第13話 描写、形容、比喩、表現、言い回し。
以下、『デジタル大辞泉』『goo国語辞書』より引用
描写……物の形や状態、心に感じたことなどを、言葉・絵画・音楽などによって写しあらわすこと。「情景を―する」「心理―」
形容……物事の姿・性質・ありさまなどを言い表すこと。また、他のものにたとえて表現すること。「言葉では―できない美しさ」
比喩……ある物事を、類似または関係する他の物事を借りて表現すること。たとえ。
表現……心理的、感情的、精神的などの内面的なものを、外面的、感性的形象として客観化すること。また、その客観的形象としての、表情・身振り・言語・記号・造形物など。「情感を―する」「全身で―する」
言い回し……うまく言い表す。巧みに表現する。慣用句。
引用終わり
「それで私に何の用だ、卑しく薄汚い、異教徒の雌豚どもめ」黒衣の大司教サヴァンが言った。
作者の手によって突如 薙高に召喚された大司教サヴァンは、拙作「中世ヨーロッパは大変です!」に登場するオールバックの生粋のキリスト教徒である。中世ヨーロッパ、フランク王国の大司教というだけあって、ちょっと、いやだいぶ、かなりキリスト教に毒されている。
「うわーそういう形容、言い回しはどんびきですよ」黒髪長髪のA子が言った。
「日本人はちゃんとクリスマス祝いますからー」茶髪ショートカットのB子が言った。
「ふむ……年に一度くらいは我々の真似事をするというわけか。三百六十五分の一に薄められたワインを酒だと言い張るのに似ているな」サヴァンが吐き捨てた。
「あ、今の比喩ですよね」A子が言った。「比喩だ比喩ー」B子がはやしたてる。
「やかましい雌豚ども。ここがフランク王国なら串刺しにして焼いてやってもいいんだぞ。そのしたたる肉汁をもう一度かけて風味をつけてやる」
「焼肉文化なら日本だって負けてないですよ!」A子はふふんと勝ち誇る。
「現代では、肉汁を閉じ込めるのがおいしさの秘訣と言われてるんですよ!」B子がそれに追撃を重ねる。
その減らず口に、サヴァンは閉口したようだった。
「あー、呼ばれたついでにお前ら現代人に聞いておくが、キリスト教はちゃんと1300年先まで残っているんだろうな」
「もちろんです」A子が言った。「ヨーロッパでキリスト教徒じゃないのはもぐりですよー」B子が言った。
「そうか。私の聖書編纂事業は、国を挙げての布教活動は無駄ではなかったのだな……」
「なんですか、まるでもう天国に行ったような優しい目をして……」A子はサヴァンの活動を知らない。
「まだお若いんですから、人生これからですよ、これから!」B子もサヴァンの活躍を知らない。
「
「なんだったんでしょうか……」「キリスト教が残ってたのが嬉しいんじゃないの?」そう言って、A子とB子は、とりあえず、描写と形容、比喩と表現、言い回しの検討会を始めた。
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