【完全新作 後編】

やっぱり私は瑞希が好き。

中世時代にトリップしたような部屋で、瑞希は私をきつく抱きしめる。


「本当に会いたかった」


その瑞希の言葉にウソはないんだと体感した。


「今日はもう離さない」


その言葉通り、瑞希は何度も私にキスを落としてくる。


『溺れる』その言葉がピッタリな程、瑞希のキスに溺れ喘いだ。





「いつでも日本に帰ってきていいんだぞ」


「なんで?」


「もう、すみれの苦悩を取り除いたから」


「え?」


「オマエのオヤジとちゃんと話をしたし」


何を話したんだろう。

あの父の事だ、とんでも無い事を瑞希に要求したんじゃないか?



「大丈夫。オマエが心配する事は何もないよ」


瑞希の温かい大きな手が私の頭を撫でる。

その行為と温度に、安心感が増す。



「瑞希、大好きだよ」


「ああ、オレも」



絡まる指先、触れる素足。

瑞希の体温を直に感じ、私は幸せを実感した。




願わくば、この体温をずーっと感じられますように……。





end

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キス、嫌い。 天乃凛 @rin-amano

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