第一章 任務のはじまり
「愛国週間の特別講演のために、この青壌高級中学に来てくださった胡杏華少尉です。生徒は拍手で迎えてください」
教員がマイクで講堂に声を響かせると、階段上に並べられた席に座る五百人くらいの学生たちが、まばらな拍手を杏華におくった。
春の午後の日差しが、締め切ったロール・カーテン越しに講堂を暖めている。クリーム色の内装でまとめられた講堂は近年新築されており、小奇麗だ。
杏華は教員の誘導に従い壇上に立った。周りを見渡すと、学生一人一人の顔がしっかりと見えた。国防軍の広報員として数え切れないほどの学校を回っているので、あまり緊張はしない。
「こんにちは。
お決まりのあいさつをすると、眠らずに話を聞こうとする真面目な学生の視線が杏華に集まった。
肩につかない程度に切りそろえた赤い髪に制帽をかぶり、深緑色の軍服を着た杏華の姿は、背が高いのも相まって女ながらなかなか凛々しい。
――学生相手の広報活動じゃなくて、実戦でこの服を着ていたかったのに。
心の中で不満をつぶやきながら、杏華は真顔をつくって講演を始めた。まずは、自国の置かれている状況を説明した。
「今、翡国は建国史上最大の危機に直面しています。我々の住む双子星を支配下に置こうとする侵略者・
鉄国はこの惑星系の中でもっとも大きな惑星・母星にある国で、委員会が支配する共和主義国家だ。鉄国は、同じく母星にある皇帝の統治する立憲君主制国家・
双子星は二重惑星で、それぞれ同じ大きさである兄星と妹星が共通の重心を持ち公転している。兄星には翡国、妹星には翠国があり、かつての双子星は翡国と翠国をあわせた一つの帝国であった。
しかし、鉄国の扇動により革命が起きた結果、翠国は共和制の国として独立してしまった。翠国は翡国国王は独裁者であると批判し、兄星解放を掲げ翡国と対立。鉄国の支援を受ける翠国に対抗し、翡国は同じ立憲君主制国家である銀国との同盟を強化した。現在、双子星は紛争中である。
「十三年前の冬寧戦役で、我々国防軍に第五コロニーへの侵略を阻止されて以降、翠国は大規模な軍事行動には出ていません」
十三年前の人工居住衛星での戦闘の映像が、杏華の後ろ横の大型プロジェクターに映し出された。
宇宙空間で戦艦同士がビームを撃ち合う様子や、翠国軍の攻撃により円筒状のコロニーに穴が開く光景を映すスクリーンを、杏華はななめに見上げた。
杏華は第五コロニーの出身であり、八才のときに冬寧戦役を経験している。
当時の国防軍の避難誘導が的確で、幸い家族も友人も皆無事だったため、杏華は翠国に対して憎しみが強いわけではない。しかし、杏華が軍人になったのは、その冬寧戦役の経験があってのことだった。
玩具を取りに家に戻るという、子供らしいくだらない理由で逃げ遅れた自分を、避難所まで連れて行ってくれた名も知らない兵隊さんへの憧れこそが、杏華が軍人と生きる原動力だ。
ほとんどぼんやりとしか覚えていないが、その兵隊さんが自分に手を差し伸べるシルエットが格好よかったことだけは、今でもはっきりとまぶたに焼きついている。
初恋にも似た過去のときめきの記憶に浸りそうになるのをぐっとこらえて現実に自分を引き戻し、杏華は学生相手に話を進めた。
「しかし、大きな攻撃がないとはいえ、翠国は我が国に工作員を送りこみ、テロや扇動など卑劣な手口で我々を傷つけています。これまでは本国の兄星から離れたコロニーを中心に被害が出ていますが、ここ兄星でも未遂事件は多発しています」
スクリーンの映像が近年のテロ事件などに切り替わると、血なまぐさい話題に興味を持った学生たちが眠りから目を覚まし出した。
翡国の領土は兄星と、十一基のコロニーで構成されている。もともとは翠国の統治下だったコロニーもあり、治安は兄星から離れるほど悪い。
自国が危険な状態にあるとはいえ、本国に住む学生たちは基本的には安全地帯にいる。好奇心交じりの不安な眼差しを向ける聴衆に、杏華はどうしようもなく焦れったい気分になった。
――毎日体力づくりに励んだのも銃の扱いを学んだのも、あの兵隊さんみたいに、格好良くなるためだったのに。私はこんなぬくぬくした仕事じゃなくて、テロリストと戦ったりとか、敵国で暗躍したりとか、そういう任務に就きたいだってば!
いらだちを隠して、杏華は講演を進めた。
「国民を守るために日々戦っているのが私たち国防軍です」というような下りを話すのが、杏華は一番嫌いだった。
――えぇい、だったら私にも戦わせてよ。一応私、軍学校での格闘技の成績、女子では一位だし、男女混合でも十位以内に入るんですけど。
広報活動も立派な仕事であることも、そうそう好きなようにキャリアは積めないということも、頭ではわかっていた。しかし、気持ちは割り切れない。自分が女だから実戦に回してもらえないのでは、などとつい考えてしまう。
杏華は不満を飲み込みながら、話し続けた。講演はつつがなく終わった。「ご清聴ありがとうございました」の言葉に、学生からはそこそこの拍手がもらえたが、達成感は得られない。
杏華は高さのある背をきっちり曲げて一礼し、壇上を去った。
◆
一時間後、杏華は、講演会の実施を担当していた教員との別れのあいさつを終え、来客用の玄関を使い校舎の外に出た。
白い柱に支えられた庇の下のエントランスポーチには、同僚の
「おつかれ、杏華。これ重いから運んでくれない?」
「いいけどさ、別に紅霞にそれが運べないわけじゃないよね?」
杏華は冗談めかして笑った。
「だってこんなのを軽々と持って歩いてたら怪力女だと思われて、婚期逃すじゃない」
まったく悪びれずに答える紅霞の横顔は、ばっちりメイクでまつげが長い。
彼女は杏華よりも少し年上だが、ほぼ同期として広報室に配属されてからは親しく付き合っている。良い男を探しに軍隊に就職したと言い切る彼女の生き方は杏華には理解しがたいものだったが、友人でいるのに支障はなかった。
「講演会用の映像資料と、機材とPCしか入ってないんだから軽いもんじゃん」
杏華は軽々と鞄を持ち上げた。二人は、裏門の近くにある駐車場へ並んで歩き出した。
まだ教室で授業が行われている時間ということもあり、校舎の外はひっそりとしていた。
春になったとはいえ、日陰に吹く風にはまだ冬の冷たさが残っている。白いコンクリート造りの校舎の影に肌寒さを感じた二人は、早めに車に入ろうと足を速めた。
駐車場に近づくと、自分たちが乗ってきたものとは違う黒いセダンの軍用車が裏門のゲートをくぐって入ってくるのが見えた。
「あの車、何だろ?」
杏華が目を凝らすと、車は二人の方に進んで、少し手前で止まった。
中から、スラリとした青年が降りてきた。
ビー玉のように透き通った青い瞳と女性的な顔立ちが印象的な青年だった。ふわふわした亜麻色の髪を肩まで伸ばして一つに結うというヘアスタイルが、よく似合っている。少し着崩した軍服もスタイルの良さを引き立てていて、まるでアイドルのピンナップの一コマのようであった。
青年は二人に近づき、笑いかけた。
「どっちがぁ、胡少尉なのかなー? やっぱりそっちのー、若干ごっつい赤毛の方かなぁ?」
男が言葉を発する寸前まで、杏華は彼のことをいわゆるイケメンだと思っていた。
しかし、作り物のような子供っぽい声がよくなかった。変な抑揚に舌足らずな発音、妙に間延びした話し方も聞き苦しい。百年の恋も冷めるレベルだ。
紅霞も杏華と同じ感想を抱いたらしく、いつもなら美形に遭遇するとうっとうしいくらい色目を使うのに、今日は沈黙して様子見している。
敬意を払わなくてもいい相手だろうと確信した杏華は、素っ気なく青年の問いに答えた。
「胡杏華なら私だけど」
男は杏華の方を向くと、軽く力の抜けた会釈をした。
「こんにちは、胡少尉。僕は、
「情報部の人が私に何の用?」
「んー。僕も詳しいことは、知らないんだよねぇ。ただ胡杏華を連れて、司令本部に来いっていう命令もらっちゃったから、迎えに来ただけで」
はっきりしない返答に、杏華が疑いの目を向けると、鳳楊はポケットからくしゃっとした一枚の紙を出した。
「あ、これが命令書ねぇ。じゃあ、早く車乗って乗ってー」
渡された紙を見てみると、ありえない収納をされてはいたが本物だった。
杏華は紅霞と顔を見合わせた。
もうすでに車に戻ろうとしている鳳楊を横目で見ながら、紅霞が杏華に顔を近づけささやいた。
「よくわからないけど、行くべきみたいじゃない?」
「やっぱりそうかな……。じゃあ、また今度ね」
納得がいかないまま杏華は紅霞に鞄を返し別れ、鳳楊の車の助手席に乗り込んだ。
窓の外では紅霞が不安げに手を振っている。
いまいち状況が呑み込めないが、しかたがない。
車内では、シックな内装とは不釣合いな、甲高い電子音声で歌うバーチャルシンガーのテクノポップがかかっていた。カーステレオに私物の音楽プレイヤーを繋いでいるようだ。
杏華にとっては雑音以外の何ものでもない曲だが、初対面での文句は控えた。
「よろしく、孫少尉」
シートベルトを締めながら杏華が言うと、鳳楊がきらきらした青い瞳で見つめてきた。
「二人のときはぁ、鳳楊でいいよー。僕も、杏華ちゃんって呼ぶからねぇ」
「杏華ちゃんはやめてよ。まだ呼び捨てのほうがまし」
この男からちゃんづけで呼ばれるなんてぞっとすると思った。
「じゃあ、杏華。行くよぉ」
鳳楊はさっそく杏華を呼び捨てで呼び、アクセルを踏み込んだ。車は軽快に発進し、不安をまだ消せないでいる杏華を乗せて走った。
◆
杏華と鳳楊はニ、三十分後に目的地についた。都心にほど近い郊外にある、ガラス張りのビルが司令本部だ。中に入ると杏華は、鳳楊に小さめの作戦説明室に案内された。
説明室はコンクリート打放しの部屋で、簡素な灰色の机と背もたれのついた黒い椅子がそれぞれ十五ずつほど並んでいる。
そのうちの椅子の一つに、脂ぎった黒い髪を七三にわけた、ぽちゃっとした中年の男がにこにこして座っていた。
高級将校の軍装を着た男の姿に、杏華は表情を引き締めすぐさま敬礼した。
「胡杏華少尉、到着を申告いたします」
鳳楊も手をへろっとあげて、
「大佐ぁ。胡少尉を連れてきましたよー」
鳳楊の適当な敬礼にも慣れた様子の男は、短い腕でほおづえをつき、杏華を見た。
「国防軍保安局情報部部長の
「陛下からの深く信頼され、非合法活動の取り締まりを任されている方、ですよね?」
名前と略歴くらいなら、誰でも知っている。強硬的なタカ派の人物として有名な中将・杜雪厳の名前が新聞に載らない日はない。
「そう、その杜中将を狙う翠国の暗殺者が、我が国に最近入国したという情報があってね、中将の警護を強化することになったんだ。私は、君たちに彼の警護と暗殺計画の捜査をしてもらいたいと思っている」
「え、私が!?」
杏華は驚いてつい敬語を忘れてしまったが、隣の鳳楊は、へぇーと小さくつぶやいただけだった。
「私は広報課で、所属も経歴も情報部とは何も関係ありませんよ?」
何かの間違いではないのかと、杏華が尋ねる。
「しかし、軍学校での成績はよかっただろう? 君を重用してほしいという推薦文を、蘇教官からもらったよ」
