Re:dialogue -Accident-









『dialogue November - 26 - 2006 at the Crossing.』






「それでですね、その友達がまたバカな事を言い出しまして──」

「しっ、静かに! 無線だ」


──『武蔵野PS管内、乗用車二台による交通事故発生。東京多摩本部から武蔵野27』

『武蔵野27です、どうぞ』

──『現在地より武蔵野市境一丁目二十四番地、調布保谷線信号へ緊急走行にて急行せよ。なお現場付近に多数の車両ありとの情報あり、受傷事故に十分注意すべし。以上、東京多摩本部』

『武蔵野27、了解』


「……事故だ。回転灯、サイレンON。緊急走行開始するぞ」

「了解。……って先輩、境一丁目って言ったらもう目の前じゃないですか」

「……そういえば、そうだな」

「緊急走行するまでもありませんでしたね」

「何言ってる、サイレンなかったら事故だと分からんだろうが。──あちゃあ、交叉点のど真ん中の事故か。仕方ない、車両を避けつつ現場前まで入るぞ」

「分かりました」


〔警察車両が通りまーす! 一般車、左に避けてくださーい!〕


『武蔵野27から多摩本部、現場到着』

──『東京多摩本部、了解』


「行きましょう!」

「おう、急ごう。お前は向こうでひっくり返ってる方の車を調べろ」

「了解!」

「どれどれ。っておい、マジか……。中も外もぐちゃぐちゃだな」


──「先輩、こちらの車両、乗車は二名の模様! うち一名は即死しているものと思われます!」

「ああ、駄目だ。こっちも二名、恐らく両方とももうお陀仏だ」

──「そっちもですか!? なんて事だろう……!」


『至急、至急、武蔵野27から多摩本部』

──『至急、至急、武蔵野27どうぞ』

『ただいま現場確認中。被害車両二台双方共に大破、うち一台は横転、重軽傷者多数の模様。また、交叉点中央部での事故のため周辺に一般車多数、交通整理の必要あり、どうぞ』

──『東京多摩本部了解、東京多摩本部から三鷹署、田無署、小金井署、本件に際して武蔵野署への増援を要請する』


「……こりゃあ、そこそこ年のいった夫婦だな。子供ガキがいりゃあ七、八歳くらいか。ったく、どうしてこんなことに……」


──「先輩、境駅前交番からの応援来ました! これより状況確認を行います」

「了解。俺の方でも応援を確認した。捜査、始めんぞ」



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