終わりと始まり
side ???
熱い
熱い熱い熱い熱いアツイアツイアツイーーーー!
身体が焼ける
肌が朽ちる内臓が爛れる
俺は一体どうなっているんだ?
誰か 俺を助けてくれ!!
side黒ウサギ
「避難区域に近づけさせるな!避難状況はどうなってる!?」
「現在、誘導中の6割が完了していますが例の化け物の暴れ具合により残りを守り切るのには無理があるかと!」
お兄様に連れていって貰った商談先で箱庭の天災の一つ、魔王が襲来しました。いつもなら私を預けてから嬉々として飛び出していくお兄様ですが、その前にはぐれてしまい。偶然、通りかかった地域支配者のコミュニティに保護されました。
「階層支配者への連絡は!?」
「通信系の恩恵は何者かに妨害されてるらしく外への連絡はとれない状況です。また『門』の周辺は例の化け物が暴れているため近寄れないとのことです!」
私はゲームの関連上、避難区域に避難することは危険との判断で一番守りの固い地域支配者の城で匿われています。
「駐留している階層支配者の部隊は!?」
「ほぼ壊滅的被害により避難民の護衛が精一杯の状況との事!」
「くそ!」
そう叫び、お兄様の取引相手(?)の地域支配者が頭を抱える。
「あの・・・・・・何か手伝いましょうか?」
「・・・・・・いや、いい。君の持っている『審判権限』は実に魅力的だがゲームに月の兎を巻き込んでいる以上、下手に使えば状況が悪化しかねない。気持ちはありがたいがね」
「・・・・・・そうですか」
『審判権限』はギフトゲームに干渉できる強力な権限である代わりに下手に使えば自分の首を締めかねない権限だから最低でもそれを見極めないと使えないとお兄様はおっしゃっていました。このゲームはどうなのでしょう?
「(それにあの悪ガキに恩を着せるチャンスだ。下手に協力させて恩を着せさせられるのは勘弁だな)」
「どうかしましたか?」
「いや、ゲームのことを考えてただけだ」
ほらこれと『契約書類』の一枚を手渡される。ギフトゲームについて知っておくべきだと判断されたのだろう。
そう思い黒い『契約書類』に目を落とす。
『 ギフトゲーム:燃える獣
・プレイヤー一覧
・開始時点で三八六六七六五外門・舞台区画・居住区画に存在する知的生命
・ホストマスター側勝利条件
・月の御子の死
・プレイヤー側勝利条件
一、燃える獣の死
二、開始より二四時間の経過
三、燃える獣の正体を暴く事
・プレイヤー側ペナルティ事項
・時間経過ごとにとある事項の記憶を失う
・月の御子の居場所の隠蔽禁止
・プレイヤーはゲーム区域より出ることは出来ない
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の元、ギフトゲームを開催します
” ” 印』
・・・・・・このゲームは私が狙いだ。魔王の行うゲームに関わるのは初めてじゃないが中心人物となったのは今回が初めてになります。
お兄様はこんな時にどこへ行ったのでしょうか?いつもならこういう時は率先していろいろやっているはずなのに今回はどんなに耳を澄ましてもお兄様の声も活躍も聞こえない。
・・・・・・お兄様ほどじゃないにしろ私も月の兎として頑張らなくては
むんっと気合を入れてウサ耳を捩じって考える。
今は行方不明の兄が来た時に褒めてもらえるように、私がいつかお兄様の隣に立てるように
今はゲームで勝つために考えよう。
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