第4話 頑張る

部長に傷を負わせてしまった次の日。

イマ、この瞬間から始まった。


いつも通り授業が終わり、部活へ向かうと

部長とその絡んでいる先輩たちが不気味な笑顔でこっちを見ていた。

だが、私は何もなかったかのようにグラウンドへ行こうとした ─ その時 ─


「おい!!!! みやさかー! ちょっと来いよー」

「はっ…はいっ!」  嫌な予感がした。

「お前さ、昨日遼に怪我させたんだって?

 ダメだよー いくら女の子だからって先輩に手出すなんて(笑)」

私は深く頭を下げて謝った。

「これで許してもらえるなんて思ってないよな?

            ちゃんと従ってもらうからな?」

なんて言われて考えているうちに部室に連れていかれて

終わるまで帰るなということだった。

私は 何も言い返せるはずもなくはい、とだけ言ってすぐに取りかかった。

今までマネージャーが居なかったせいか、

部室内はボールやユニフォームが地面に落ちていた。

「ユニフォームは明日洗うとして… 問題はこっちだぁ…」

ぶつぶつと言いながらも、砂を掃いたりウォーターボトルを棚に並べたりと

順調に終わらせていったがもう部活終了時刻らしく部員が戻ってきた。

そこで「終わるまで帰るな」と言われたのを思い出した。

私は今日くらい頑張ろうと思い、部員が居なくなるのを待っていると

「あれ? まだ帰らないの?」後ろから先輩に声を掛けられた。

それは、藤田絢人と佐藤歩先輩だった。

「まだ掃除が終わっていないので」

「掃除なんてしなくてもいいのにー! 大変そうだから俺らも手伝おうか?」

本当はお願いしたかったけど、先輩に迷惑はかけたくなかったので遠慮した。

「そっか! 俺らにも出来ることあったら言ってね!」

と言って先輩達は帰っていった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

やっとのことで掃除を終え、家にかえった。

「明日も気合入れてがんばるぞーっ!!!」

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