第16話

食事はいつも通りシルファーの私室なんだが――出てきたのはカップ麺だった。


 俺のは普通の醤油味っぽいやつで、ミノンのカップ麺はトマトスープベースのベジタブル味だった。


 そういう細かい配慮は欠かさないのかよ!


 つうか、今回の勇者イズナとの戦いで、どれくらいマナが得られたか確認したかったんだが……シルファーは夕食の席に姿を見せない。


「シルファー様は、いったいどうなされたのでしょう」


 カップ麺をフォークでパスタみたいにくるくるっと巻き上げながら、ミノンが寂しそうに呟いた。


「さあな。あいつ、時々突拍子も無い行動をするから、さっぱり読めん」


「まるでわたくしよりも、シルファー様のことを知っているみたいな口振りですわね」


「ミノンが帰ってくるまでは、シルファーと二人きりだったからな」


 まあ、食事の準備をしてくれる猫執事モンスターはいたけど、こいつらは喋ったりしないからノーカンだ。


「ふ、二人きりだなんて……一つ屋根の下で男女に間違いが起こらないとは限りませんわ」


「お前は何を言ってるんだ?」


 急にミノンの頬が赤らんだ。


「お前だなんて、こ、恋人から飛び級でもはや夫婦のようですわね」


「ハァッ?」


「な、なんでもありませんわ! 本来でしたら許さないところですけれど、アーク様になら『お前』と呼んでいただいても、結構でしてよ。むしろお互いの距離感が近くなければこそ、そのような呼び方になるのは自然なことですし」


