第二次国際軍の襲撃!? 大津の決断。

お祭りから数日がたった。

今日もチャコは平和ですね。

平和すぎてもやることがないので困りものだが。

それにしても久しぶりのお祭り、楽しかったなー。

気分がまだ抜けきってないような気がする。

そういえばこの国の娯楽施設ってどのくらいまであるんだろう?

ゲームセンターやカラオケはあるだろ?

ボウリングやビリヤード、ダーツもあるみたいだしな。

そういえばこの国にはスポーツ選手はいないのかな?

スポーツは年齢関係ないから優秀な人がいればオリンピック出場も夢じゃないかもな。

それにしても女子たちの浴衣…よかったなー。

やっぱ華があるっていいよね。

なんで日本にいた頃にこういうイベントに参加しなかったんだろ。

そこだけ悔やまれる。


「隊長…!大変です…」


珍しいな。

スクーが来るなんて。


「なんだ! 事件か!」


「事件どころじゃない…です! 国際軍が…また活発になっています!」


なんだって? 

大事件じゃないか!

こうしてはいられない。

さっそく情報収集開始だ。

国際軍は最初のころも情報がなかったからな…。

でもなんでまた動きをみせてるんだ?

よくわからない動きすぎてまったく読めない。

総指揮官の露はなにを考えてるんだ。

とりあえずこういうときは米国頼りだな。


「もしもし…」


「おー、赤寺さん、ちょうどよかった話したいことがありましてね」


「そうなんですよ」


「国際軍ですよね? 実は今回はなにも情報をつかめていません。それとまだ噂程度なんですが露が国際軍を抜けたというのもあります」


「それではますますわかりませんね。露が抜けたなら解隊されますよね?」


「基本はそうですね。しかし総指揮官がどこかの国に変わっていたとしたら解隊はされません」


「つまりどこかの国が総指揮官になっていると…?」


「あくまで噂です。まだ調べる必要があります」


「わかりました、こちらでも引き続き調べることにします」


だめもとで露に問いただしてみるか。


「もしもし、チャコの赤寺ですが」


「赤寺か?! いいか、よく聞け。国際軍はもとから露の指揮下じゃなかったんだ。ハメられた…」


「いったいどういうことですか?」


「いいか! 国際軍と…」


突然、回線が悪くなる。


「なんですか? もう一度お願いします! 国際軍となんですか?!」


しかしもう電話は切れていた。

またかけてもつながらない。


なんだ?

どの情報を信じればいいんだ?


「お手上げみたいだねー?」


この声は…、


「大津!?」


「いやー久しぶりだねー?」


「そんなこと別にいいです! それより今までどこに? 今大変なんですよ!」


「知ってる。国際軍だろ? まあ俺のことはあとだ。とりあえず今は目の前のことを片付けるぞ」


まるで安心感が違う。

やっぱり大津がいないとだめなんだ。

本気でそう感じた。


「それでだが。率直に言うと俺は米国が怪しいと思っている」


「米国が? 俺にはまったくそうは思えないんだが…」


「一つの理由として最近の米国はやけに大人しかった。まるで世界を傍観しているように。そこで俺は考えた。米国が今までの騒動すべてを仕組んでいたんじゃないかって。そうしたらほとんどつじつまが合う。まず最初の海賀の裏切りだ。あいつはテストの時、俺を殺そうとした。だが失敗した。それで米国が確認のためにチャコに視察に来た。それで焦った海賀はシェルター前で裏切った。つまり、海賀は米国のスパイ…」


「そんな…」


「そしてケーシーの出現。海賀は結局俺の暗殺に失敗したからな。それでケーシーに役が周ったんだ。現にケーシーは今行方をくらませている。最後は確か米国に行かせたっきりだ。たぶん今頃は捕まっているか今頃この世にはいないだろう。そしてスパイによる議事堂襲撃。ここまでいくともう米国しかありえない。国際軍は表では露の言いなりだが裏では米国が指揮を取っていただろう。そして今も」


大津の言ったことは筋が通っていた。

もしこれが本当なら米国は恐ろしい国だ。


「で、だ。俺達チャコは国際軍を壊滅させちゃおう。ちょっくせつ米国を叩いても勝ち目はないし世界中からバッシングをくらう。いいだろ?」


「それしかなさそうだな」


戦闘準備のサイレンが鳴る。


「国際軍はどの道チャコを狙ってくるだろうから待ち構えておけばいいよ」


「国民の非難、終わりました!」


あとは戦うのみ!


「なあ赤寺、俺、お前を選んでよかったよ」


「そうですか」


「見込んだ通りの男だった。やっぱり俺の目に狂いはなかった」


そして敵、航空機が見えた。


「対空はじめ! 最初から総力戦だ! 攻撃機等も出せるだけだせ!」


敵の攻撃機がみるみる落ちていく。


「いい感じだな! このまま壊滅に追い込むぞ!」


しかしうまくはいかない。

島にはすでに敵兵がきていた。


「どうも潜水艦は苦手だねー…?」


だがここまでは被害は少ない。


「島にいる敵はロボに掃討させる!」


すごい。

俺が指揮するよりも全然いい。


「こりゃ長期戦になるな…」


すると敵側にみなれない戦艦がきた。

なんてでかさだ…。

特にあの主砲…見たことがない。


「さすがにまずいな…」


あきらめかけたそのとき、敵の超大型戦艦は煙をだし炎上していた。

さっきまでいなかった艦隊が出現する。

あれは…露だ…!


「助けるつもりはないぞ! 頭にきたから攻撃するだけだ!」


露の大統領もなかなかの根性だ。

今ではすごい頼もしくみえる。


「ちょっとっ! こんなときで悪いけどっ! 新型潜水艦ができたっ!」


このタイミングでか?!


「戦艦以上の硬度があって潜水艦自身が魚雷さっ! 体当たりで相手を倒す戦艦クラッシャーさっ!」


それだっ!

そいつであのどでかいやつに突っ込めば沈められるかもしれない!


「よし、俺が乗って行こう。今まで騙してた分を返してくるかね」


大津が行ってしまった。


「あ、もしものときは赤寺くんよろしくー」


なんだそれは…。

もしものときというか最近は俺がなんとかしてたんですが…。


「ただなあ。あの潜水艦おっそいからっ! それまで時間稼がないとねっ!」


仕方ないな。 

露にお願いしますか!


「露大統領! 今あの超大型戦艦をやりにいってる最中なので時間稼ぎをお願いできますか?」


「わかった! 任せとけ」


ん?

あの見たことのない主砲、だんだん赤くなってないか?


「たぶんだけどチャージしてるんじゃないかなっ?」


それって撃つ準備中ってことじゃん…?


「大津さん?! 早くしてくれないとあの主砲が放たれてしまうぞ!」


「わかってるけどよ、この潜水艦まじで遅い。あと五分くらいかな」


間に合ってくれればいいけど。

しかし俺だけ留守番とはとても落ち着かない。

そろそろ露も厳しそうだな…。


「よし! 突っ込むぞ!」


大津だ!


「早く! お願いします!」


バゴゴゴゴゴオオオオ!


すごい音だ。

そして音と共に超大型戦艦は沈み始めた。

やったぞ!!


「大津! やったな!」


「そうだな」


そしてチャコへと無事帰還してきた。

そして露の大統領も顔を合わせる。


「米国のことだ。これでおわりではないだろう。警戒は解かないほうがいいだろう」


「今回は露大統領には頭が上がりませんね」


「それじゃあ、言及しに行こうか」


そして米国へと渡り、米大統領と面会する。


「これはこれは、大変でしたね」


「それはそうですよ。あなたたちのおかげでね」


「なにを言っているのでしょうか? あれは国際軍の暴走でしょう?」


「そうなのですか?」


「そうだと思いますよ?」


今回の件は全く関わりがないことをアピールして国際軍のせいにしたのか。

賢いやりかただがわかりやすい。


「そろそろいいですかな? ちょっと野暮用があるのでね」


それで俺はチャコに戻り大津と話すことにする。


「米国め、やっぱりそうきたか」


米国で話したことを大津に伝えた。


「でもこれでまたしばらくはなにも起きないさ。米国の秘密兵器もないことだし」


「それより、大津さん。今まであなたはどこにいたんですか?」


「ああ。ロンドンだよ。英国」


「それはなぜ?」


「いろいろと調べたいことがあったからひっそりするのにはよかったんだ」


「そうですか」


無茶する人だな…。


「それでですがこれで俺はチャコの代表を下ろさせてもらいますよ?」


「なに言ってるんだい? これからはずっときみだよ? 赤寺君」


「は?! なにを言っているのかサッパリなんですが…」


「俺はもう25歳だからね。もう限界なんだよ。その点、赤寺君まだ15歳だし。ピチピチだねー若いねー」


なんだそれ。

こんな簡単に決めちゃっていいんですか?


「いいんじゃない?」


こうして最大のピンチを見事回避したチャコだがまだまだ油断はできない。

これからもこうしたピンチはいくつかあるだろう。


ガガガガガガガ!


ドンドンドン!


そしてまためちゃくちゃになってしまったチャコの修復作業に追われていた。

前よりひどいありさまなので時間はかかるだろう。

作業ロボロットがある分マシだと思うが。

俺達はまたなにもない日々をおくることになりそう。

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