第27話 文章に書き起こす。

 執筆。清書。なんとでも言えますが、結局これが小説の全てです。

 頭の中にあるシーンを、かっこいい言葉使いでどんどん書いていきます。がーっと書ける日もあるし、全く筆の乗らない日もあります。でも、あらすじとプロットとシーンは決まっています。だから、あとは機械的に書き下すだけです。


 オリジナルの描写を紡ぎ、オリジナルの台詞を組み、オリジナルの戦闘を描き、オリジナルの大団円を書きましょう。時には、言葉遣いや漢字を間違えることもあります。でも、そんなことは些細なことです。分からない単語があれば辞書を引きましょう。効果的な表現を見つけるためにGoogleで検索しましょう。物語は動き出し、ひとりでに紡がれ、いまやもう伝説となるのです。


 言の葉がこぼれ落ちることがあります。自分の筆力を呪いたくなることもあります。もっと上手く書きたいと願うことがあります。もう一度書き直したくなる時もあります。でも、手を止めずに、できるだけ早く書き上げてしまってください。もうその小説は、ひとつの生物です。産み落とし、へその緒を切り、公開しましょう。

 その点、予約投稿は便利な機能です。ぜひとも連日更新して、ビギナー作家として、せいいっぱい露出しましょう。


 もちろん推敲は必要です。何度も何度も読み直す作業は必要ですが、幸いなことに、WEB小説はあとから表現を見直すことさえできます。実際、私もたまに、句読点がおかしいとか、漢字が間違っているとか、表現がそぐわないとか、そういう些細な理由で再編集ボタンに手をかけることがあります。でもそれは話の本筋とは無関係で、やむをえないことです。


 これは私の信条ですが、書き上げたものは公開しなくてはなりません。いつまでも手元に置いておいても、腐ってしまうだけです。新鮮なうちに公開し、しかるべき処遇を受ける必要があります。あなたの文章はおかしいといわれるかもしれません。人称が狂っている、読むに耐えない、ギャグが滑っている、内容がスカスカ、描写が圧倒的に足りない、この人たちはどこに居るのか、いまは何時何分何秒なのか、設定が矛盾している。様々な酷評を受けるでしょう。


 それを貪欲に喰らう必要があります。指摘はいちいちごもっとも。次の作品に生かします。そういう姿勢で批判を受け入れる必要があります。せっかく作品を完結させたのに、この段階で心が折れてしまう方もいます。そうならないように、図太い精神で生きましょう。「なに、この次はうまくやるさ」とうそぶき、新しいアイデアを書き貯めましょう。


 他の誰もが何も言わなくても、あなたは小説家になったのです。おめでとう!!

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