第17話 危険な遊園地とレバノン料理

その国には危険な遊園地があった。

入場は誰でもできてしまうセキュリティーの甘さ。

メンテナンスが行き届いてないさびた遊具。

時々死人が出るという恐怖のジェットコースター。

明らかにミッキーマウスとミニーマウスのパクりのかぶりもの。しかも夢がないことに、そのかぶりものを外した兄さんたちが、笑いながら談笑していた。

パクリのミニエッフェル塔なんかもあった。その国にはとにかくパクりが多い。特に宗主国だったフランスのパクりが多かった。

怖くて中の乗り物には乗れなかったけれど、子供用のお菓子も売っていて、家族連れも多くてちゃんとした遊園地だった。


それから近所にはレバノン料理屋があって、レバノン料理も初めて食べた。

ケバブ料理。牛肉のミートボールの長いやつに、アラブの香辛料が使われている。少し辛めのトマトと玉ねぎのスープ。相変わらず甘いお菓子。

お米も出るけど日本米ではない。タイよりもインドよりもパサパサの黄色がかった少しくさいお米。

菜穂は日本でも有数のお米の美味しい場所で育ってしまったから、外国のお米が辛かった。良くてイタリアのリゾット米だ。時々タイやパキスタンあたりから味の良い輸入品が来たり、エジプトから日本米に近いジャポニカ米がやって来ることもあったが、後は重いお米を日本からか、先進国のヨーロッパから運んできた。

レバノン料理はそれはそれで1度食べてみるというのはありだと思うけれどね。夏で、出された生野菜はお腹を壊すからあまり食べられないというのもなんとも辛かった。

生の野菜や果物、サーモンやマグロなどのお寿司がお腹いっぱい食べられないのはつらかった。

調味料も醤油や味噌は、貴重な調味料を少しずつ大事に使っていた。醤油はそのアラブの国では250cc で3000円とかしてしまうのだ。

アラブ料理の香辛料は、唐辛子にパプリカ、クミンやターメリックなどのスパイスと、塩やコンソメあたりが多かった。

味は日本より薄味で、腎臓には良さそうだった。

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