 フォークを置くと頬に手を当てて、ミノンはもじもじしだした。


 まあ、どのみち俺は好きに呼ぶつもりだが……。


「つうか、お前は俺をどうしたいんだ?」


「ど、どどどどどうしたいだなんて、わたくしの口からは恥ずかしくてとても言えませんわ。アーク様ったらいじわるですのね」


 なんか話がまともにかみ合わんな。


 まあその……俺はバカだが、さすがにここまで隠してないっつうか、隠しきれてないノーガード玉砕戦術をとる相手に、気付かないほど鈍感じゃねぇ。


 年齢=彼女いない歴でも、ミノンが俺を好いてくれてるのはわかる。


 けどな、文字通り俺とミノンは住む世界が違うんだ。


 今はこの世界にとどまってるけど、お互いに、それぞれ帰る場所がある。


 だいたい俺はミノンの事が……。


 ふと、彼女の食べるカップ麺に視線がいく。


 まだこいつがどういう奴かも良くわからんけど、一つだけ言えることがあった。


 こいつと付き合うようになったら、食生活が健康的になりすぎて俺は死ぬ。


 不死者だけど精神が死にかねない。


「アーク様、また考え事ですの? すぐに顔に出ますのね」


「そうなのか?」


「ええ。眉間にしわを寄せて難しそうな顔をなさいますもの。それほどまでに、真剣にわたくしのことを……もしかしたら、わたくしとのことを考えてくださるなんて……」


「まあ、その通りなんだが……」


「え!? 本当なのですか? 勇気を持って踏み込んでみるものですわね!」


「ああ。俺たちのことをもっと真剣に考えなきゃな」


 ミノンは自分の身体を抱くようにして身もだえた。


「まだ手すらまともに繋いでいないのに、アーク様ったら積極的ですわ」


「きちんと手を組んでいかないとな」


「は、初めから腕を組んで歩くのですか? 身体が密着してしまいますわよ!」


 問答無用で抱きついておいて、手を組んで歩くのが恥ずかしいのか。


「いやあの、ちょっと待て。俺が言いたいのは勇者イズナとの戦い方についてだ。きちんと協調体制をとって臨みたいってことだよ」


「そ、そうでしたの。わたくしとしたことが、は、恥ずかしい勘違いをしてしまいましたわ」


 恥ずかしいって自覚はあるのか。


 だが、ここでミノンが守りに入りすぎて、勇気を持って積極的に攻勢に出るのを控えられてもな……。


「勘違いは誰にでもあるんだから、そんなに気にすんなって」


「アーク様は本当にお優しいのですね」


「そうだぜ。俺は誰にでも優しいんだ。魔王軍の優しさ切り売りアウトレットバーゲンセールとは、この道化魔人アーク様のことよ! はーっはっはっは!」


 これで少しは俺の薄っぺらさに呆れるだろ。


「ふふふっ♪ アーク様ったら。わたくしにはお見通しですわよ。ご自分を卑下なさるのも、たんに照れ屋さんなだけですものね」


 まるで聖母のような優しい眼差しで、ミノンは微笑んだ。


 うぐあああああああああああああああああああああああああああああああああ!


 やめろ! やめてくれ! あんまり好意的に接されると、俺の悪逆非道な心の回路が焼き切れちまう。


「うるせぇ……デブ」


 やべぇ。


 やっちまった……俺の彼女いない歴=年齢な理由はこれだ。


 人に優しくされると疑ってかかる。


 そして逃げる。


 もし逃げられないなら、相手が逃げるように仕向けちまう。


 ミノンは目を皿みたいにしてから、焦ったように口を開く。


「わ、わたくし、身体は大きいですけれど太ってはいませんわよ! それに、アーク様が嘘つきだというのも、重々存じ上げておりますもの。心にも無いことをおっしゃって、わたくしを傷つけ遠のけようとしても無駄ですわ。わたくし、アーク様の良い言葉は素直に信じて悪い言葉は信じません。それになにより、そういった言葉よりもアーク様のとった行動を信じます」


 やべぇ……俺が思ってる以上にこいつのハートは強靱だった。


「チッ……お前、俺が思ってた以上にすごいやつだな」


「すごいだなんて……普通ですわ」


「いやいやポジティブ思考すぎんだろ」


 俺の言葉にミノンは眉尻を下げた。


「この世界に来るまでは、わたくしは今のアーク様よりも後ろ向きで、引っ込みじあんな性格でしたのよ。うまくいかないことばかりで落ちこむこともあって……けれど、その都度シルファー様は、ダメなわたくしを見捨てるどころか、優しく時には力強く励ましてくださいましたわ」


「そうなのか。シルファーのやつ、良いところあるな」


「ええ。大恩人ですわ。シルファー様に励まされ、諦めず何度も挑戦するうちに、少しずつ迷宮作りのことがわかってきて、成果が出て……楽しいですわよね。がんばればがんばった分だけ、自分の評価がマナという形になって、その評価を次のがんばりにつなげていけるんですもの」


「そうだな」


 わかる気がする。


「がんばりましょうねアーク様」


「ああ。がんばろう」


 こいつはシルファーのことも好きなんだ。


 最初は魔王だから「様」づけで呼んでたのかと思ったが、ミノンには認めた相手に「様」をつけて呼ぶ……みたいな自分ルールがあるんだろう。


 誤解と勘違いで俺にまで敬称がついちまったな。


 ミノンがシルファーのことを好きだからこそ、問題がある。


 魔王軍のために。


 仲間のために。


 シルファーのために。


 そのがんばりが、いつかシルファーを殺すなんて、ミノンは思ってもいない。


 いや、ミノンの場合は違うか。


 こいつの作る迷宮が堅牢なほど、魔王城の守りも堅くなる。


 そうなるとどうだ?


