第5話 異世界二日目、ラブアクシデントはあるか

異世界二日目。

日本産腕時計は午前6時前を指していた。

ちなみに好きなメーカーは○RISだ。


えっ?隠れてないって?

気にしない。


泊まった部屋は2階なので、身支度を整えた後、食堂がある一階に降りた。


「おはよう。よく眠れたかい?」

宿屋の主人さんが挨拶をしてくれた。

この世界の人は朝から活動的なのだろうか。


「おはようございます。おかげさまでよく眠れました」


定型文みたいになってしまったが、当たり障りない挨拶を返す。


「今日はどうするんだい」


そういえば今日は何をしよう。やっぱり王道、モンスター探索かな。時間に余裕ができたらお城の探検(無許可)を使用。


なに、魔法があれば「もう何も怖くない」


「今日はまだこの国に来たばかりなので、王都の周辺調査をしようと思います。」

嘘は言っていない。


「そうかい。今日は宿に泊まるのかな?」


これと言って不満はなかったし、いいかなと思う。


「はい。今夜もお願いします。」


宿代を渡たす。朝食も運ばれてきたので、頂く。


内容は、黒パンにスープ、ハムサラダである。


こっそり黒パンを温め直し、魔法袋からバターを召還。おいしい黒パンになった。満足!


そういえば身分証明書作っていなかったと思い出した。


店の主人セーデンさんに聞くことにした。


「セーデンさん、この国の身分証作りたいんですけど、どこに行けば作れますか」


それなら、西門近くに政府管理室というものがあり、そこで作れるらしい。


「あと、持ってないのなら、その隣に冒険者ギルドと行商人ギルドがあるから、どちらかにも登録したほうが便利だぞ」


「ありがたい情報感謝します」


朝食を食べ終え、さっそく街に繰り出した。


現在時刻は8時30分


市場は活気づいているが、政府管理室(市役所)はまだだろう。ゆっくり観光しながら向かうことにした。




***********



身分証発行完了しました。結構簡単に。ちなみにこんな感じです。



身分証

ガーディ・スティングレイ

階級 中級市民

14歳 

戸籍 不明

職業 旅人

発行場所 クランシュタット





至ってシンプルだ。だがこれで身元はばっちりだ。

ちなみに、階級は下から、奴隷(終身・犯罪)、平民(下級市民・中級市民・上流市民)、貴族(準男爵・男爵・子爵・伯爵・侯爵・公爵)、王族

となっており、上級市民(15%)は騎士職や文官が当てはまる。中級市民は全体の40%で日常生活に制約の少ない階級である。

下級市民(30%)は多少制約は多いものの、最低限の生活は問題なく送ることができる。奴隷から解放や任期が終了したもの。中等度の犯罪をしたものが課せられる。

中流階級と下級階級は他に職業に依存しており、職種や学歴に応じて変動する場合がある。

上級市民は、平民が唯一達する階級であり、様々な恩恵が得られる。


ガーディは中流階級なので、身分的には申し分ない。


そういえばアドフは上流市民なのか。頭によぎった仕事熱心な彼の姿を思い描くと不思議と口角が上がった。



ついでに冒険者ギルドが近くにあるので、冒険者登録もした。


最初のイメージは、昼夜問わず飲んだくれがいると思っていたが、しっかりと酒場とギルド受付窓口は入り口から完全に分かれている構造になっており、酔っ払いに絡まれることのない安全設計だ。


登録だが、受付のお姉さんが立っていた。もちろん美人だ。あくまで客観的な見解である。


受付自体は滞りなく終わった。

身分証の提示とギルド規約の確認のみである。

ギルド階級はF⇒E⇒D⇒C⇒B⇒B+⇒A-⇒A⇒AA⇒AAA⇒AAA+⇒S-⇒S⇒SS⇒SS+⇒SSS⇒SSS+⇒Z


階級が無駄に細かい。


規約および、ギルド職選択約款にに書いてあったが、無駄に死者を出さないため、難易度を細分化したためらしい。国によってランクの階級数が異なり、+や-がない国もあるが、難易度自体は概ねF~Zは共通であるらしい。


