第6話 奥様ですか?

「今はまだ、そこまで発達していないから、僕らの出番になるわけだ」

「そうですね!本人に直接聞きに行きましょう!」

と高崎くんは微笑んだ。


===

と、いうことで、僕らは聞き込み調査をすることになった。

そう、今はそういう泥臭いことも人間がやらないといけない。

これが『特別犯罪研究室』の役目とも言える。

テクノロジーと現実をつなぐのだ。


「ねえ、君、この子知ってる?」

と僕はカフェに来ている女の子に聞いてみた。

ここは、僕の研究室に近いから見知った顔も多い。

僕の授業に出ている子もたくさんいる。


「あ、佐鳥先生こんにちわ!」

彼女はその質問に答える前に、きちんと挨拶をした。

さすが『日本で一番かしこい大学』の生徒だ、育ちがいい。

僕は挨拶できていなかった・・・。


「はい、こんにちわ!」

と返事をする。

そして、そのまま本題に入る。

「ところで、この女の子なんだけど、知ってる?」

と、僕は聞き直した。

しっかりと、スマホに映る地下アイドルの少女を映して。


すると彼女はすぐ

「ああ、きらりちゃんですね。アイドルの」

と、さらっと答えた。

聞くまでもない質問だったっぽい。


「あ?有名なのやっぱり」

と、僕が聞く。


「そうですね、有名ですよ!先生知らないんですか?」

「知らなかった・・・」

と、僕はつぶやいた。


「彼女、佐々木研ですよ!」

「あー・・・そうなのか」

と、僕は納得した。

佐々木研は僕のよく知っている研究室だ。


「ありがとう!行ってみるよ!」

「ところで先生!その方は奥さんですか?」

と、その女の子が高崎くんのことをみて聞いた。


僕が答えるよりかなり早く

「そうですよ!」

と、満面の笑みで答える高崎くん。


「また余計なことを・・・」

と僕が言う。


「わあぁ!」

と女子学生が言う。

ああ、ほら駄目だよそういうの・・・。


「なんてね!冗談ですよ!仕事できてます!ご協力ありがとうございます!」

と、高崎くんはその女の子に言った。


「えー?そうなんですか〜?あやしー!!」

と、女子大学生らしいテンションになった。

その女の子に、ありがとね!と言って、佐々木研に向うことにする。


そして、彼女をキッと睨む。

「ちょっと高崎くん!それ、パワハラかセクハラだからね!」

と抗議する僕。


「あははは、すいません!次から気をつけます!」

と彼女が言う。


「奥様って言われてちょっと嬉しかったもので」

とさらに高崎くんはボソッと言った。


「勘弁してくれよ・・・」

と僕は言う。


そして、佐々木研にたどり着いた。

「こんにちわー」

と僕がいいながら、佐々木研に入る。

すると、すぐに、佐々木先生を見つけた。

そして彼もこちらを見た。


「お、佐鳥くん!その人は彼女?」

と、その研究室のボス、佐々木俊夫は聞いて笑った。


「またか。勘弁してくれよ・・・」

と、僕は大げさに手のひらを顔に当てて困っているポーズをした。

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