レベッカの休日。
お腹が空いて目が覚める。
あたしの目覚めはいつもそんな感じ。
冷蔵庫へ食べ物をあさりに行く。
もう食材少ないわね…。
奇跡的にプリンが一つあるのでそれを食べて支度をする。
スーパーにいって食材を買って行きつけのお菓子屋さんで駄菓子を買う。
これだ…!
スーパーにはすぐ付く。
だいたい徒歩5分。
買うものもほとんど固定だから余計なものは買わない。
カゴをもってからほんの数分で買い物が終了。
お菓子屋さんにいってスナックやおせんべいを買う。
これでよしっと。
家について買い物してきたものを片付ける。
普通らしい生活をしているのはチャコにきて初めてのことだった。
あたしはここに来る前まではずっといいとこのお嬢様だった。
なにもしなくても使用人がなんでもしてくれていた。
掃除、洗濯、料理。
ほぼほぼ全般そうだった。
だけどこの暮らしが普通じゃないって気づいたのは中学生になってからだ。
小学生まではこのくらしが普通なんだといつも思っていた。
だが違っていた。
中学生になって最初の登校で気付いた。
あたしだけ車で送り迎えをしてもらっていたからだ。
最初はなにかの手違いかと思った。
だけど毎日のように車で登校してくるあたしをみてだんだん学校で有名になっていった。
別にそれを理由にいじめられたことはない。
みんなよくしてくれていた。
それも今思うとお嬢様だったからかもしれない。
まわりが嫌うのではなく、自分で自分を嫌うようになっていった。
だから少しでも普通になれるように車での登校をやめたいと両親に言ったことがあったが聞き入れてもらえなかった。
なにか一つでもいい。
なにか一つでも自分だけでできるものがあったらそれは自分にとって普通でみんなにとっても普通だと思った。
だけど両親はなにもさせてくれなかった。
一度だけ自分の部屋の掃除をしたことがある。
しかし、それだけで怒られ使用人たちも怒られた。
あたしがなにかをすると使用人が怒られる。
そう思うだけで気持ちがすくんだ。
あたしはなにもしなければ使用人たちは怒られない。
あたしが普通になってしまったら使用人が怒られる。
理解ができない。
あたしは自分がわからなくなった。
あたしは勉強以外なにもできない。
もし勉強さえもしてはいけなくなったら…?
考えれば考えるほど怖くなっていった。
あたしはもう我慢の限界が近かった。
どうしても普通の世界にいきたい。
そんなときにしったのがチャコだ。
チャコには大人がいなく、なにも縛られることはない。
あたしを縛る両親は追ってはこれない。
これしかないと思った。
あたしは脱走するため考えた。
この鳥かごからでる方法を。
だけど学校は送り迎えがあって逃げる隙がない。
だけど学校以外では外にでる機会がない。
そこで思いついた。
学校の授業を抜け出せばいいんだと。
そして授業を抜け出しトイレにいく振りをする。
だけど使用人がなぜかいて止められてしまう。
その使用人は教えてくれた。
「昼食のときなら誰もいないわ。そしてチャコに行くには船に乗りなさい。子供が大勢乗っている船を…ね」
あたしはその通りにした。
するとあっさり抜けることができた。
それで使用人にいわれた通り、子供がたくさん乗っている船に乗った。
時間はどれくらいかかったかわからないけどそれでチャコにつけたのだった。
それからというもの、身の回りのことは自分でなんとかしないといけないという幸福がたまらなかった。
軍学校に入ったあたしは今にいたる。
今ではこのチャコが好き。
チャコの人々が好き。
最高の場所だ。
もちろん初めてのことばかりで大変だったこともあったけど今ではなんともない。
しかしひとつだけできないことがある。
一人だとなにをしていいのかなにで遊べばいいのかわからない。
だから体を動かす軍があたしの一番の好きなこと。
いろいろ思い出したらお腹が減ってしまった。
おいしい棒を取り出す。
「うん、幸せ♪」
あたしの休日はとくにすることがなくボーッとするしかないのだった。
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