蘇教官は、杏華が軍学校でもっともお世話になった格闘術の教官だ。師匠からの突然の思いやりに、頬が熱くなる。
黄はさらさらと続けた。
「それと最近、女性将校も積極的に実戦で使ってみるべきだという意見が内外から寄せられていてね。我が軍は数年前から女性の士官学校入学も認めるようになったけど、実戦をともなう部署に配属された例は極端に少なかったから。そこで、男よりも優秀と評判の君に白羽の矢が立ったというわけだ」
急にほめられ、杏華の頭はますます火照った。
認められたこと。これから実戦が待っていること。望んでいたことが全てがそのまま現実になり、杏華は思考が追いつかなかった。
杏華が何も言えないでいると、黄が目を細めて聞いた。
「とりあえず君は広報室から情報部への出向という形でしばらくウチで働いてもらうわけだけど、どう? ちょっと不安ある?」
杏華はあわてながらもはっきりと、大きくな声で返答した。
「いえ、まったくありません!」
不安がないという言葉に、嘘はない。自分は最強の女子であると自負する杏華の心に迷いはなかった。
杏華のあまりに自信たっぷりな様子に、黄は苦笑した。
「そう? それはよかった。あと、君のサポート役には、情報部の若き頭脳・孫鳳楊少尉を選んでおいたからね。彼は性格はアレだが有能だから、役に立つと思うよ」
若干棘のある紹介をまったく気にせず、鳳楊は後ろに手を組み杏華に笑いかけた。
「ということ、らしいからー。よろしくねぇ、胡少尉」
デキる男だと紹介された鳳楊だが、笑顔はあまり知性を感じさせない。
しかしそれは、これから実戦に関われることに舞い上がる杏華には、気にならないことであった。
杏華は黄に敬礼し、顔をほころばせた。
「ご期待いただき、ありがとうございます! 胡杏華少尉、必ず任務を全ういたします」
◆
次の日、杏華と鳳楊は諸々の手続きを済ませ、詳しい作戦説明を受けた。二人が司令本部にある杜雪厳の部屋の前に立ったのは、日没後のことだった。
灰色のつやのある素材で覆われた床の続く廊下に、二人は立っていた。司令本部は小高い丘の上にあるので、窓からは少し遠く離れた首都中心部が見える。たいした街ではないが、それでも夜景はそれなりに美しい。
窓の反対側には木製のがっしりした黒い扉。
杏華が鳳楊に目配せをし、ノックした。
コン、コン。
乾いた音が響く。
数秒後、「入れ」という男の声がドア越しに聞こえた。
杏華が緊張で汗ばんだ手でドアノブを回すと、扉は重々しく開いた。
一歩足を踏み入れると、高級将校の部屋らしく広々とした空間が広がっていた。
木製の大きな書類机には光沢があり、同じく木製の本棚はどっしりと安定したつくりだ。床にはワインレッドの絨毯がひかれている。
杜は黒い皮製の椅子に腰掛け、机を前に書類をファイルにまとめていた。
くっきりとした高い鼻に、きつく結ばれた口。表情は厳しく、人を寄せ付けない力がある。
後ろになでつけオールバックにした前髪。その一部は垂れていた。つやがなくなった黒い髪には白いものが多数まじっており、目元のしわとともに、彼の苦労を物語っている。
肌は浅黒く、肩幅は広い。書類を前に考え込むその姿は、まるで金属彫刻のように冷たく感じられた。
杏華は翠国に対する杜の徹底抗戦の姿勢に政治的には賛同している。それでもなお、新聞で邪臣だとか独裁者だとか言われているのもうなづける雰囲気だと、本人を見て思った。
「君たちが新しく私につくという警護の二人か」
杜が書類から目をあげた。赤茶色の瞳が鋭い眼光を放つ。
「はい、そうです! 胡杏華少尉、着任を申告いたします!」
杏華は勢いよく答えたが、声が大分うわずってしまった。
「孫鳳楊少尉でーす。よろしくでーす」
鳳楊は普段どおりのふにゃふにゃした話し方だ。
険しい空気そのままで、杜が小さく笑う。
「これからしばらく、よろしく頼む」
「はい。力一杯ちゅくっ……つ、尽くします」
杏華が、噛み噛みの返事をした。戦闘には絶対の自信を持つ杏華だが、コミュニケーション能力では胸を張れない。
「確か夜間も君たちがついてくれるそうだな。今帰宅の準備をしていたところだ。少し待っててくれ」
杜は立ち上がり、本棚にファイルを戻していった。その後ろ姿からは年相応の老いが感じられる。
「君たちは若いが優秀だそうだな。楽しみにしている」
杜は背を向けたまま、とりあえずといった様子で二人をほめた。
杏華がお礼を言おうとすると、鳳楊が先を越した。
「ありがとうございますー。そうなんです。優秀なんです。実力、ありますよぉ。あー、それでも、僕、今回はちょっと怖くてぇ」
鳳楊が途切れずゆったりと言葉を述べる。
ファイルをすべて本棚に戻した杜は振り向き、鳳楊の顔を不思議そうに一瞥した。
「何か問題があるのか」
まるで何気ない雑談をするかのようなトーンで、鳳楊は杜の問いに答えた。
「だって中将の死神伝説ー、すごいじゃないですかぁ。親死んで、育ての親死んで、奥さん死ぬなんて、絶対呪われてますよぉ。僕たち被害無しにできますかねぇ?」
人間性を疑うレベルでデリカシーのない鳳楊の言葉に、杏華は唖然とした。
――いやいやいや。それ、本人の前でする話じゃないでしょ!
杜雪厳中将の生い立ちは、週刊誌に何回か載る程度に有名だ。国防軍内では、特に広く知れわたっている。
幼少時、翠国人によるテロで両親を失い親戚の家に引き取られるも、その親戚も軍事衝突による戦火で他界する。その後軍学校に入り、卒業後は軍人として出世。結婚して幸せな家庭を築く。しかし数年前、妻と息子がテロリストによる博物館占拠事件の人質にとられる。息子は助かったが、妻を含む三十四人が杜自身が決定した強行突入作戦の結果死亡――。
この重すぎる過去を、さらりと本人との会話のネタにする鳳楊の無神経さに、杏華は戦慄した。悪意がないそうなのがまた恐ろしい。
「す、すみません、中将、今すぐこいつシメるんで」
慌てて杏華が鳳楊を外に連れ出そうとすると、鳳楊はどうして怒られるのかわからないとでも言いたげな顔で見つめてきた。
困った杏華が杜の様子を見ると、杜の反応は思いのほか平静だった。
「確かに、私は呪われているかもしれない。呪いに巻き込まれないよう、君もがんばるんだな」
杜は薄手のコートを手に帰り支度しながら、軽く受け流す。
「えへへ、がんばりまーす」
にっこりと笑顔の鳳楊。
杏華は、その顔を殴りたい衝動を抑えた。
杜がちょっとやそっとじゃ取り乱さない大人で本当に良かったと息をつく。鳳楊の無邪気な凶器のような空気の読めなさは、直球すぎて逆に一周回って人を傷つけなかったのかもしれない、とも思った。
その後の帰りの車中も、また鳳楊が何かやらかすのではないかと落ち着けなかった。
こうして、杏華の初警護は不協和音とともに幕を上げた。
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