痕抱~こんだく~
それは見えなくて分らない
けれども確かに 引き金となった
それは何気ない 一言だったかもしれない
普段の風景の一部分 だったかもしれない
忘れたいから 押し込めた記憶と
忘れたくないから 仕舞ってしまった記憶
きっとそれは同じ事だとは あの時は気が付かなかった
傷は膿みつつも 時間が助けとなり痕となり
忘れたい気持ちと 忘れたくない気持ちは
胸の奥に鍵をかけ 羽根のような真綿のような
柔らかく優しいもので その痕を覆い隠す
いつの日かこういう日が来ることに 怯えながらも
過去と現在が混ざり合って 分らなくなるような錯覚を憶えていても
忘れたくても忘れられなかった
過去と現在の混濁
傷痕を抱き続けた代償
それでも『自分』は後悔はしていない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます