんねぇじゃん」







「・・・・それでもいいよ、・・してね」






「・・わかった、俺が、いちにんまえに、なったらな」






「うん・・・・いつかな~?」







私とケンジは、神社を あとにした

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