チャコの防衛システムの改良。
あれから数日が経った。
大津は過激派を理由にこの国の防衛力を高めることにしたらしい。
今まではUAVを飛ばしある程度まで監視をしていたがそれに限界を感じたみたいだ。
前の争いで米国が残していったサイコの残骸を研究してパクリ…いや同じようなのを作る気でいるらしい。この国には警察というのはない。
なので自分の身は自分で守る必要があるが銃の所持は12歳からじゃないと認められていない。
なので軍が警察の代わりなのだが人手不足。
そこにちょうどいい素材が手に入ったので利用する。
完璧にパクリだっ!
「技術開発の最高責任者のホカですっ! 精一杯頑張りますっ!」
っていう人がいて着手していたが見た目が違うサイコのようなロボットをすでに試験段階まで造りあげているらしい。
それと同時に国の守りが甘いとかで周りに対空ミサイルを設置するとか。
この対空ミサイルは誘導式ですでに開発済みであとは設置するだけみたいだ。
「ホカっ! 順調に進んでると思いますっ! うんっ!」
ほとんどがどこかの国の技術のパクリらしいけど腕だけは確かみたいだ。
そして対空ミサイル設置のために護衛が必要みたいでFACに依頼がきた。
本当は普通の軍で護衛したいが人数足りずってことだ。
約13万人のうち約5万人が軍所属だけどまだまだ発展途上でみんな忙しい。
だがこのミサイルの設置に反対する人がいて内政も大変みたいだ。
「ここまでする必要はあるのかー?」
「どこも攻めてはこない! こんなのにお金を使わないで他の設備に予算を回せ!」
確かに学校は増やしたほうがいいだろうな。
子供しかいなくてもいろいろ大変なんだなーっと改めて感じた。
ミサイルは6機設置する予定でまずは1機目の設置を護衛する。
レムが暇そうに無線で話しかけてきた。
「このミサイル四連装なんだな。でかいな」
確かに大きい。
それを子供が設置するのだから時間がかかる。
「狙撃班ならちゃんと辺りを警戒してくれ」
「はいはいーっと」
無線終了。
「辰真ー。リリーさーチョー暇なんだけど。なにか話してよ?」
今度はリリーが直接話しかけてきた。
いくら護衛でも仕事だぞ…。
前みたく襲撃してくるかもしれないのに。
「レムもそうだけどもうちょっと緊張感持たない?」
確かに暇すぎて筋トレしてたほうがまだマシだけど!
1日1機の設置と聞いたがこれが続くと考えるとしんどい。
「リリー、疲れたー! お菓子食べたい! 紅茶飲みたい!」
そこにクラスメイトのパムがきた。
「ちゃんと護衛してくださいよー。っていいたいけどこれは過酷だね」
お前もか!
もう一人きたぞ。
「あたしせんべい持ってきたからリリーちゃん一緒に食べよ? うんまーい! バリバリ」
「せんべい? リリーせんべいはちょっと…って言いたいとこだけど食べるーバリバリ」
「じゃあ僕も食べるーバリバリ」
パムも食べ始めた。
レベッカのお菓子好きにも困ったものだ。
そんなことしていたら今日の護衛は終わった。
続いて2機目。
2日目の設置の護衛。
なぜか知らんが弁当を作ってきたリリー。
それを護衛全員がシートを広げて食べている光景がそこにはあった。
昨日は話さなかった
いやー平和だなー(棒)
「リリーがお弁当作ってきてあげたんだから感謝しなさい!」
「感謝してるしてる」
「俺も感謝してるぜ? レム様大満足だ」
「僕もまさか任務中にお弁当が食べられるなんて嬉しいかぎりだよ」
「リリーちゃんのお弁当おいしいね! 今度からお菓子じゃなくてお弁当持参しようかな?」
大絶賛。
バースは食べるのに集中していて話さない。
赤城はあまり話さないがさっき小声でうまいと言っていたのを聞き逃さなかった。
スクーはなぜか泣きながら食べてるけど…何があった?
そしてエルが立ち上がった。
「拙者、こんなにうまいものを食べたのが久々でござる! リリー殿は料理が上手でござるな!」
ここまでおいしいなら誰も文句はないだろ。
いいお嫁さんになりそうだ。
みんなで食べていたら突然バースが不機嫌そうになった。
「おいスクー、最後の卵焼き、食べたろ?」
みんな固まった。
バースはちょっと短気なのでなるべく怒らさないようにしているが甘かった!
スクーが最後の卵焼きを食べてしまったらしい。
「ごめんなさいごめんなさい! 気づかなくって…本当にごめんなさい!」
「…ごちそうさまでした……」
「気づかなかったじゃねーよ!」
赤城!ちょっとは空気読んで!
そしてバース! 冷静になろう!
なんとかしようとしていたところにレベッカが気を利かす。
「今度はあたしがお弁当作ってくるからそれでいいでしょ?! ねっ? ねっ?」
ナイスフォロー!
「それならいいか…悪かったな」
落ち着きを取り戻したバースであった。
・・・あれ、俺達ピクニックにでも来てるんだっけ?
