チャコで凶悪事件発生。

サイレンの音が聞こえる。

なにか事件でもあったのだろうか?

やっぱり警察を作って正解だったな。


「大変よ! 初めて殺人事件がおきたわ。死亡者はすでに3人。1人は一般人で2人は警察官よ。手におえないそうだから協力要請がったの! いきましょ!」


レベッカが珍しく真面目だ。

殺人なだけに真剣なんだろう。

ついにこういう事件がおきたか…。

でも警察官までやられてしまうということは軍人か?

とりあえず警察から情報を聞こう。


「あたしはレベッカです。詳しい情報を教えてください」


「はい。被害者は3名。全員刃物で腹を裂かれて死んでいる状態で見つかりました。容疑者の目撃情報あり。容疑者は日本刀を所持していて男性。今も逃走中です!」


「ありがとう」


日本刀か。

これは完全に殺し目的だな。

扱いがとても素人だとは思えない。

…プロか。


「レベッカ。この事件は俺らで担当しよう。あきらかにプロだ。警察では犠牲がでる一方だと思う」


「わかったわ」


そして俺達は捜査を開始する。

それにしてもすごい切れ味だ。

見事お腹を切り裂いてパックリ見えてる。

それだけじゃない。

よくみるとアザのような跡もある。

長細いアザなので峰打ちをしてから殺したということか?

許せない行為だ。


「とりあえずこれ以上わかることはないわ。帰りましょう」


その日の捜査は終わりにした。

しかし次の日にまた犠牲者が。

2人の一般人でまたお腹を裂かれて死んでいたみたいだ。

これは早いとこ捕まえないと次々と犠牲者がでてしまうな。 


「犯人像はあるのにみつからないなんて…。こんなやつ、許せないわ!」


「だがこれといって進展になるようなものもないしな…」


今日もこれ以上何もなく帰ることにした。

するとレベッカから電話が…。


「助けて…! 今二回目の殺人現場で襲われて…!! おそらくこの事件の犯人よ…早くきて…!」


…切れてしまった。

大変だ!

急いで駆け付けなければ…!


「遅い! …クッ」


「大丈夫か?!」


「気を付けて! やつはまだ近くにいるわ…。不覚だった…。まさかあたしを狙ってくるなんてね」


「それよりここから逃げないと!」


「だめよ! しとめるか捕まえるかしないとまた犠牲者がでるわ!」


「でも…!」


「あたしに考えがあるの」


その考えを聞いて驚いた。

レベッカが囮になって相手が出てきたところを俺がなんとかするという作戦だ。

…一種の賭けだぞ。

そしてレベッカが隠れもせず身を出す。


「出てきなさい! 顔くらい見せたらどうなの? びびり!」


「うるさい女だ。すぐ殺そうか?」


一人の男が出てきた。

日本刀を持っている。


「あんたが凶悪事件の犯人ね? なぜこんなことをするの?」


「楽しいからさ…。つまらなかったらこんなことやんねーよ」


「…ゲスが」


「言うね? ハッハッハ」


そして俺は拳銃をだし男に構える。


「動くな。刀を捨てろ」


「あら? 男は女餌にして逃げたと思ってたよ?」


「そんなことするものか。刀を捨てろ!」


「残念だね…。敵が一人とは限らないよー?」


俺の後ろから殺気を感じる。

誰か…いる!

でもだめだ。

気付くのが遅かった。


―パァン!


「なん…だと…?」


俺の後ろにいたやつが倒れた。


「残念だったわね? 私も銃持ってるのよ」


「くそがああああ!」


男はレベッカにむかって切りかかるが拳銃によって射殺。

それにしてもこいつらなにものだ?

2人いるとは思わなかったが。


「これで満足か? レベッカ?」


「ええ!」


そして事件は解決したかに思えた。

だがまた死亡者が出た。


「なんでよ…? あのときあたしが確かに…」


「もしかしたらこの事件。まだまだ切り裂き魔がいるのかもしれない。同一人物がやったと見せかけるため同じ格好、同じ刀で犯行しているのかも」


一体何人いるのか見当がつかないがまだ俺達が捜査する必要がありそうだ。


「隊長? 相手はあと何人いると思います?」


「そうだな。普通に考えると2人以上いるって考えた方がいいだろう」


「そうですよねー」パリッ


せんべいを食べ始めたレベッカ。

ほんとにすきだよな。

一日何食なんだろう?


「よし、いっちょためしてみっか!」


「なにをですかー?」


それから俺は外にでてメガホンを使い喋る。


「連続殺人とかやめてくださいよー。怖い怖い。それに今更刀とか流行りませんって」


「アホだわ…」


そして俺は一人で出歩くことにした。


そうすればやつらが現れてくれるかもしれない。

そして目線を感じる。

きたか…?


「おいおい、あれは俺らをおちょくってるのか?」


「そうだよ。そんなことも確認しないとわからないのか」


「チッ…。俺はあんたみたいなのが嫌いでね?」


「そうか」


「死んでもらうぞ…。ここでな…!」


振りかざしてきた刀を宙返りで避け、相手の背中を蹴る。


「舐めたことしやがる…」


「そりゃどうも」


「しねえええ!」


刀で突きをしてきたので横にステップし避け、拳銃を抜き取り撃つ。


「がはっ…」


そのまま相手は倒れた。


「あれ? 一人? 予想ではあと2人以上いると思ったんだけどな」


「いますよ?」


後ろか…!


避けるのが間に合わく頬に切り傷ができる。


「いつきた?」


こいつ…一番つよいな。

他の奴らと太刀筋が違う。


「最初からいました。困りますねー…そんなに影薄いですか? 僕?」


まずいな。


「ではいきますよ…!」


「あたしも影薄いのかしらね…困ったわ」


この声を聞き相手の動きが止まった。


「いつからです…?」


よ?」


こいつずっと見てたな…。


「これは一本取られました…!」


そういうとレベッカに切りかかる。


「甘い…!」


レベッカは拳銃を取り出し銃口で刀の先を受け止めた。


「なっ…!」


すかさず俺がやつに撃つ。


「そんな芸当ができる…とは…!」


相手の最後の言葉だった。


「これで解決だな」


「なんかあっけなかったなー」


「こんなもんでしょ?」


「まあ、赤寺隊長のおかげね…。これからもがんばってね? た・い・ちょ・う・さん」


チャコに平和が訪れた。

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