再開は突然に
side???
おい爺共
それを俺にくれ
は?断るって?
おいおい、心が貧しいのか?
頼んだらプレゼントしてくれるってあいつは言ってたんだが・・・・・・
ん?プレゼントしたわけじゃないって?
へー。勝手に盗み食いされたんだ
なんでそんなに殺気立ってるんだ?
あー、そういえばあいつって道教も敵に回してたんだっけ?
大昔の事をまだ気にしてんのかよ
いや、俺はあいつの仲間じゃねえけど?
強いて言うなら知り合いだな
つーか、何千年前のことをまだ怒ってんだよ?
そういうのと無縁になるのが仙道とやらじゃないのか?
いや、そんなの知らんけど?
じゃあ、ギフトゲームしようぜ!
勝ったら俺はそれを貰う
負けたら俺の首でもやるよ
なんだ?怖気づいたのか?
は?いやいや、俺はこれでも箱庭中に指名手配されてる存在だぜ?
そんなの
sideゲント
なぜかは知らんが白夜叉が話の途中で飛び出していってしまったために、白夜叉が秘蔵していた茶菓子を勝手に喰いながら、喰い終わったら逃げようとか考えていた。
「・・・・・・会うべきか会わないべきか」
俺が敵に回してる範囲とか計画とかの理屈で考えると会わない一択なんだが、やっぱり感情的に思うと会いたいものだ。
本音を言うと今すぐ会いに行って保護したいが、それはあれのためにならないというのは考えなくてもわかるものだ。絶対俺は甘やかすだろうし、いざとなった時に困るだろう。
まだ指名手配解けてないみたいだし、下手にあれを本拠地に連れていって
「そうと決まればそろそろ御暇させて貰おうかねえ。何か嫌な予感がするし」
茶を飲み干して、さて帰ろうとしたその時
「――――お兄様?」
今もっとも
あんにゃろう。いきなりいなくなった理由はこれか!
そんなのをおくびにも出さず不敵に笑って声がした方向に振り向く。
「やあ、リトルシスター。久しぶりだねえ」
そこには白夜叉に連れられてきたと思しき黒ウサギとその他3名―――服装からして恐らく召喚されて間もない外界の人間だろう―――が立っていた。
「お兄様?」
「黒ウサギ、知り合いなの?」
「ヤハハッ!こいつはおもしれえなウサギの兄が人間とは!」
外野が何か言ってるがどうやら妹には聞こえてないらしい。
というかなぜかドヤ顔してる白夜叉がウザい。余計なことしかしてないからな?
それはさておき、リトルシスターは目に涙を溜めて感極まったように
「お、お――――お兄様ーーーー!!」
突然の体当たりで襲いかかってきたので
「あぶね」
「ひゃいん!?」
普通に避けたら、壁にぶつかって「顔に痛みが!?まさか叩かれた!?」とか言って悶え始めた。
何やってんだこいつ?
「おーい。怪我してないかー?」
「なんで避けるんですか!?」
さっきまで変にのたうち回ってたのが嘘のようにガバッと顔をあげてツッコミを入れてくる。
「え?体当たりは避けるもんだろ?」
「体当たりじゃありません!」
「え?違うの?」
「違います!」
side逆廻 十六夜
今の俺の心境を現すならうんざりといった感情だろう。
「よしよし、悪かったなリトルシスター」
「はうぅ」
なんで異世界に召喚されてまで、他人がイチャイチャしているのを見せられないといけないんだろうか?
完全に二人の世界に入ってるんだがあれ本当に兄妹か?
「悪い男に騙されてる女みたいね」
「でも兄だって。ウサ耳ないけど」
「まああやつにもいろいろあるのだ。種族は違うが一応兄妹だぞ?」
「よく見れば似てる気がするわね」
「でも悪人顔」
「まあわからんでもないがな」
「聞こえてるぞー」
二人の世界に入ってると思ったら意外と周りを見ていたようだ。
「え?なにがですか?」
「なんでもないよー?」
訂正、どこかのダメウサギは周りが見えて無いようだった。
あれが本当にノーネームの最年長なんだろうか?
「さて、こうしとくのも役得だけどそろそろそっちの人たちの紹介してくれないか?」
「はい!わかりました!」
へらへら笑ってるけど品定めするような目つきをしてる。見た所、強さはよくわからないが油断ならない相手だというのはわかる。
「その前に自己紹介するのが礼儀じゃないかしら?」
「ん?それもそうだな。俺の名は
「
「ま、そういう事。一応、コミュニティの長をやってたりするな。ま、関係ないけど」
ヒラヒラと手を振る姿からは威厳というものを全く感じ取れないが、なぜか黒ウサギが興奮してすごい人だと騒いでる様子を見て、あれのコミュニティに入ったことを若干、後悔したくなる。
「そしてワシも自己紹介をしておこうかの。私は四桁の門、三三四五外門に本拠を構えている"サウザンドアイズ"の幹部、白夜叉。黒ウサギとは少々縁があってな。コミュニティが崩壊してノーネームになってからも、ちょくちょく手を貸してやっているのだよ。ま、器の大きな美少女と認識しておいてくれればいい」
「はいはい、お世話になっております本当に」
ぞんざいな返事をする黒ウサギだが嫌っているというよりうんざりしている感じか、店の前のように大体セクハラされてるらしい。
「つーか、連れてきたくせに自己紹介してなかったのかよ」
「それより黒ウサギへのサプライズを優先したかったからの」
そのセリフを聞いてイラッとしたらしいが、感極まってる黒ウサギを見て呆れたように表情を戻す。兄としてもアレはないようだ。
「あー、そうかい。一応補足しとくならコレが東側の
「なんとなくはわかるけどな。要するにここら辺で一番偉い奴だろ?東側ってことは他にも何人かいるのか?」
「ま、そんなところじゃの」
「嘘つけ。ここら辺どころか箱庭の東側の中層下層の最高責任者だろうが。あと、今んとこ
「中層下層?」
「話進まねえな?説明メンドイし、後でそこの黒ウサギにでも聞け」
心底、面倒そうに妹に投げる。そのついでのように
「お前らの名前聞かなくていいや」
と、言いやがった。
「それはどう言う意味だ?」
「それは失礼じゃないかしら?」
「喧嘩上等」
「御三人方!?」
こんなこと言われたらいくら温厚で優しい俺でも怒りがこみ上げるってもんだ。
「まあ、自信があるのはいいが大したことのない奴も多いしな。大したことない奴なら聞くだけ無駄だし、実力があるならノーネームだなんてハンデにも拘らず勝手に名前は売れるだろうしな」
「上等じゃない!すぐにでも私たちの名が箱庭中に知れ渡るわ!聞かなかったことを後悔しなさい!」
「覚悟しとけ!」
「ニャーニャー!」
「ほー?そんじゃあ楽しみにしとくぜ」
なるほどな。こうやって挑発して、ノーネームに協力することを取り付けるつもりだったのか。まんまとお嬢様方は乗っちまって。
「ハッ、後で後悔すんなよ?」
「口だけじゃ無いことを祈るわ」
それじゃあ仕事あるからと言って立ち上がったゲントはまるで俺達の事は眼中にはないようにさっさと部屋から出て行き
「お兄様!」
黒ウサギが呼び止めて気だるげに首だけで振り向く。
「なに?」
「また会えますよね・・・・・・?」
「会えるさ。俺もマイシスタ―も若いんだからな」
そう言い残し、今度こそ出て行った。
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