2

☆☆☆


「なんでついてくんだよ……」


「ふんふ〜ん♪」


今、俺の隣には藍里がご機嫌そうに鼻歌を歌っている。

先程屋上で意味不明な展開になってから、ずっと俺のそばから離れようとはしない。正直ちょー迷惑な奴だ。

こいつマジで俺から離れないつもりなのだろうか。


隣をちらりと見てみると、笑顔で鼻歌を歌う顔に俺の顔まで赤くなってしまう。俺だって男だし、何せよこいつはそこらへんの奴よりは顔立ちは綺麗なので、正直言って嬉しい。


まぁこんな学園ラブコメみたいな感じは、どうせすぐぶち壊されるものだ。こういう言葉だって、フラグなようなもんだ。さっさと来やがれフラグさんよぉ!

とはまぁ思っていたが、何も起こらずに寮についた。


この井津間いずま学園は、完全な寮制度である。学校から少し離れたところにある、この学校と同じくらい広い面積に5つの大きな建物が立っている。1つは小学生用で、1つは中学生用、1つは高校生用、あと2つは体育館となっている。体育館は各自で自由に使えるようになっている。


男子と女子とでは階が違うので、ここからは離れられる。

1〜2までが男子、4〜5が女子となっている。ちなみに、3階は食堂だったり購買だったり銭湯だったりの男女共有階だ(だからと言って混浴ではない)。


そういえばまだ部屋どこか聞いてなかったな……。

毎年部屋は変わることになっていて、部屋は入学式のあとにわかるようになっている。だからクラス発表よりもドキドキワクワクする。


大きな門を通りガラスの自動ドアの中に入る。

受付のカウンターらしきところには、先生がいた。


「遅かったな津我。早速SMプレイか」


「ハァハァ……!」


なんか照れて変な動きしてるよこの人!?


「いや!これは勝手にこいつがついてきているだけであって!」


「冗談だって」


この教師なめてるのか。教育委員に訴えたろうかあん?


「えーと……津我の部屋は〜……っと。ほい」


と、部屋番号の名札が付いている鍵を差し出してきた。

これがこれから3年間お世話になる部屋、人達となるわけ――


──はい?515号室……だと……!?


その名札には確かに515号室と書いてある。だがそんなことはありえないはずだ。だって4階と5階は女子しか入れないもん。え?チョー待って。は?


「津我は今回、特別部屋だ」


「な、なんだとぉぉぉぉぉぉ!?」


岡田先生が笑顔で言ってきた。なんかこの人が笑顔で特別とか言うと、絶対に悪い方向にしかならないと思う。


特別部屋の意味?……俺も知らん。今まで聞いたことないわ!


「どういうことだよ!?」


「まぁ落ち着きたまえ童貞君」


「誰が童貞だ!このクソビッチ!」


「それが先生に言う言葉ですかっ!」


「あんたも生徒に言っちゃいかんこと言ってるだろ!?」


ったくもう……この教師さっさと俺の前からいなくなってくれよ……。

というより、マジでどういうことだよ!なんで俺5階なの!?


「……まぁ落ち着け。津我の部屋番号は515号室で間違いはない。……すまない。私が間違えて女子欄に津我の名前を書いてしまってな……」


じゃあすぐに訂正しろよ!


「訂正しようと、校長のところに行ったのだが……『まぁいいんじゃない?』……という一言で追い返されてしまってな……」


校長ォォォォォォォォォォォォォ!

よくねぇーだろォォォォォォォォォォォォ!

なんだよこの学園は……!バカしかいないのか……!


「すまない津我……これから手術しにいこうか」


「何性転換させようとしてんだ!」


「これは学年主任の私からの命令だ」


「権力乱用反対!」


てかこいつが学年主任なのかよ!もっといい先生いるだろうが!


「……君じゃなくて云子う〇こちゃんの方がいいかな」


おいお前は入ってくんなぶりっ子!


