対チャコ部隊。

「なあ辰真。チャコってよ? 平和すぎて暇じゃないか? いや遊べるとこは確かにあるけどよ。刺激が足りない」


「なんだ急に? まあ、暇なのは同意だな。でもこれがいいことなんじゃないのか?」


実に暇だ。


「そこで思ったんだけどよ? 部活を作らないか? ほら、俺らって何もないとチーム内でも会ったりすることってないだろ? だから部活!」


「いいけど何部にするんだ? なにか宛があるのか? レム?」


「射撃部とか遊び部とかってどうだ?」


「わかった。何部かはみんなが賛成してからにしよう。そうと決まれば聞きまわるぞ」


俺とレムはメンバーに部活を作らないかと聞きまわる。

まずはリリーだ。


「部活ー?」


「そう、部活。まだ何部かは決めてないんだけどそれはみんなが賛成してくれてからでいいかなって」


「なるほどねー。私はいいわよ?」


「おっ!そうかじゃまたあとで」


次はレベッカ。


「ようレベッカ!」


「あらレム。お菓子くれるのー?」


「違う違う! 実は今部活を作らないかって話しがでてるんだけどどうだ?」


「いいわね! あたしは賛成よ」


「うっし!じゃまたあとでな」


そして赤城。


「赤城ー!」


「辰真ー…! どうしたの…?」


「実は今部活を作るって話ししてんだけどよ? 部活やってみないか?」


「辰真がやるなら私も…」


「わかったー!」


スクーとエルが見当たらないためとりあえずは賛成ということにしておく。

そして何部にするかだが…。


「やっぱり射撃部だろー? 交流もできて腕があがる! まさに一石二鳥だぜ!」


「俺は遊び部がいいなー…。でもレムの言うとおり、射撃部いいかも」


「だろー?」


「とりあえず保留だな」


そこにスクーとエルがきた。

なにやら慌てている。


「よ、よく聞いてください…。お、大人たちが…」


「子供軍なるものを作ったでござるー!!」


なんだそれ?


話しを聞くと大人達が子供軍というのを作るらしい。

その部隊はもちろんチャコへの抵抗。

また米国が動いているのだろう。

ほんと、大人の考えはわからない。


それですぐになにかおこりそうなのかな?


「要注意と大津殿が…」


「なるほど…」


それじゃ先手を打っておきましょうか。


「あらかじめ情報収集はしておこうか」


それとスクーとエルには引き続き情報の回収を頼んだ。

これが最後だといいな。


「大変…。港に変な子がいる…」


赤城が言う変な子とは…?


とにかくみてみないとわからない。


「アハハ! ここがチャコなのねー? 環境はいいけど変なところだわー! あははははは!」


なんだあいつ。

頭そうかしてるのか?

とにかく周りが怖がっているので連行する。


「それで? チャコにきて早々叫ぶとかどうしたの?」


「本当のこと言ってただけー? あんたばかー? ふっはっはっはっは」


だめだ…。

話しになりそうにない。

こういうやつもいるんだな。


「クヒヒ。ショータイムだよ…? 大津…赤寺…」


なにか胸騒ぎがする。

さっきの女は危険だと勘がそう言っている。

なんだ…なんか引っ掛かる。


「ねーえー? いいこと教えてあげるわー…。近いうちこの島の人間の多くは死ぬと思うわよー? あっはっはっはっは」


完璧ないかれやろうだ。

縁起でもないことをいうもんじゃない。

ただでさえずっと警戒しないといけないような国がわんさかあるんだから。


「やっほーっ! ホカですっ!」


「メクですっ!」


こんなときになんだ…。


「うおっ! この変な女だれっ!」


「だれっ? ですわっ!」


「やっほー! 変な女でーす! あっははははは」


「そんなことよりみてっ! ケルベロス1号の音声機能と会話機能を強化してみたのっ!」


「してみたのっ! ですわっ!」


「ワタシハ ケルベロス イチゴウ デス。トクギハホカトアソブコト。シュミハ ホカ ト アソブコトデス」


完璧にケルベロス言わされてるじゃん…。

かわいそう…。


「キケンキケン! ソコノオンナハキケン デス」


なんだこれ? 


「ケルベロスにも意思をもたせてみたよっ!」


どこまで進化するんだろう? 

そこまでいくと気になる。


「キケンキケンタイヘンタイヘンニゲテニゲテ! クル! クル!」


「ケルベロスさすがにちょっとおかしくない?」


「あれ? 詰め込みすぎてショート寸前なのかなーっ?」


なんかよくわからないなー…。


「なぁ、辰真!」


「レムか? どうした?」


「俺にアサルトライフルの使い方を教えてくれ」


「なんで今更?」


「暇だから…?」


「まあ、いいか…」


そしてM4をレムに渡す。


「右手首をグイッと曲げて持ち、左手はラクな位置を保持。

ストックのバットプレート(肩に当てる部分)の下端を支点にして、回転させるようにマズル(銃口)を持ち上げると、そのまま射撃体勢に入れます。

右手の人差指は撃つ瞬間までトリガーに触れないように。ポイントは6つ。頭は可能な限り垂直に。右手は脇を締める。ストックへの頬付けはしっかりと。バットプレートは肩の前面に押し当てる。左ヒジも開き過ぎないように。左手はしっかりと握る。ざっとこんなもんだ」


「思ってたよりも簡単なんだな?」


「基礎を教えただけだからな」


最初は誰もが構えただけで簡単っていうんだよな。

撃ってみてからが難しいのに。


「大変だ!」


大津だ。

次から次へとなんだ…?


「港の船が爆発! 子供軍が入った来てる!」


なんだと?

こんなにはやく来るわけが…。

ありえない。


「戦闘準備!」


サイレンが鳴る。


「これでここもおしまいよー! あーはっはっはっは!!」


この女はなんなんだよ。


「隊長殿! 敵艦隊接近でござる!!」


「こっちもだせるものからだせ! いそげ!」


「ねえ? さっきスクーいたわよね? あいつ今どこにいるのかな」


「さっきまでいたぞ?」


「そういえば港の爆発があってそれを確認しに行ったっきりだな」


スクー?

優先順位がわからない。

国か?スクーか?


「赤寺君。チャコは任せてスクーを探しにいきな」


「ありがとうございます!」


チャコは大津に任せることにした。

まずは情報だ。

近くの人に聞いてみよう。


「周辺のみなさん! この近くで怪しい人を見かけた人はいませんか?」


すると男の子が返答してくれた。


「僕、海に連れ込まれてる人をみかけました…!」


それだ!

急いで取り戻しに行こう!

でも場所がわからない。

どうすれば…。


「海に連れ込んだってことは敵の軍艦にスクーは連れていかれたんじゃない?」


リリーの言うとおりかもしれない。


「乗り込むぞ!」


それでなんとか乗り込めた。

だが誰もいないのは怪しい。

スクーの姿もない…。

どこに消えたんだ…どこに…っ!


知らないところから通信が入る。


「ハーイ! 無事に船についたみたいねー。あっはっはっは」


やっぱりくるってやがる…。


「それでさーあんたらまだ気づかないわけー?」


なんのことを言ってるんだ…?


「なんで私が通信できてるのかしらねー? なんであんたの仲間はなにも話さないんだろうねー?」


まさか…。


「お前…大津はどうした…!」


「大津ー? あー。 そこに転がってるけど? ふっはっはっはっは」


「俺達の仲間のスクーはどこだ?!」


の仲間? スクーはもとからこちら側の人間だよ! ばーーかっ!」


そんな…。

スクーが…。

スクーがスパイ…?


もういったい何を、誰を信じればいいんだ…?


「それでついでに言うけどこの島は乗っ取らせていただきましたぁー!」


「あなた達は孤立しています! さぁ、どうしましょうねー? ふはは!」


とりあえず島を取り返さないと…。

俺達だけで取り戻せるのか…?

だけどここでやらないと行く場所はない。

居場所もなくなる…。

こんなとき俺はどうしたらいいッ!?


「辰真! やりましょう…! やるしかないわ…!」


「そうでござる! 拙者たちなら取り戻すことができるでござる!!」


「そうだぜ! やるしかねえ! 辰真!」


「あたし…怖いけど、こんなところで引き下がるわけにはいかないわ!」


「辰真…私たちならできるよ…!」


みんな、ありがとう。

そうだよな。

なに弱気になってんだ俺。

リーダーなんだ。

しっかりしなければ…。


「みんな、いこうっ!」


こうして最終決戦がはじまった。


「島についたがさっきまでいた人が一人もいねえぜ…」


「あいつらも感じてるんだと思う。最後っていうことを」


「リリー達は勝つ…! 絶対勝つよ!!」


そして司令塔へとついた。


「待ちくたびれたわー…? ねえ? スクー?」


「そうですねえ…ケヒヒ」


クッ…。

スクーのやろう…。


「それでね? もう何回めかわからないんだけど。投降する気は?」


「ない」


「あらそう。覚悟決めてきたのね。ならあとはやることは一つ」


「ああ」


「させるかよ…!」


血を流し倒れていた大津が女に向けて銃を撃ち、女は動かなくなった。


「はっ…! ウぇ…?」


スクーは慌てている。


「さあスクー? どうする?」


「あああああああ…。ああああああああああああ!」


発狂してどこかに行ってしまった。


「大津!」


「俺は大丈夫だ」


「それよりもう、チャコはおしまいかもな」


「え?」


「このありさまだ。復興してもすぐ襲撃。もうキリがねえや…」


「…いや、場所がなくてもチャコとしてやっていく!」


「そんなこと…できるわけ…っ!」


「やるんだよ・・・! 俺だけでもやる…! その覚悟はできてる…! また1からやり直しだ」


「そうよ…。0からのやり直しじゃない! 1があるのよ…!」


「お前ら…」


こうしてチャコは壊滅。

この戦争はチャコの自滅ということで片付けられた。

すべてはあの米国の隠ぺい工作。

俺達の戦いは始まったばかりなのかもしれない。


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