ギルドカード

ガーディ・スティングレイ

ギルドランク F

階級 中級市民

14歳 

戸籍 不明

職業 旅人

発行場所 クランシュタット

才能 有

特殊能力 不明

ギルド加入期間 1年未満

カード紛失記録 なし



ギルドカード自体は身分証に似ていたが、一部不可思議な項目もあった。

才能とか特殊能力とか。


ありなし、不明とか、きっとどう考えても魔法だ。逆に判明できなくてよかったのかもしれない。



さて、今はまだ朝の10時だ。さっそく王都周辺の探索だ。


とりあえずただの探索だから、ギルドの依頼は受けない。と思ったけど簡単な依頼があったので、受けることにした。


Fランク依頼ィエラル草の採取

採取量2㎏以上 

報酬:銀貨大銅貨5枚


この草は、結構どこにでも生えていて、傷薬の材料になる。需要量が多いので定期的に依頼が出されている。


ガーディの探索魔法にも、ィエラル草が多く検出された。



ガーディが向かったのは、王都近くの森だ。探索内容は、動物とモンスターに違いはあるか

モンスターの強さ、

魔力を秘めたモンスターはいるのか

あと、食べられるか



昼過ぎまで検証することにした。


検証中に結構森の中を歩いたので、多くのィエラル草を採集することができた。運よく大量に群生している場所を発見したので、まとめて魔法で採集して、圧縮して、ビニール袋70リットル用ビニール袋に入れた。ざっと50㎏は採った。大量だ。



調査の方も順調に進み、この森の動物は

ウサギ・イノシシ・クマ・鹿・オオカミ、その他の虫たちである。

強さは、地球のものとさして変わりなし。

時折魔力を秘めた者もいたが、この世界ではどうやら突然変異で、元々いた動物が変異したものだ。


しかし、やはり異世界。地球と似たデザインの動物もいれば、まったく形相の異なる生き物が多く生息していた。

ダークワームのような巨大芋虫もいた。

見た目がグロテスクなので

【創造魔法】クリエイトマジック

超強力!虫除けスプレー一日中長持ちタイプ召喚


魔法便利過ぎる。


さらに自己魔力はたんまりあるので、

【設定魔法】セッティングマジック

システムウィンドウ

『マッピング→ON

索敵→ON

データ数値化→ON

検索→ON 」


これで世界がゲームみたいになり、様々な情報を得ることができる。チート魔法である。


設定魔法は創造魔法の応用であり、大抵は創造魔法でなんでもできる。


実は、創造魔法で地図を出すことができるが、今回は最初なので、創造魔法で作成した地図と、店で買った地図がきちんと互換しているか確認するため、最初に地図を買ったのだ。


視覚をゲーム化して、気がついたことがある。

それは、この世界、「モン○ン」の世界観に似ている。


ということは、スライムはいないのだろうか。

ドラ○エの世界観も捨てがたい。


今の所スライムもゴブリンもいない。

魔力変異を持った動物くらいだ。


観察も終わった所で、一先ず街に戻ることにした。

歩くのに足場があまり良いとは言えないので、人気のない所では、【飛翔】フライを使い、空から街を目指す。


空は遮るものがないので、20分程で街に着いた。


早速冒険者ギルドで、依頼達成の報告を行い、報酬をもらう。


ィエラル草はたくさん取れたが、今回は2kgのみ納品した。

依頼の丸一日のクールダウン終了後、また2kg納品で依頼達成だ。おいしいお仕事だ。

大銅貨5枚だが、この世界では5000円の価値がある。

宿も1000クランあれば良い宿に泊まれるほどだ。

つまり大銅貨5枚でそこそこの宿に泊まれる。


自分自身には優しい世界だ。ほかにギルドでは、ファングウルフの討伐、毛皮と牙の採集があったので、依頼受領した。

ギルドでは、事後報告制度はないので、必ず依頼を受けてから、狩りに行くスタンスである。


夕方になれば、また足を運ぶことになるだろう。

ファングウルフはE~D向けの依頼だ。Fランクでも受けられるが、危険が伴うレベルらしい。

魔法の有無はでかい。

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