 魔王城は落ちず、シルファーはずっと魔王のまま……か。


 眉間にしわがよらないよう、俺は気をつけた。


 ミノンはきっと嫌がるだろう。


 元の世界に戻れば、車椅子生活に逆戻りだ。


 けど、何も知らないまま務めを果たして元の世界に帰還する方が、幸せって思うのは、知りすぎた俺のエゴだろうか。


「デザートはいかがですかにゃ?」


 猫の着ぐるみがデザートの皿をトレーに載せて運んできた。


「あ、ああ。せっかくだし……っておい、何してるんだシルファー」


「にゃ~~」


「猫のフリかよ! つうかデケェよ猫そのものが!? 違和感ありまくりだろ! 全然他の猫執事モンスターに溶け込めてねぇから!」


 俺のツッコミを無視して、着ぐるみがトレーを手にしたまま、身体ごと首を傾げさせた。


「魔王城のお抱えパティシエ兼魔王が手がけた逸品ですにゃ」


 その言い方だと魔王よりパティシエがメインになってっから!


 ……って、あっ! ミルクレープじゃねぇか。


 なんでこいつ、俺の大好物を知ってるんだ。


 ミノンの皿にはフルーツが盛りつけられていた。


 マンゴーやライチやバナナにドラゴンフルーツといった南国の果物が、綺麗にカットされてどっさり小山を作っている。


 運んできた猫の着ぐるみは、わるびれる様子もなく給仕を続けた。


「にゃ~~。我はただのお手伝い好きな猫さんだにゃ~~」


「夕飯が手抜きかと思ったら、急にサービスが良くなったな」


「そんなことないにゃ~~。別に褒められて嬉しかったからとか、そういうんじゃないにゃ~~」


 こっそりどこかで俺とミノンの会話を盗聴してたのかよ。


 怒るどころか、ミノンはいっそう柔和な表情になった。


「魔王様も誰かを褒めてばかりで、たまには自分が褒められたいとお思いなのでしょう? わたくしもアーク様も、心の底からシルファー様を敬愛しておりますわよ」


 猫の着ぐるみが後頭部を掻くような仕草をする。


 まんざらでもないって感じだな。


 つうか、機嫌が直ったんなら普通に来ればいいだろうに。


 なんで着ぐるみだよ。


「テメェは猫執事だからシルファーじゃないんで言うが、もし魔王が俺らの会話を盗聴してたかと思うと、信頼を裏切られた気持ちだなぁ。さすがの道化魔人もリアルで引くレベルだわぁ。魔王にはマジで幻滅しちゃうなぁ」


