第22話 キャラクター設定。

 舞台が大雑把に決まったので、次にキャラクターを作ります。


 http://trpggasuki.com/trpg/name.php (※注意 作者のサイトではないです)


 このへんを参考にして名前を適当に決めます。サイコロ(六面ダイス)くらいは持っていますね? え? 無い? いますぐ買って来なさい。ダイスを振ったら、あとは実在の人物じゃないことを確認しましょう。歴史上の人物の名前から取ることもできますが、あまりお勧めしません。パクリ扱いされかねないのと、そもそもどう考えても存在しないヘンテコリンな苗字と名前の組み合わせだったりするからです。


 種族として、人間以外も許容するのであれば、それも決めます。仮に、森に住むエルフと鉱山に住むドワーフが人知れず存在しているということにしましょう。

 次に重要になるのは所属と性別、外見、年齢です。

 

 傭兵ヴォルフガング、男性、外見は黒髪の褐色人種、年齢は十六歳、など適当に決めていきます。このへんでキャラクター作成のセンスが出てくるので、自分なりのお気に入りの設定をいくつか作りましょう。たとえば祖父がドワーフで、黒髪は強く波打っている。森のエルフとは犬猿の仲だが、ハーフエルフには同情的。情にもろく、お金の計算が下手で、いつも割を食っている。しかし意外と器用で、道具の修繕での副収入がある。過去に人間の女性に恋をしたが、自分の血の由来を言えずに後悔している、などです。


 貴族フラーウム、女性、外見は金髪の白色人種で身長が低い、年齢は十二歳だが十四と偽っている。貴族として没落し、実家への仕送りのために汚れ仕事に手を出す。四年の剣術指南を受け、剣が非常に上手い。自分にはエルフの血が流れていると固く信じているが、そんな事実は無く、純粋なエルフやドワーフには穢れた血にあこがれる馬鹿として軽蔑されている。自分が凡人だと思われることに我慢ならない。まだ一度も恋をしたことがなく、主人公との出会いを運命と感じている、などなど。


 鉱夫ゴーシュ、男性、外見は黒髪の黄色人種、年齢は十八歳。マグタイトの採掘、精錬を行う。反体制組織ラッダイトに所属していて、今ではその若き指導者という立場を得ている。十五歳の時、先の戦争を終結させたナターシャ王女に自分の子供(現国王)を産ませたとの噂があり、アーランド王国から指名手配されている。両親は王族の命じたラッダイト狩りで死亡しており、白髪親方のアルフレッドが親代わり。

 なお、ゴーシュは拙作の短編「魔鉱石(マグタイト)クロニクル」の設定の流用です。


 元魔法使いアーサー、男性、外見は青髪の白色人種で背が高い、年齢は二十歳。オールエーという特権階級に属していたが、高熱により魔力の一切を失い、院から追放される。マグタイト駆動の物品に深い知識があり、中古品を買い取ってヴォルフガングに修理を依頼して、のちにそれを売るなど、金策に長ける。剣の腕も確かなものがある。しかし魔力を失ったことにまだ慣れておらず、時にそれが失敗に繋がる。エフトという相棒の女盗賊、ハザードという金髪のライバルがいる。時が経つにつれて、徐々に元来の魔力を取り戻していく。


 女盗賊エフト、女性、外見は茶髪の黄色人種で背が低い、年齢は十四歳。ナイフの扱いに長ける。孤児。失意のアーサーをペテンにかけるも、あまりにも素直に騙されたアーサーに呆れ、種明かしをし、仲間に引き入れる。自らの名を落第者Fに由来すると思い込んでいたが、エフトとはイモリのことだとアーサーに教えられ、自信をつける。他の登場人物から色々物を盗もうと試みるが、伝説の剣だけは「重すぎて」奪えなかった。実はけっこうな貯蓄があるが、本人は他人に与えるくらいなら死んだほうがマシだと思っている。


 商人ドプレクス、女性、外見は黒髪の黒色人種で長髪が縮れている、年齢は二十四歳(この世界ではけっこう年寄りで、肌が黒いのも珍しい)。主人公に助けられた商隊の持ち主で、自治区に倉を十個も建てている。いつも数個の美しいネックレスを身に着けている。自らの黒い肌を美しいと思っているし、周囲からもそう思われている。基本的に誠実でいい人だが、金が絡むことには厳しい。しかし「タダより高いものは無い」が座右の銘で、無償の奉仕というものは信じていない。納税の義務もきちんと果たしており、アーランド王国の商人代表としての発言権がある。


 現代人関口せきぐちコータ、男性、外見は黒髪の黄色人種で少し髪の毛が長い、年齢は十六歳。中学生時代から剣道部に所属する高校一年生で、小説も読む。精霊によってこの世界に召喚され、伝説の剣をなにげなく引き抜いてしまう。その後、フラーウムの紹介によってヴォルフガングと出会い、食事をおごってもらいながら剣技を磨く。剣の他には、チートも与えてもらえず、魔法も使えず、テンプレ通りでないシリアスな異世界、アーランド王国に不満を持ちつつも、なんとか傭兵として生きていく。ファイアドレイク討伐に参加し、これを打ち倒したことで、勇者の称号を得る。


 こういう設定はぶっちゃけ、カクヨムでランキングに入るという目標からすると、どうでもいいものです。J・R・R・トールキンの『指輪物語』の設定を流用して、エルフはエルフ、ドワーフはドワーフ、ホビットはホビット、人間は人間、という風にしたほうがよほど簡単かもしれません。


 しかし、設定の細部を作りこんでいくと、ときたまそこに神が宿ることがあります。

 作者としては、そういう点を大切にしたいものです。

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