本来の目的を忘れそうだったがこの後ちゃんと警備をしたが特になにもなく2機目も設置が完了した。
こんなことが続くのかと思っていたが4機目設置中に問題が起きた。
過激派だ。
数は多くない。
10人いるかいないかくらいだったが特になにもしてこない。
過激派のシンボルマークのガイコツが銃を咥えてるワッペンで気付く。
一番最初に赤城が発見した。
警戒していると一人が接近してきた。
「なぁ、これ明日も続くのか?」
敵意は今のところないようだ。
「続きますよ。明後日で終わる予定です」
「そうか」
それだけ聞いて帰っていった。
明日が危ない気がする。
みんなに明日は要警戒と伝え今日は無事終わった。
そして5機目の設置を迎える。
やっぱりきた。
20人、いや25人か。
俺達は9人だがなんとかするしかない。
「狙撃班で気を引いて!」
レムと赤城が戦闘に入る。
「パムとバースは可能な限り近づいて前線を頼む! ひたすら撃ってくれ」
パムはM60を使うので早くは動けない。
そこをバースのAK-12でカバーする。
「リリー、レベッカ、エルは俺と前線よりちょっと後ろで前線のカバーに入る」
リリーはM4A1だが保険で後ろに置く。
レベッカはP90、エルはUMPとこの状況じゃあ不利なため後ろに。
思っていた以上に苦戦しなかった。
狙撃と前線だけでなんとかなった。
18人くらいをやったところで残りは逃げた。
とにかくこっちには負傷者もいなく全員無事だ。
「やっぱり隊長は辰真殿がピッタシでござる」
「そうね。あたしもそう思う」
こうして俺は気が付けばFACの隊長になっていた。
そして最終日。
6機目の設置はなにも起きなかったのでレベッカお手製のお弁当をみんなで食べていた。
「君たち、なにやってるのかな?」
大津がいつの間にかいた。
「こ、これは…その…ごめんなさいいいい」
スクー、焦りすぎだ。
「今日で護衛終わりで暇だろうからっていうか今も暇? だろうけどなぜか楽しそうだね? 仕方ないからもう一つお願い事をしよう」
まためんどうを頼まれそうだ。
「ホカのロボットなんだけど一応完成してね。人型なんだけどケルベロスって名付けたらしい。まるで番犬だな。それと手合せしてほしい」
それは結構楽しそうじゃん?
みんなもちょっと嬉しそうにしている。
「やっと、やっとこの地獄から解放されるぜ!」
「
これで次の予定は決まったな。
すべて設置完了。
地味だけどFAC初のミッションは成功に終わった。
ケルベロスと手合せか。
一体どんな感じなんだかわからないがやる気がでてきた。
今日のところは解散してケルベロスの模擬戦に備えよう。
で、模擬戦に来たのだが、絶句した。
ケルベロス、恐るべし。
見た目米国のサイコとあまり変わりがみられないけど武装がおかしい。
ミニガンってなんだよ!
あれと戦えとか頭おかしいとしか…。
「でー? 誰が戦ってくれちゃうのー! ホカちゃん的にはバースがやってくれるとうれしいなっ!!」
バース、指名入りましたー。
行って来い。バース。
「おう! いいぜ。やりがいありそうだ」
バカかあなた。バカか。
バースは試験場へと入る。
「じゃっ! すたーとっ!」
するとケルベロスはさっそくミニガンを構える。
バースは壁に隠れる。
が、ミニガンがどんどん壁を削っていく。
待て待て、死ぬって! これ死ねるって!
「中止! 早くケルベロス止めてー!!」
俺が叫ぶとホカはケルベロスを止めた。
「チェッ! つまんないのーっ!」
この開発者、悪魔だ…。
「赤寺、助かったぜ…」
あのバースが消沈だよ・・・。
さすがに怖かったよな…。
それでこれ、なにか意味あったのか?
「まあ、とりあえず動いたし、問題なーしっ!」
これで終わりらしい。
「あとは量産するだけっ! みんなお疲れお疲れっ!」
恐ろしい兵器だ…。
「言い忘れてたけどこのケルベロスだけミニガンで他は普通の銃装備だからっ!」
大津とホカはどこかおかしい。
誰も死ななくてよかった…。
そして二週間くらいで1000機を配備した。
ミニガンケルベロスはボス的な立ち位置みたいだ。
「おっと悪い。赤寺、ちょっと話しがある。実は反政府って言われてるやつらの代表と会談するんだがお前だけ護衛として立ち会ってくれ。なにも起こらないと思うけど」
俺だけか。
まあいいか。
「わかりました」
そして会談の場へ足を運ぶ。
大津と反政府の代表、Kがすでにいた。
「それで? 反政府さんとやらは何が不満なの?」
「なぜこんなに武装をする? 他の国が攻めてくるわけがない。ましてやこの防衛策が挑発していると捉えられるかもしれん」
「なるほど。だが備えあれば憂いなしだ。承知してほしい」
「到底できない! あんなミサイル必要ない!」
俺は我慢できず発言した。
「じゃあ、もしもの時は誰が守ってくれるんです? あなた方反政府ですか? 違うでしょ? 結局は政府がこの国、この国にいる人々を守るんですよ。だから備えるんです。攻めてこなきゃミサイルは使わなくていいんです。」
「…。」
Kは黙ってしまった。
ちょっと言い過ぎたか。
「戦艦でも補えないかもしれないということをわかってほしいです」
大津がこちらを向きよくやったという風な顔をした。
「これで解決したでしょう? これからは仲良くやっていきましょうよ。ね?」
これで会談は終了した。
「いやー悪かったね。それにしても赤寺君すごいよキミ」
なぜか褒められてしまった。
それでも俺は見逃さなかった。
あのKってやつ納得してない。
そういう目をしていた。
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