 猫の着ぐるみがビクンッ! と、大きく震えた。


「そんなことないにゃ。盗聴なんてありえないにゃ。魔王シルファー様はしもべの信頼に応えるべく、日々努力しているにゃよ」


「へぇ~~。ところで、わざわざデザートを用意してくれたってのに、なんであいつはこないんだ? シェフを呼べシェフを!」


「パティシエだにゃ! というか、魔王様は忙しいにゃ! 魔王の仕事はパティシエだけにあらずにゃ」


 ミノンがゆっくりうなずいた。


「わたくしとアーク様だけで、話し合える時間を作ってくださったのでしょうね」


 だったら玉座の間から、こそっといなくなることもないだろ。


 二人で話し合え――とでも言えば済むのに。


 ふいに、猫の着ぐるみが右手の人差し指を立てた。


 肉球まできちんと作り込まれてることには感心する。


「そうそう、あとで玉座の間で『本日の成果についての報告会をやり直す』っ

て、魔王様は言ってたにゃ。それじゃあ我は仕事に戻るにゃよ」


 そそくさと猫の着ぐるみは部屋から出て行った。



 ローブ姿のシルファーが玉座の間で俺とミノンを待ち受けていた。


 若干、汗ばんでいるように見える。


 顔は紅潮し呼吸も少し荒い。


 急いで着替えて来たんだな、きっと。


 俺とミノンは二人並んで赤絨毯の上にひざまずいた。


「すまぬな二人とも。ちと急用があって、先に夕食を済ませてもらったにゃ……もらったぞ」


 そこでそう噛むか。


 気まずそうな顔でシルファーは俺を見つめた。


 わかってるって。野暮なツッコミはせんから。


 そうそう、すっかり忘れかけてたが報告しておこう。


「なあシルファー。マナ放送の録画で把握済みかもしれんが、今日イズナと戦った場所は飛行場っぽかったぞ」


 玉座の肘掛けに腕を載せ、軽く頬杖をつきながらシルファーはうなずいた。


「ふむ。王国は飛行艇の復活を目論んでいるようだ。一刻も早く迷宮を復活させ、魔王城の守りを固めねばな」


 なんだよヤバイのかよ。


 てっきり「なに、安心せい手は打ってある」とでも言うかと思ってたんだが。


 ミノンの瞳が輝いた。


「お任せくださいシルファー様! 明日にも勇者イズナを倒し、先代迷宮担当を越える大迷宮を建造してみせますわ!」


「働き、期待しておるぞミノン」


 なんか乗せるの上手いなシルファーのやつ。


 けど、イズナを倒しちまったらまずいだろ。


 なんて思いつつ俺は話題を変えた。


「ところで、今日の俺たちの戦いっぷりはどうだった?」


「その前に……アークにミノンよ。貴様らのお互いの所持マナについては、おって個別に知らせようかと思う。スキルの取得についても、同席している場ではやりづらかろう」


「どうしてだよ?」


「アークもミノンも、どれほどマナの蓄えがあるか、互いに知りたいと申すのか?」


 ミノンがうなずいた。


「アーク様がわたくしの所持マナを知りたいとおっしゃられるなら、わたくしは構いませんわ。パートナーにはなんでも知っていてもらいたいですもの」


 そうかそうか。ここで遠慮する俺ではない。


 そもそもミノンと会う前から、他の幹部の所持マナの残高については、聞くつもり満々だったからな。


「いくらあるんだ?」


「九千二百万マナほどですわ」


 うおっ! こいつ……一億までリーチじゃねぇか。


 ミノンが俺の顔をじっと見つめ返した。


「べ、別にわたくしは、アーク様がどれほどマナを所持しているかなど気にしませんし、そもそもこちらに来て、まだ一ヶ月未満ですもの」


「そういうフォローはせんでいい。俺の手持ちは一千万マナだ」


 シルファーが胸を張った。


「とはいえミノンよ。この一千万マナはそこらの一千万マナとは訳が違う。たった一度、勇者と戦っただけでアークはこれだけのマナをもぎ取ったのだぞ」


 ミノンの目が赤く燃えた。


「すばらしいですわ! アーク様は本当に天才ですのね!」


 やめろおおおおおおおおお!


 持ち上げるんじゃねぇ!


 ハードル高くなりすぎて棒高跳びになるだろうが。


 そもそも一千万マナを獲得できたのも、シルファーが先代勇者ラフィーネになって乱入してくれたおかげだ。


 で、当然、そのことはミノンには言えない。


 俺は上がったハードルの下をくぐることを諦めた。


「まあな。俺様にかかれば一千万マナなんて片手間ってやつだ」


 シルファーがうんうんうなずいた。


「その意気込みであるぞアークよ」


 意気込みだけは買っているといわんばかりだ。


 実力が伴わなくて悪かったな。


「で、俺から勇者イズナについてもう一つ報告がある。どうやら虫系モンスターは、今後通用せんらしい」


「タリスマンで弱点を補強して来たか。まあ、妥当なところであるな」


「こっちからの報告は以上だ。そろそろ今日の結果を教えてくれ」


 よかろう――とうなずくと、まずはミノンのマナをシルファーは実体化させた。


 宝石のように輝く具象化されたマナを、胸の谷間からつまみ上げるように取り出す。


 ミノンのマナは透き通ったエメラルドのような光沢を放っていた。


「本日の働きは五万マナほどだ。最初にイズナと戦った時と比べれば、ミノンの成長のあとがみられるな」


「ああ、わたくしの力が足りぬばかりに……」


 五万マナでも不満ですかそうですか。


 これがキャリア半年の迷宮番人の金銭感覚……もといマナ感覚なんだな。


 続けてシルファーはミノンのスキル獲得について聞いたが、ミノンは「迷宮作成のために、取得は控えさせていただきます」と、断った。


 続いて俺の番だ。


 同じくシルファーが胸の谷間からつまみ上げたマナの色は、緑色だ。


 ミノンのそれと比べれば、純度も低く濁った色に見える。


 最初にこいつを見た時は綺麗だって思ったのに、上には上がいるもんだ。


「本日も良い戦いぶりであった。五万マナだ」


「お、おう」


 ミノンと同じ評価額か。


 クソッ! 相変わらず取得マナの法則みたいなもんが見えてこねぇ。


 玄人向け過ぎるミノンとイズナの渋い戦いっぷりで、マナ放送のコメントの勢いが止まっちまったのが影響したか?


 考えこむ俺にシルファーが聞く。


「どうした? 不服か?」


「ごめんなさい。きっとわたくしが足を引っ張ってしまったのですわ。本来のアーク様の実力でしたら、数百万は稼いでいたはずでしてよ」


 ポジティブなミノンも、イズナへの苦手意識から若干弱気だな。


「いや、あんなもんだろう。これは負け惜しみじゃねぇけど、初戦はあくまで偵察、様子見ってやつだ。順当順当」


「そ、そうですわね!」


 テンションが持ちのなおしたようでなによりだ。


 つうか、ミノンは自分のことにはポジティブになれても、俺の足を引っ張ったとか、そういう責任は感じやすいらしい。


 ミノンは真面目で真剣だ。


 ゆえに、ガチでミノンがイズナを倒しにかかってはまずい。


 かといってわざとらしく俺が足を引っ張って負けるようじゃ、ミノンに不審がられちまう。


 ミノンに疑われずに、自分で自分の手足を縛る方法はないか?


 そんな都合の良い方法あるわけが――。


「アークよ。マナの使い道は決めたか? スキルを獲得したければ申すがよい」


 あっ……あった。シルファーに言われるまで気付かなかったぜ。


「じゃあ一万マナ級のスキルを取得したい」


「「えっ!?」」


 シルファーとミノンの目が同時に点になった。


「つうか、ボーッとしてないでとっとと二択を出してくれ」


「一千万マナ級ではなく、一万マナで良いのか?」


「わかってねぇなぁ。一万マナのスキルってのは、使い方次第で化けるし、こう……なんというか“味”があるんだよ。だから四の五の言わず、俺にスキルを授けやがれ!」


「よかろう! その意気や良し!」


 シルファーがパチンと指を鳴らすと、俺の目の前にAとB、二つのウインドウが浮かび上がった。


 A:全身の毛穴のどこからかランダムでカニかまが吹き出る能力。

 B:全身の毛穴のどこからかランダムで割けるチーズが吹き出る能力。


 おいふざけんな。こんなのカニかま一択に決まってるだろ。


「Aだ!」


「ではさっそく、魔王シルファーの名において貴様にスキルを与えよう」


 すぐに俺は念じた。


 生えろカニかま!


 すると、右の上腕の毛が生えているあたりから、細いカニかまがにょろにょろと生えだした。


 オリーブオイルで鍛えていたおかげか、脳にはほとんど負荷を感じ無い。


 ミノンが首を傾げさせる。


「アーク様。チーズの方が良かったのではなくて?」


「いやこれでいい。そもそも、この世界にカニかまがあるのにも驚いたが、まさかいつでも食べ放題になるとはな」


 一万マナのスキルを集めまくったら、歩く食材の宝庫になりかねん。


 俺はミノンに告げた。


「明日はこのスキルを生かした戦法で、勇者イズナを倒すぞ」


「え、ええ! そうですわね!」


 一瞬、疑問の余地を挟み欠けたが、俺の勢いに乗せられてミノンはうんうんと頷いた。


 ああ……右手からから揚げ。


 左手からレモン汁が出る能力ならベストだったんだが、贅沢は言っていられねぇな。


 ともあれ、これで万全の体制で明日の戦いに臨めそうだ。

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