第11話妊娠
彼の核心部分に触れたその日に、熱い夜を過ごした。避妊せず生で挿入。危険日だった。
このころから、生理が遅れている。二週間立っても来ないので、私は、不安になり、市販の妊娠検査薬を買って試した。結果は陽性反応。。。妊娠してしまったのだ。
生むべきか、堕ろすべきか。悩んだ。だが、今の現実、私は、子供を育てられるほど余裕はない。夢だってあるし、仕事もある。まして、彼に責任を取らすことはできなかった。
次の休みの日に私は、婦人科へ行き検査を受けた。妊娠3週目。私は、堕ろすことを決意し、中絶の準備をした。
彼には言ってない。堕ろすには、相手の同意書が必要だったが、友達の名前を借りて堕ろす手続きをした。
彼に言ってしまえば心配をかけてしまうし、負担になる。彼を苦しめたくなかった。
私は、中絶費用を友人に借りて、当日、一人で、病院に向かった。
私のお腹の中には、小さな命が、宿っている。それを私の事情で、殺してしまうのだ。すごく、胸が張り裂けそうになった。苦しかった。不倫に対して、我が子に対して、罪悪感がだけが残った。
病院に向かう途中、小さな子を連れて歩く若いお母さん。もうすぐ生まれる妊婦さんを支える優しそうな旦那さん。。あたしには、できない光景。女で生まれ女の幸せを求めてはいけない現実。辛かった。羨ましかった。その人たちとすれ違う度に、やるせなかった。とても悲しい思いで、自然と涙が出てくる。堪えきれず下を向いて歩いた。
誰かに相談することもできず、私は、その日病院で、我が子となるべき胎児を処分した。
帰り道、どうやって家に変えってきたかは記憶にない。頭の中が真っ白になって、ずっとお腹に宿した子供のことを考えていた。
次の日、手術後で、お腹が歩けないほど痛みがあったが、痛み止めを飲み、それでも、仕事をやっていた。会社のみんなには、バレないように何もなかった顔をして、ニコニコしてるのが、精一杯だった。正直、営業どこではなかった。
その夜、彼から、ラインが来た。
「お疲れ様ぁ。今から会えない?」
私は、返さなかった。というより、もう、彼には、会えないと思った。彼に何も言わず、彼との子を勝手に堕ろしたのだから。どんな顔して、合えばいい?会えるわけがない。。。
私は、最低だ。自分のしたことで、自分の首を占め、彼も傷つけている。
本当は会って、すべてを話し、彼の胸で泣きたかった。溢れてくる、涙は、いつまでたっても、止まらい。助けて欲しかったがその日は泣きつかれて、いつの間にか眠ってしまった。
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