第4話
「恭介、朝だよ!」
翌朝、僕は姉ちゃんの声で目を覚ました。
「いつまで寝てんの!早くしなさい!」
そう言いながら、僕の部屋のドアを叩く。
「着替えるから、待って」
「何やってんの、もう!」
そんな風に怒るなら、初めに予定言っといてくれと思ったが、僕は口に出さなかった。僕は着替えを済ませ、部屋のドアを開けた。
「お待たせ」
「本当に待ったよ。ていうか、そんな格好なのに、なんで時間かかったの?」
姉ちゃんにそう言われ、僕は自分の服装を見直した。Tシャツにジーンズという、ラフな格好をしていた。確かに、着替えるのには時間はかからなかった。
「ちょっと、色々あったんだよ」
実際、僕でも時間がかかった理由がわからない。おそらく、昨日の夢のせいだ。
「準備出来たなんなら、早く行こ」
そう言うと、姉ちゃんは歩きだした。
ホテルのフロントを出て、地下道へと降りる。昨日は気付かなかったが、所々に色んなポスターが貼ってあるんだな。3Dポスターになっていて、見る角度によって絵柄が違って見える。しかし、ほとんどが未来遊園地のポスターだ。ここはそれ以外に観光スポットはないのか?そのポスターを眺めつつ、歩いていると、姉ちゃんは階段を上った。そして、上りきると、姉ちゃんは言った。
「着いたよ」
そう言われ、僕は辺りを見回した。
目の前には入場ゲート、遠くには観覧車らしき物が見える、そう、ここは未来遊園地だった。それを確認すると、僕は姉ちゃんを見た。その顔は、僕がここに来たがっている事を知っている顔だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます