ビッグデータ探偵

第17話 機械学習のジャンル

「うん、そしてポイントは、今回のは機械学習エンジニアなら誰でもできるわけじゃない、と言うところだよね」

僕はそう言った。

「え、そうなんですか？？」

高崎くんが僕ら二人を見て聞き返した。

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「機械学習も得意分野があるからだな」

佐々木は僕に言った。

「その通り。機械学習といっても一つのジャンルじゃない。大まかに分けるだけでも自然言語、画像解析、データ解析とある」

僕は呟く。

「自然言語はここでは日本語。お客さんや会社が書いた文章を解析する。画像解析は写真。お客さんや会社が投稿した写真を解析。データ解析は、トラフィック」

佐々木は僕の説明を高崎くんや、学生にわかるように言い直した。

「トラフィックはアクセスだね、このページをどのぐらいの人が見たかとか、そう言う情報をもとに解析するんだ」

今度は僕が佐々木の説明を噛み砕いた。

「それは全然違うことなんですか？」

美少女警官の高崎くんは僕らに聞いた。

「いい質問だね。実際に使っているアルゴリズムは同じだったりするんだけど・・・」

僕がそう説明する。

「SVMとかランダムフォレストとか」

そう言いながら、周りの学生の方を見ている。そして学生たちはその言葉に頷いている。彼らの研究室ではそれをメディアアートに使っているのだろう。と僕はそこまで考えて気がついた。

「そういえば、さっききらりちゃんが見せてくれた、笑顔で天使になるやつも使っているんじゃないかな？」

僕はさっきの見せてくれたデモを思い出した。

笑顔になると天使が出てきて、しかめっ面になると天気が崩れるデモンストレーションだ。

「はい、ランダムフォレストを笑顔かどうかの判定に使っています！」

きらりちゃんは笑顔でそういった。

「彼女は優秀なんだよ」

佐々木はそういった。

「ただの地下アイドルじゃないね」

僕はいった。実装力の高いアイドルだった。簡単なフレームワークがあると言っていたけど、それだけじゃないだろう。そこそこきちんと実装しているはずだ。

「と言う感じで、結局使っている技術は同じなんだけど、自然言語処理と画像解析とデータ解析を同じ研究室でやることは少ない」

僕は説明する。自然言語だけでもやることはたくさんあるし、画像解析だけでもやることは無限にあるからだ。

「うちは広く浅く、最新の技術を使ってアートとしてみせると言うのがテーマだから、その珍しい研究室の一つだな」

佐々木が言う。

すると、周りの学生たちがうんうん頷いている。

「今回のは画像認識だから、さらに絞られるね。最近は自動運転もあるから需要のあるジャンルではあるけどそんなにたくさんの人ができるわけじゃない」

僕はそういった。

「それに・・・」

僕は呟く

「まだあるんですか？」

高崎くんがシンプルに聞く。

「これは普通の方法じゃできない」

僕は瞳の中の画像を拡大する方法を考えて言った。