「せめて龍子りょうこちゃんにしてくれませんかね!?」


「じゃあ手術に行こう!龍子りょうこちゃん!」


「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


ツッコミミスったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!


なんだよこのバカ2人からの共闘攻撃は!

てか藍里に至っては俺覚えてないから、会ってからまだ1時間も経ってないからね!?そんな奴になんで俺はう〇こ呼ばわりされなきゃならないんだよ!汚いわ!


てか何この学園ラブコメ少し入れてみました〜!的な感じは!誰か仕組んだだろ!ふざけんなよ!学園ラブコメなんて腐ったもの俺にはいらねぇよ!


てかどうする俺。このままだと……でも女子に囲まれるって結構いいかもしれん……って何考えてんだ俺!いいわけないだろ!警察行きだわ!


マジどうすんだよ……。


「……どうすんだよ……本当に警察行きだよ……俺下手したら野宿だよ……これから1年間ぶち壊しだよ……」


「なぁ津我……1つだけ提案があるのだが?」


というわけで、俺は今堂々と5階を歩いている。

茶色っぽい長いサラサラ髪に、軽い化粧、学校の女子制服に身を包み、俺は堂々と歩く。

通りすがりに「何あの子?誰?」とか「ちょー可愛いんですけど〜!」とか「ちょーパンツ可愛いんですけど〜!」とか聞こえてくる。え!?何!?パンツ見えちゃってんの!?


……そうです。女装をしています。


先生の提案はこれだそうです。「女装して、声を一言も発さずに部屋まで行く」という、他の先生にバレたら退学になる提案をしてきた。……あの人本当に教師なのかな?


どうやら俺は女装すると女子に見えるらしくバレることはない。だから安心というわけでもないのだが。


女子制服って案外辛いものだ。足もスースーするし寒いし寒いし。それよりもなぜ胸に丸めたパンツを入れなければならないのかよくわからない。なんでパンツ?しかも女子用って。別に胸ない女子設定でもいいだろうが。


……今思った。俺は今犯罪を犯しているのだと。


女装して女子専用階に入り込み、女子用のパンツを丸めて自分の胸に入れて歩いている。


犯罪者(変態者)だね俺。


なんでこんなことになったんだろう?そうだ。全てはこの藍里とかいう奴と出会ってからだ(まだ1、2時間程度しか経っていないが)。ちょっとこれはさすがにどうかと思う。こんなことを生徒にさせる教師も意味不明だが、それを承諾してやってしまった俺も意味不明だ。断れれるはずなのになぜ俺は断らなかったのだろう?言っておくが、こんなの学園ラブコメでもなんでもない。ただの俺に対する嫌がらせだな。


うん。俺あれだ。イジメられてるんだ。岡先生にイジメられてるんだ。……部屋に着いたら教育委員に訴えよう。


ガサガサしている廊下を通り過ぎ、515号室の前に着く。ここが、これから3年間お世話になるであろう部屋である。


そういえば、部屋のメンバー誰か聞いてなかったな……事情説明しないとダメだなこりゃ。というより、なんで藍里は俺の横にいるのだろう?え?まさかこいつと同じ部屋?え?

とりあえず、トントンとノックしてみる。


中から返事はない。誰もいないのだろうか?ならば、今のうちに中に入り込もう……って言ってる事とやってる事が不法侵入しようとしている人がいう言葉だよ……。


中に入ると、案の定誰もいなかった。続けて藍里も入ってくる。


「……一応聞くが、お前部屋番号は?」


「515号室だよ〜」


ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

ふざけやがってあの岡野郎……!

と同時に、プルプルプルと部屋の電話機が鳴り出す。


1つ1つの部屋には必ず電話機がついている。これは全て、教師達の部屋(生徒達の間では職員室と呼ばれているが、学校の職員室とはまた別である)に繋がっており、緊急時やその他大事なことがある時に使う。


俺は嫌な予感がするが、緊急の連絡かもしれないので、とりあえず受話器を取って耳に当てる。


【もしもし〜?ドラゴン・フューチャー?】


ブチ。

プルプルプルプル。

ガチャ。


【おい教師からの電話を切るなんて、本当に緊急なことだったらどうすんだ、ドラゴン――】


ブチ。

プルプルプルプル。

ガチャ。ブチ。

プルプルプルプル。

プルプルプルプル。

プルプルプルプル。

ガチャ。


「しつけーよ!」


【じゃあちゃんと話を聞くんだな。ドラゴン・フューチャー】


「龍はドラゴンで認めるが、フューチャーは意味がわからんわ!未来・将来がフューチャーだからな!?」


【まぁ細かいことは気にしない♪】


「あんた英語教師だろ!?」


んだよもう!

てか普段♪とか出てきそうじゃない先生から、そんなのが出てくるとかマジでキモイ。……まぁ俺の顔の方がキモいけど。ごめん。


「……っで?何の用ですか?」


【手術いつにする?】


ブチ。

プルプルプルプル。

ガチャ。


【もうそういうのやめようか。もう高校生だし】


「あんたはもう立派な大人だけどな!」


ところで、高校生とかなんとかとかどうでもいい気がする。いや、確かに中学生と高校生では大きく違う。


俺に言わせれば、中学生高校生とだんだんと精神年齢が低くなってきてると思うのは俺だけだろうか?恋愛などお笑いなど、学生には必要のないもの。その結晶体とも言える『学園ラブコメ』等とというものなど、存在してはならない異物。すぐさま排除しなければならない。


「……っで?本当に用はなんですか?」


半分キレながら話題を戻す。


【あぁ、いや、女装はどうだったのかな?と思ってな】


「ザワザワしましたけど、なんとか部屋には入れましたよ」


【女装して不法侵入か……とんだ変態野郎だな】


「あんたがさせたんだろうが……」


この電話が終わったら教育委員に電話しよう。


【……まぁ安心してくれ。お前のことが理解できる生徒をルームメイトにしたからな。なんかあったら私に電話してくれればいい。それと、もう無理に女装しなくていいからな。じゃあな】


ブチ。

……なんだったんだ?

あの教師……絶対にわざとだ。


人は時に言葉をあやまる時がある。その時吐いた言葉が重要だった場合、もしも相手が敵だったらこっちは死ぬことになる。だから、絶対に口走ってはならないことなのだが。


この教師は先程、【お前のことが理解できる生徒をルームメイトにしたからな】と言った。つまり、あえてこのルームメンバーにしたということは俺をハメたということだ。

人間、ストレスを発散する為に人に当たることが多い。周りの人達はなぜか俺に当たる者が多い。ほぼ他人の奴らに俺が何をしたのだろうか?あまりにも理不尽すぎると思う。ストレスは溜まるものである。だからこそ外へと逃がさなければならない。しかし、それを人へとぶつけるのは違うと思う。


ストレスを発散している者は気分がいいだろうが、当てられてる者にとっては気分が良くない。

当てられた者のストレスが溜まり、他の者へと当たる。

当てられた者のストレスが溜まり、他の者へと当たる。

結果、これの繰り返し連鎖が続く。


だから殺人というものは無くならない。これだけが原因ではないのだが、多くはここから来ている。


岡田先生も相当ストレスが溜まっているのであろう。俺を女子部屋にぶち込むなんて。

……ここからまた、あいつらの嫉妬が俺に危害を加えてくる。


だから嫌なんだ。俺だけハーレムになったところで、他の者がいい気分になるわけがない。だからイジメはなくならない。


わかったか善人共。お前らが善人ぶるもんだから、イジメや殺人や自殺というものがなくならないんだ。だから世界はいつまでも経っても真の『平和』なんていうものは訪れない。いや、『平和』なんていうものは訪れてはならない。例えそれが世の中の為になろうとも、個人個人が真の『平和』なんていうものを受け入れない。


では、真の『平和』とは何か?

簡潔に言おう。


〈ストレスが溜まりまくるもの〉


である。

ストレスが溜まっても、それが発散できない。それが真の『平和』というやらだ。

相手にムカつくことを言われても、殴り返すことも暴言を吐くこともできない。嫌いな相手であろうと、喋らなければならないし会わなければならない。仲間はずれにするのもダメだし、全員平等に扱わなければならないし、憎くても憎めない。


平等、という点においては、給料平等、人権平等、家賃平等、などくだらないことまでもが『平等』にしなければならない。


そう。これが真の『平和』だ。どんだけ頑張っても『平等』という一言だけであっけなく終わる。どんだけ努力しようと給料は変わらない。


どうだろうか?俺にはとてもじゃないが、耐えきれはしないだろう。だから俺は『平和』を望まない。


ひねくれている、とでも言って蔑めばいい。

精神科へどうぞ?とでも言って笑うがいい。

俺は事実を言っているまで。(※これらは『津我龍将』君の意見・考えであり、作者には全く関係ありません。作者は健全な男です。)


さて、部屋にも無事着いた事だし脱ぐか。いや、変な意味じゃなくて女装を脱ぐってことね(まだ誤解がありそうだが)。


カツラを取り、服の中に入っていたパンツを取り出したその時。


ガチャリ。


3人女子生徒が入ってきた。


「「「きゃぁぁぁぁぁ!」」」


しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

これは誤解を生む状況だぁぁぁぁぁぁぁぁ!


「いや!これには訳があって――」


「「私のパンツっ!」」

「私のブラァァっ!」


何ブラまで入ってたの!?

俺の手に持っていた大量のパンツ(ブラ入)が残り3枚(パンツのみ)となった。

ていうか……何?このパンツお前らのだったの?お、俺はし、知らないなぁ……。


「……わ、わ、わわ私のパンツゥゥゥっ!」


藍里が俺の手に残ったパンツを奪い取って、女子生徒3人のところへ駆け寄る。そしてこちらに向ける、痛い目線。


「……あの〜皆さん?ちょ、ちょっと誤解をしておりませんか……?」


「何よこの変態!」


「ふざけんなよあん!?」


「は、恥ずかしいです……」


「君そういう趣味だったんだ……それはしらなかったなぁ……」


藍里さん、知らなくていいです。

どうすんだこの状況……。

藍里以外の3人は恐らくルームメイトだろう。


中学校美女ランキング1位だった、黒澤芽結くろさわめい。後ろ1つ結びに、赤い額縁メガネが似合う美少女。とても活発な女の子。


中学校美女ランキング3位だった、宇海七虹うかいなな。髪を個性的なリボンで結び、肩ぐらいまでの長さ、左目に眼帯をつけている美少女。とても大人しくて、男としては守ってあげたい存在な女の子。


中学校美女ランキング4位だった、紺葵こんあおい。髪を結んではおらず、胸の辺りまで伸ばしている金髪美少女。口調がヤンキーぽいが、根は優しい女の子。


これは、中学校の時の美女ランキングだが、未だに崩れることはないだろう。

確かに3人は中が良いとは聞いたが……まさか同じ部屋になるとは。


そんな冷静に解説しとる場合じゃねーだろ!ただ単にハーレムじゃねぇーか!普通は全員頭のおかしい連中だろうが!それが学園ラブコメだろうが!……学園ラブコメなんてどうでもいいんですけどね!学園ラブコメとかいらないんですけどね!でもこれじゃ俺が耐えきれない!この子達のパンツ(ブラ)を服の中に入れていたなんて……!俺にはとてもじゃないができない!ってもうしたけどな!


こんなのありえない……。あのクソ教師め……俺を更生させようと無駄だぜぇ……こんなのじゃ俺の理性は崩れ――


美少女全員の泣きそうな怒っている顔。


――るわぁぁぁぁぁ!こんなの耐え切れるかぁぁぁぁぁ!


とりあえず、


「すいませんっしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


土下座。とにかく土下座!

頭を地面に擦りながら叩きつけながら、とにかく土下座!


「……は、恥ずかしいけど……顔をあげて?……その……私達龍将君のことわかってるから……その……女の子になりたいって……」


ちげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!


違うけどなんか言えない!なんだこの素晴らしい笑顔は!反則だぁぁぁぁ!泣きながら怒りながらの笑顔は反則だぁぁぁぁぁぁぁぁ!

俺のことわかってくれるってそういうことかよぉぉぉぉぉぉ!


あのクソ教師ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!


「ま、まぁそういうことだから、ね?……今回のことはなかったことに、ね?」


「……こいつのためだ……仕方ねぇ……」


なんていい子達なんだぁぁぁぁぁぁ!

これがランキング上位の力かぁぁぁぁぁ!

……藍里は放っておくして。


「すまないみんな!……ありがとうみんな!」


なんか違うけどありがとう女子!

これならここでもいいかもしれない!だっていい子達だもん!


ガチャリ。


「あらみんなお集まりのようね。今から乱交でもするのかしら?」


ですよねぇ〜。


……俺の感動を返せ!


この超絶クール毒舌変態女は、中学校残念ランキング堂々の1位だった、諸戸美野梨もろとみのり。ボブ型の髪型をした美女。美少女なのに性格がだめな女の子。


残念ランキングとは、美女ランキングの裏。つまり、顔はいいんだけど性格がちょっと〜……、な合わせたランキング。

うん。この部屋なんで広いかと思ったら6人メンバーだったのね。


「……美野梨ちゃん……女の子がそんなこと言ったらいけないと思うよ……」


「あら?何かしらヤ○○ン」


規制よろしく。


「女子は男子の6倍エロいって知らないの?」


どこ情報だよ……。


「「「……」」」


ほら3人とも困ってんじゃん。てかさっきまでの雰囲気ぶち壊しだわ!


「美野梨?少しは下ネタやめようと努力したらどうだ?」


「……誰!?」


「津我龍将だ!お前中学校3年間同じクラスだろうが!」


「ごめんなさい。チ○○小さすぎて見えなかったわ」


「影は薄いけど──な!?てめぇーなんつったこの野郎!男なんて大きさで決まらねぇからな!?」


「あら、小さいのね」


「小さくないわ!」


「あなたが、きょ、きょこ――」


「もう黙れぇぇぇぇぇぇぇ!」


おいみんな引いてんじゃねぇか!

嫌な顔してるよ!これから3年間最悪だ!みたいな顔してるよ!


「……ま、まぁ龍将君は……そ、その……言うの恥ずかしいけど……と、取るもんね」


「恥ずかしいなら言わなくていいからね!?」


何この子天使だわ。こんな子の下ネタもう2度と聞けないだろうなぁ。ってそんな場合じゃねぇだろ!これからどうすんだよもう!てかみんなパンツしまってこい!

おい藍里!いつまでも泣いてんだよ!


「……みんな一旦落ち着こう、な?」


とりあえず、支度をしないと。女子だから色々とやらなきゃいけないだろうし。


「えっと……夕食の時間までは自由時間な?いい?」


「「「「「((コクリ」」」」」


全員頷く。別に俺が言わなくてもそうするだろうが、なんとなくこういうのは言ってみたかった。


部屋は、1人1部屋ありリビングがある。テレビとエアコン付きの超高級寮だ。どこからそんな金は、と入学金やらなんやらでいろいろと儲かってるので問題は無いそう。


俺は予め用意されていた部屋に入る。ここは、中学生から高校生へと上がるときに荷物をまとめておけば次の部屋に運んでくれるシステムになっている。まぁ運んでくれるだけであって、元の部屋と同じ位置に置いてくれたりとかはしてくれないのだけど。

俺は部屋に入って、ダンボールを開けていろいろと準備をしだした。


……なんだよこの急展開は……。もうありえない。学園ラブコメなんて俺は認めんぞ。そんなの必要ない!


……あ……教育委員に電話しよ。

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