第2話 始まり
目をさますと、そこは何もなくただ永遠に真っ白い空間が続いていた。
ここはどこだ? 俺は確かあの時トラックに吹き飛ばされて···
くっそ、誰かいないのか。
俺は走った。走ってもどうにもならないと分かっていながら。走って走って走って走って走って走って走って走って―――
バタッ
倒れた俺は情けなく涙をたらしていた。
「くそっくそっくそっ」
俺は何に対してか分からない涙を永遠にたらし続けていた。
「おやまぁ情けないですわねぇ」
背後から女性と思わしき声がした。
「だ···だれだッ」
俺は振り向きその声主のことを見た。
「あらあらそんなに睨まないで下さい」
俺は情けないことにその女性に見とれてしまった。
その姿はこの世のものとは思えないほど美しい顔で、何よりおっぱいが大きかった。
その時の俺の顔と言ったら···多分この世のものとは思えないほどイヤらしかったと思う。
「こ···これは目のやりどころに困りますな~」
「なにかおっしゃいましたか?」
「い、いえなにも~」
(まずい、声にでてた···)
だが、この大きさ100あるんじゃないか?
「自己紹介が遅れてましたわ。私、天からの使者カルラと申します」
カルラさんって言うんだ。
「天からの使者が俺に何のようですか?」
とりあえず疑問に思っていたことを聞いてみた。
「はい。あなた様は勘違いされているようですがここは死後の世界ではなく、死後の世界を決める世界ですのよ」
「し、死後の世界を決める世界だと···」
よかったー 俺ここで何年も何年も過ごしていくのかと思ってたけど、とりあえず安心だな。
「死後の世界は4つあります。
1つは天国、2つ目は···」
「ちょっと待って下さい。天国ってどんなところ何ですか?」
「天国ですか···。私はあまりおすすめ出来ませんねぇ」
「え? どうしてですか?」
天国ってめっちゃいいとこだと思ってたのに···
「天国ではなにも出来ないし、動くことも話すことすらも出来ないですの」
まじか···そんな辛い所だったんだ···
「せいぜい出来るのは下界を永遠に見続けることだけですわよ」
「そうですか···じゃあ、あと3つはどうなんですか?」
「2つ目は地獄。まあ、あなた様はとくに悪いことはしてないようなので行くことはないとおもいますが」
よかったー。やっぱり日頃の行いって大事だな。
「3つ目は今の魂を洗い流してまた新しい人として生まれ変わることですわ」
それはそれでありかもな···
「で、あとひとつは?」
「それはちょっと特殊な世界ですが···」
「と、特殊な世界だと···」
「はい、その世界は古きから魔王に支配されていました。まあ、それでしたらなんとでもよかったのですが···最近魔王が天界でも手がおえないほど強力なものに変わっていったのです。そこで、神はある政策を思いつきました。それは死んだものをその世界に送らせ魔王を倒してもらう、というものでした。そして、魔王を見事倒したものには褒美としてなにか好きな願いをひとつ叶えさせる、というものでした。」
なかなかいい世界だ。
「けど、そこで死んでしまったらどうなるんですか?」
「[無]という世界に送られます。その世界の詳細はご想像におまかせしますわ」
それって十分アウトなやつじゃね···それなら生まれ変わった方がましだな。
「じゃあ3つめの···」
「上杉さん私はあなたに可能性を感じているのです。これは、神からではなく私からもお願いします。」
カルラさんはそう言い頭を下げた。
「顔を上げて下さい。カルラさん。」
そうしないと胸がおっぱいが見たくもないのに目にはいってしまうー。
「俺、決めました。カルラさんのおっぱいのため、いや魔王に支配されている人たち全員んため、英雄になってやりますよ!!」
言っちゃったー 魔王討伐とか無理に決まってんじゃん。カルラさんのおっぱいにつられてしまったー。
「やっぱ今のは···」
「そうと決まればみんな待っていますよ。はやくいきましょう!!」
だめだ言えねー
「その結界のなかに入ってください。後は私がやりますので」
イヤイヤ俺は結界のなかに入っていった。
「それでは上杉さん行ってらっしゃーい」
突然俺の体が浮き始めた。
「え? なにこれ浮いてる!? スッゲー!!」
「検討を祈りますわー」
その言葉が言い終わると同時に物凄い速度で超空間?的な所を俺は飛んでいった。
「カルラさんのおっぱい、大きかったな」
異世界行って魔王倒します(涙) 田中田 @bakansu
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