彼女の自宅はほとんど最凶の迷路

作者 北口踏切

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★★★ Excellent!!!

矢岳田高校二年・煮凝大作戦(本名)は、ある日曜日、美貌のクラスメイト膝栗毛沙織(本名)の自宅を訪ねる。連絡もつかないまま沙織が学校を休んで、すでに一週間が経過していた。当初はとりつくしまもなく門前払いを受けた煮凝だったが、偶然にも野良犬が屋敷の塀の隙間から侵入していくのを目撃し、自らも膝栗毛邸の中へと迷い込んでいく。しかし、その先に待っていたのは、スケール感のおかしいクソデカラビリンスの冒険だった!

謎めいた無人の屋敷!
襲い来る未知の怪物たち! 
どこまでも続く暗がりの廊下!
屋敷内を走り抜ける全自動列車!
和室の押し入れから地下へと続く階段!

同じく膝栗毛邸に迷い込んだ幼馴染みにしてクラスメイトの鶯谷めぐみ、いじめられっ子の中学生・麻崎未弥、風来のサバイバル老人・寿司山喜三郎、屋敷の治安を守るセキュリティ美女集団とその団長幼女ボローニャ(語尾が「〜〜ツル」)……などなど、個性的なメンツとの出会いを経て、果たして主人公は無事に沙織のもとへとたどり着き、屋敷から脱出することができるのか!?

本作品の見どころは、何と言ってもありそうであまり見かけることのない、現代ダンジョンものとホラーとの融合です。クラスメイトの自宅を訪ねるという日常的なシチュエーションに、「ダンジョン」と「ホラー」という要素が加わることで、他に類のない奇想の物語が立ち現れているのです。無限に続く迷路を攻略していくさまはゲーム的でありながら、あくまでクラスメイトのお見舞いに来ているだけだという主人公のスタンスが崩されないことで、ジャンル越境的な面白さが生まれています。ホラーアクションが好きな方にはもちろんのこと、少し趣向の変わったダンジョンものを求める向きにも楽しめることでしょう。

オススメです!

★★★ Excellent!!!

クラスメイトの女子の自宅は、尋常でなく巨大な御屋敷で、家の中には奇妙な電車が走り、まるで迷路のようだった――まさにタイトル通り、レトリックでも幻想譚でもなく、「単なる事実」の記述である。
起こる出来事や描写、登場人物たちのひとつひとつは現実的なのに、それらが繋がるとカオスな物語となる。
読み始めたら最後、常識が通用しない展開に振り回され、予測のつかない結末を探し求めることになる。まさにタイトル通り、最凶の迷路だ。
今もまだ、その中にいる。