第6話 イベントがなかなか発生しない
ガーディ・スティングレイ
レベル 不明
年齢 336(14才)
種族 ヒューマン(異世界人)
スキル 魔法、遺伝子操作
称号:転移者、異世界人、スペルマスター、魔法製作者、ワールドトラベラー、不死者
************
異世界3日目。
結局、ファングウルフの依頼でも報酬2000クランと素材で1500クランを獲得し、お財布の中身が豊かになった。
ギルドランクはEに上がった。
そして今日もギルドへ行き、ィエラル草の依頼を受けに行く。
依頼だけ受領し、今日は宿に引きこもる。
久しぶりに、魔法をかけたお守りと紙で書いた魔法陣の作成をしようと思う。
もちろん無くても全然日常に支障はないのだが、これからこの世界ではいろいろな人にお世話になるだろう。その時は様々な魔法付与をつけたお守りと、外出中に強襲を受けたとき用に自動発動する魔法陣を作成する。魔法陣は作って、数さえ準備しておくだけで、魔法の弾幕を作る。
ある意味殲滅魔法にぴったりだ。
しかも、魔法発動にイメージして、魔力を操る必要がない分隙が無い。実に効率的だ。もちろん材料は、創造魔法で補う。
お守りは、厚紙と小さな布袋、括り付ける紐だ。イメージは神社のお守り。
魔法陣は紙だけなので、これも画用紙のような質の紙を10㎝角に創造し、用意する。
創造魔法は、そこそこ魔力を使う分、自分の知る知識のものを創り出すことができるのでとても便利だ。
魔力をそこそこ使うといっても、自分の魔力には底がないし、大気中にも魔力は含まれているゆえに魔力枯渇は滅多に起こらない。
一応、手持ちの魔石五百個に、最上級魔法100発分の魔力をストックしているが、今のところ使い道はない。
さらに、神級魔法使用用の魔石は手持ちに10個しかないが、一個で神級魔法を1発放てる。この魔石は、魔石ファントムナイトと言い、名前の通り幻想級に希少価値が高い。簡単に手放せるものではない。
魔法は王道ではあるが、ランクはある。
初級・中級・上級・最上級・聖級・王級・世界級・神級
があり、ガーディは、魔法プログラムの解析に成功している魔法に関しては、世界級の魔法数種類と王級魔法の殆どを、自身の魔力で補うことができる。
神級に関しては、どうしても詠唱と魔石の力が必要だ。この辺りは割り切っている。
でもいつかは自由に使えるようになりたい。
さて、お守りは今日は10個作るかな。
お守りといえば、やっぱり無病息災に限るよね。
自分もこのお守りを身に着けている。
これさえあれば、どんな病気も何のその。
ウイルスだって、細菌だって、真菌・寄生虫どんな生き物の侵入も阻み駆逐する。地味に常在菌のバランス維持に手こずったのは内緒の話だ。
これを基礎に、カラダの細胞分裂を促しつつ、遺伝子にダメージの入った細胞に関しては、増殖を抑える機能を持つ。
これに、プラスして、ホルモンバランスを調整して、カラダの変調を整える働きを持つ。
これは女性にしか意味ないのだが、妊娠・出産をサポートする陣も組み込んであるおまけ付き。
これらの機能を備えた魔法陣の付与したお守りは、もう300年近く前に作ったものだ。
元々この案は別の人が提案したものだが、ガーディはこれを改良した。
これによって、ガーディは300年ほど風邪を引いていない。
若干看病イベントがないのが残念なところだ。
お守りを作るのは至って簡単で、布に針で魔法陣を糸で縫い込んでいく。一つ作るのに10分程度だ。昔は一時間近く掛ったものだが、慣れた今では簡単に作ることができる。
「終わったぜ!!」
ちょっとカッコよくキメ顔で言ってみたが、実質2時間立っていない。さほど疲れてないので、魔法陣を紙に書く作業に入っていく。
これも簡単で、一枚描くのに3分ちょっと。
もう覚えた陣なので、サラサラ書いていく。
ちなみにインクはSARA○Aのボールペンだ。
書き味の滑らかさが半端ない。
魔法陣を一種類ずつ、それぞれ、炎・水・土・風・雷・光・闇・聖(回復魔法)
を初級と中級を一枚ずつ書いてゆく。
できた16枚を、あらかじめ、10枚重ねた画用紙を、16組準備し、作成した魔法陣を一番上に乗せてゆく。
あとは、転写魔法を使って上に書いてある魔法陣を、下の10枚にコピーさせていく。
今できるのは、どの魔法も一度にできるコピーは10枚までだ。きっとコピーガードのプロテクトが入っているに違いない!
転写魔法を使えば、先ほど書いた魔法陣が各々11枚ずつになった。
時短最高です。これを一か所にまとめ、魔力を流せば、即席魔法陣の完成。
この作業をあと9回行い、今日の作業は一旦おしまいだ。
これで、一種類の魔法が100発撃てる。回復魔法以外の攻撃魔法を全部打てば1400発の弾幕が打てる。
魔法を使って、魔法を作る、簡単なお仕事です。
作業が終わり、時計を見ると、すでに昼を回っていた。
今日は宿の下の食堂で簡単にお昼をとることにして、そのあとギルドにィエラル草を届けに行こう。
「おじさん、お昼もらってもいい?」
食堂に行くとちょうど、店の主人がいたので、ご飯をお願いした。
ご飯は、黒パンとコンソメスープっぽいもの、そして照り焼きチキン?だった。
黒パンは、風と火と水の魔法で、湿った温風を吐き出し、ふわふわのパンにして美味しくいただきました。
食後に15分くらいゆっくりしてから、ギルドに向かった。ギルドの雰囲気は思ったより悪くないのが逆に不気味だが、ィエラル草を渡し、報酬をもらった。
報酬をもらってさぁ、これからどうするかと考えていると、近くの冒険者の会話が耳に入った。
話しているのは、三人組だ
「そういえば聞いたか?
今日、王宮の近衛騎士団長が処罰されるってよ」
「まじか、あの真面目で実直で王族に忠誠を誓っているあの騎士団長がか?」
「その騎士団長様に王族に反意を働いたとして、今日は公開処刑だそうだ」
「うへぇ、王様もそこまで落ちたかー」
「たぶん、騎士団長は王族に反意は抱いていないと思うぜ」
「濡れ衣だよな。そうなると、やっぱり少しは同情しちゃうよな」
「何時からだっけ?処刑時間」
「今日の昼の3時の刻だったと思うぜ。ほんと気の毒だよなアドフィルゲインってやつはよ」
僕はその瞬間に、転移して王宮に飛んだ。
今は昼の2時半の刻
処刑まで30分
安直だが作戦はこうだ。
処刑前に、アドフを交渉して、解放してもらう。
それがだめなら、強行して奪う。
作戦もあったもんじゃない。
でも、何としてもやらなくちゃ!
異世界で一番優しくしてくれた人だから……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます