第五話:亡き夜の魔物
「大丈夫か? 岸上さん」
突如襲った埒外の恐怖から逃れ、岸上響子は半ば恐慌しつつ家路を辿った。
助け起こした筈の豊にいつの間にか先導されているという現状にも、今の彼女はさした違和感を感じる余裕は無い。
薄闇で襲われた事と、その脅威が余りにも唐突かつ一瞬の出来事だったのが幸いしてか、響子は"雑竜"の姿を直接は見ていないようだった。この恐慌は、奴の放つ存在感、人に害なすものの悪意に当てられただけのものに過ぎない。
「う、うん……」
「よし。……丁度家に着いたね。もう一人で大丈夫だろう?」
「私は大丈夫だけど……豊は?」
「問題無いよ」
そう言うと豊は笑い、響子に背を向ける。
その背には、先ほど襲い来た恐ろしい何かの残した爪痕が有る。
「それじゃあね、岸上さん。怪我は無いようだけど、もしかしたら念のため一度病院に行った方がいいかも」
「……何処に、行くの?」
「俺は帰るだけだよ、自分の居場所にね」
奇妙な言い回し。違和感を感じるものの、その正体を読み取る事は出来ない。そこには、隠し事がすぐに顔に出る、普段の彼の気弱そうな笑みは無かった。
ただ、何者にも己の本質を読み取らせまいという、閉心という名の精神の断絶が、温度の無い鋼のような質感を伴ってそこに在るかのように感じられるのみだ。
「それじゃあ、また明日。岸上さん」
もう一度そう言って、豊は歩き出す。響子はその背にかける言葉を思いつかずに口ごもる。見透かしたように豊は振り返り、表情の読めない仮面のような表情で、彼女に笑いかける。
「今日の事は忘れた方がいい。きっと、悪い夢だから」
その顔は、響子の知る豊の印象からはひどく遠く、まるで別人のように思えてならないのだった。
***
鉄槌じみて振り下ろされた彼女の踵が、吠え声を上げんとする"雑竜"の脳天を打ち、漏れ出る凶気を封殺する。
「ーーーーーーーーーーーー」
声は上げない。隠密性が肝要だ。
日常の領分を侵す非日常の存在が知れれば、一時のパニックが起こるのは避けられない。恐慌が始まるだろう。恐怖は伝染する、そうなれば手に負えない。人目につかない所へ、場所を移さねば。
それによって生ずる戦略的不利を加味した上で、彼女は、そう判断する。
「GRRR…………!」
逃げるように、敢えて振り切らない程度の速度を保って、詠璃紗は更に遠くへ、闇の深い方へと獲物を誘い込む。
左目が疼く。殺戮への予感に、渇いた欲望を潤す予感に、その奥に在るものがぞろりと這う感覚。詠璃紗は吐き気を押し殺し、更に奥へ、路地の影へ。
「……醜いな」
呟く言葉の意味を、この場において唯一彼女の言葉を聞くこの怪異は理解し得ない。
意味を理解する者が存在しない言葉はただの音だ、獣の吠え声や窓を揺らす隙間風となんら変わらない。
深海に身を投げるように、彼女は闇を目指す。そこにしか己の居場所は無い。浮かんだ自嘲は、それを超える殺意の凶笑に掻き消された。
……やがて、彼女が足を止める。少し開けた場所に出た。誰かが通る事などついぞ無さそうな、街の死角。凡ゆる目の届かぬ、打ち捨てられた人間社会の間隙。
己にとってなんと相応しい場所か。彼女の自嘲は、湧き出る狂気に阻害され、正常な機能を為さない。
「AAAAAAAAAAARGHッ!」
瞬間、爆裂するような咆哮を上げて、"雑竜"が牙を剥いて詠璃紗に飛びかかる。
交錯は刹那。飛び来るその牙が詠璃紗の纏うボロボロの外套の裾に触れるよりも早く、異形に変じた左腕が"雑竜"を叩き潰し、無惨な肉塊に変える。
「ふ、ははは……」
滑稽だ。その爪牙の弱いばかりに、貴様らは塵のように死ぬのだーー
詠璃紗の総身を、芯からの震えが襲う。それは恐怖や不快感の類いとは寧ろ反対の、命を奪う事の快感。詠璃紗の意思に反して理性を蝕む、埒外の衝動だった。
己の内に在るものの悍ましき胎動に吐き気を催しながら、詠璃紗は開けた空間に集まって来た"雑竜"どもを見渡し、その狂おしい眼光でそれらを牽制する。
そこに在る者、全てが異形。肉体を滲み出た人外の殺意が、圧縮と膨張を際限なく繰り返しながら世界を軋ませる。
失われし幻想の神秘。世界に承認されざる理不尽そのものが張り詰め、人知れぬ空間に刹那の清寂が訪れる。
「来い、屑肉ども」
彼女が呟くのと同時、均衡を食い破るように、牙を剥く怪異が彼女に襲いかかる。
「AAAAAAAAAAARGHッ!」
襲い来るそれを皮一枚で見切り、躱す。すれ違い様、異形の術理によって変性したその犬頭を尾骶部から生えさせた尾で打ち据える。
衝撃につんのめり、"雑竜"は地面に顔から突っ込み、衝撃に二、三度跳ねて、それ以上動く事は無かった。
「は、はは」
再び、今度は数匹で囲むような"雑竜"の襲撃。群れをなして襲いかかる野犬そのものの、本能による剥き出しの殺意が奔る。
「はは、はははは……」
が、所詮は紛い物。なんらかの能力によって後付けで異形と化した動物に過ぎない。その行動を読むのも、読んだ上で殺すのも、彼女にとっては造作もないことだった。
つまらない。詠璃紗の顔に、獰猛な笑みが浮かぶ
「ふ、はは、はははは……」
詠璃紗がこの場所を選んだ理由ーー即ち人目に付く事によって生ずるリスクと、場所を移す事によって却って敵に容赦の無い攻撃と増援を許すリスクの取捨選択。
しかしこれらの要因は、実のところ拮抗している。
等量の重しを乗せた天秤を傾かせたのは、矜持や信念ではなくーーただ血に渇き殺戮に飢える、逃れ得ぬ彼女自身の
「はははっーーーーその程度か!」
詠璃紗が、異形に変じた左腕を振るう。驚異的なまでの膂力によって生じた衝撃の余波は、その一撃によって四散し肉塊と成り果てた獲物の血肉を伴って飛散する。
「AAAAAAAAAAARGHッ!」
「黙れ。潰れて死ね、屑が」
咆哮。圧壊。四散。断末魔……
繰り返すのは死の連鎖、彼女が望み果てた復讐の業。
暗い喜悦が彼女を髄から溶かし、その理性を損なわせていく。
歓喜の内に、詠璃紗は吐き気を催す己自身を見出す。殺戮を愉しむ自分自身への嫌悪。しかし彼女の人間性は、吹き荒ぶ暴力を前に、正に風前の灯火であった。
「は、はは、ははははは!」
抑えきれぬ歓喜の哄笑。
"雑竜"が人間に近しい思考を持たず、その感情を理解し得ぬ以上、彼女の口から漏れ出た音は、飢えた野獣の上げる咆哮とさしたる差は無い。
尾骶部から伸びる左腕と同色の黒い鱗に覆われた尾がしなり、叩き潰す。
毒では無く獲物を絞め殺す事に特化した大蛇さながらに全体が筋肉の塊である彼女の尾が生み出す破壊力は、鞭の速度で叩きつけられる大樹の幹に等しい。
彼女が爪を閃かす度、尾を打ち振る度、弾けた血肉がその身を濡らす度ーー彼女の中で、何かが膨れ上がっていく。
(ああ……)
満たされない。こんな紛い物の臭い肉では。
殺した"雑竜"どもの肉は、飛散した端から灰になって消え去る。存在を許されぬ異形の存在は、死してその遺骸を残さない。それでは足りぬ。
ーー殺したいのはこれじゃない。その肉の弾ける感触を堪能したいのは、もっと柔らかく、甘美なーー
「は、はは、はははは!」
詠璃紗の思考が、次第に殺意によって簡略化されていく。殺すという意志が、肉体を支配する。
狭窄した視界の端にちらと、何かが映る。狂おしく憎らしく愛おしいその気配を察して、詠璃紗は振り返り、殆ど反射行動じみて左腕の爪を振り上げる
彼女が異形である以上、竜人で在る以上、決して無視できぬ至上の攻撃目標ーー
(人間ーーーーっ!)
振り返り、振り下ろす。
それを受ける獲物もまた、迷い無く手にしたその刃を突き出しーー
「……よう、竜人」
「……来たのか、竜滅士」
その頭蓋を砕く寸前、互いの爪と刃を首筋に触れるか否かの場所で静止させ、二人はーー竜人 銀柩 詠璃紗と竜滅士 柳洞 豊は、互いを認識した。
「……あのまま帰れば良かったろうに」
「そうも行かない。仕事だからな」
***
状況は依然変わらず。現在彼らは計13体の"雑竜"に囲い込まれていた。
「……折角の好意を無駄にするのが、
「竜人とそれに類するものを無慈悲に殲滅するのが流儀だ。例外無く、な」
互いの首筋に刃と爪とを突きつけ合いながら、眉一つ動かさず、互いに言葉を交換する
「例外無くか。ではここに居るのは一体何だ?」
「勘違いするな、貴様が生きているのは単に順番の問題だ。そうしようと思えば、お前を助けずに殺すのは簡単だった事を忘れるな」
「こんな得体の知れぬ者にまで恩を売るとは、竜滅士というのは余程人道的らしいな」
「抜かせ」
互いに突き付けた刃を逸らさぬまま、言葉を投げる。会話とは、発した言葉の意味を相互に理解する事によって成立する。会話が成り立つ。それによって、詠璃紗は見失いかけた人間性の灯火を朧に捉え直す。
「AAAAAAAAAAARGHッ!」
互いに刃を突きつけ合う二人の間に、均衡を打ち破るように"雑竜"が食いかかる。
中型犬サイズ。雑種。首輪有り。元は飼い犬か。
豊はすれ違う一瞬でそう判じ、ただ殺すという不変の結論を断じる。
右手の【
「2、4……6体ずつでどうだ」
「……私が殺る。お前は撃ち漏らしの処理でもしろ」
互いに決して己の本質を悟らせまいという精神の断絶を突きつけていながら、しかし特段言葉を交わす事も無く、そこには連携が成り立つ。
それは、互いの信頼故にでは無く、純粋に『殺す』という一点に極まった両者の『竜を滅ぼす者』としての共感に依る。
本来互いに不倶戴天の敵である二人は、竜を滅ぼすという、その一点において極めて近しい存在であった。
「ーーーーーーーーッ」
詠璃紗が、攻撃の機を窺う"雑竜"を急襲する。
一つ所に密集していた怪異は瞬時に散開し、群れを成す猟犬さながらに、彼女を囲い込む。どろりとした怪異の殺気が全身に纏わりつく。朧に揺らぐ人間性の灯火が再び意識の外へ遠ざかっていく。
弱敵。詠璃紗の表情に、再び獰猛な笑みが浮かぶ。
「……見るがいい、理不尽とはこういうものだ」
呟く。
聞くもの、意味を解すものの無い言葉は、ただの音だ。それは、死を告げる音だった。
「AAAAAAAAAAARGHッ!」
咆哮と同時に突撃する"雑竜"。彼女は、もはや飽いていた。こんなものを殺すのは、退屈な単純作業に他ならない、と。
「は、ははははは!」
哄笑。無様な獲物を嘲笑う声。乾いた風が吹き抜けるような、無意味で無価値な、ただの音。
もはや完全なる闇に覆われた路地の陰、人間社会の間隙たるその場は、彼女の舞台、彼女という理不尽が吹き荒れ、全てを鏖殺する為の場であった。
「竜と、その名を騙るのならば」
ズン、と重い地響き。
彼女が腕を振るう、暴風の吹き抜ける音に似た轟音。追って、肉を潰す鈍い炸裂音。振り抜いた爪が、コンクリートの地面を抉る音。
断末魔は無い。一つ、声が潰える。
「この程度で死ぬな、立ち上がれ。埒外の爪と牙を以って、その
地響き。
轟音。炸裂音。地面を抉る音。
断末魔は無い。また一つ、声が潰える。
軋むような彼女の哄笑が響く。
「は、はは、はははは、ははははは!」
地響き。
轟音。炸裂音。地面を抉る音。
断末魔は無い。声が潰える。
「ははは! 潰れろ、砕けろ、バラバラに弾け飛んで死ね!」
また、地響き。轟音。炸裂音。地面を抉る音。断末魔は無い。声が潰える。
静寂に近づいて行く。
声を上げる全てを殺して、以って平穏とする。それは理不尽な清掃作業だった。
(……あれが、仮にも"人"と名のつくものの業なのか?)
闇の中で繰り広げられる惨状。飛散した端から灰となって舞う怪異の骸の最中に在る彼女は、まるで吹雪に立つ獰猛な狼。咆哮を哄笑に変えて、ただ理不尽に死を振りまく存在ーー
柳洞 豊は竜滅士である。竜人を狩り、殺すことを至上の目的とする狩人である。
その彼が今、彼女に抱く感情は、ただ純然たる力に対する恐怖だ。
豊の背を、冷たい汗が這った。
「ーーーーーーーーっ」
豊もまた、詠璃紗が処理しきれぬ"雑竜"へ刃を突きつける。
両手には短剣。滅竜器【斬尽】は、本来二刀一対の対竜兵装である。右の刃が目を裂き、怯んだ顎を蹴り上げ、露わになった
その最中、幾度も致命的な威力を孕んだ爪牙が豊の体を掠める。竜人という埒外の存在が行使する神秘を受けて変性した"雑竜"は、ただの人間に過ぎない豊にとっては、それに対する為の力を持っていたとしても、依然無上の脅威、恐るべき理不尽に他ならない。
だが。
「……笑っているのか」
ーーだが、異形の彼女は人ではない
どうしようもなく、その存在は人間とは乖離してしまっていた。
恐れると同時に、自分では直視したくない感情として、豊は彼女の存在に魅せられてもいた。より強い力に対する憧憬。より高性能な殺戮機械に対する嫉妬、恐怖が織り合わさった、複雑な感情だった。
「AAAAAAAAAAARGHッ!」
背後から牙を剥く雑竜が豊に食いかかる。身を捩って回避するが、肩口を掠められ、学生服ごと肉を喰い千切られる。
豊は歯嚙みして、振り返って怯む獲物を喰い殺さんとする、醜悪な幻想の怪異と対峙する。
「だぁっーーーー!」
気合いにも憤怒の叫びにも似た声が、豊の口を迸る。
豊の右手の刃は、胴までも避けた"雑竜"の口の内側から上顎を貫通し、脳幹を破壊する。
「ーーーーは、はは!」
豊が1匹殺す内に、詠璃紗2匹、3匹と敵を仕留めていく。
性能の差、力の差、決して及ばぬ種族の差。
豊はしかし、目撃する
「…………泣いているのか」
泣いていた。薄青い虹彩の右目から涙を流す事なく。
豊の目には、獣のごとく笑うその姿の後ろに、泣きじゃくる童の姿が、確かに見えていた。
例えその身から人間性が消え失せ、暴力に渇く異形の哄笑を上げながらも、彼女のその目は、あと一歩の水際で、人間性の灯りを手放しては居なかった。
彼女の理性は、常に薄氷の上に有るのだと、豊は不意に理解した。竜人としての本能が求める殺人衝動を、己の復讐心に依る殺竜衝動に置換し、人を殺さず同族を殺し続ける者として生き続けている。
精神に巣食う殺人衝動と、己の理性による殺竜衝動。戦闘を重ねる内にこれらは混線し、ただ彼女は地を求め殺戮を愉しむ暴力装置と化すのだ。
弱い女だな、と豊は思った。
「終わりだっーーーー!」
最後の一頭を叩き伏せ、四散させる。
弾け飛んだ怪異の骸が灰となって風に舞う。雪の中に立つような彼女の姿影は朧に揺れていた。泣いているように、嗤っているように。その二つは彼女の中で混線しきって、もはや彼女自身にも分かち難いものなのだろう。
「……終わった、ぞ」
「ああ」
「……雑魚だった。なんの事もない、ただの……」
「ああ」
「……私……は…………」
そこで、詠璃紗の言葉は途絶えた。意識を失い、糸の切れたようにその場へ倒れこむ。戦う間、彼女は理性を蝕む衝動とも戦い続けているのだ、精神の磨耗は想像に難くない。連日の負傷と疲労も有る。袖口からは、粗雑に巻かれた包帯が解けているのが見える。
豊は、彼女を抱え込むようにして抱きとめた。
その手には、竜人を殺すための武器が握られている。
「……お前を殺すのは造作も無い」
柳洞 豊は竜滅士である。
竜人とそれに類するものを無慈悲に殲滅するのが、
今目の前には殺すべきものが意識を手放してそこに居る。手には竜人を殺すための武器が有る。
お誂え向きだ。先の"雑竜"共の大殺戮の情景が過る。あれは危険だ、と本能が囁きかける。
「…………」
続けて、母の仇を討つのだと語った事。自分の寝不足を心配した事。自分を助けに現れ、岸上 響子の命を救った事。昨夜から今にかけて、彼女が動き、語った事が連続して脳裏を過る。
「…………単に、順番の問題だ」
聞く者の無い言葉は、ただの音だ。そこに含まれた意味や感情は、類推するに値しない。
豊は武器を収め、彼女を抱え直した。
学生服のまま人一人抱えて家に帰るのは、色々と骨が折れる。
学生服の替えも用意しなければならない。気分も重く、豊は溜め息を漏らした。
***
夜。
人間社会の間隙とでも言うべき、街の死角。路地裏のとある開けた土地。
そこで繰り広げられた殺戮の痕跡は、もはや無い。ここで死んだものは、この世に存在を許されざるものであるが故に、その骸を残さない。
それを為した者もまた、既にその場を去って久しい。一時の熱狂にも似た死闘の余韻は高まった夜気によって洗い流され、急速に、事もなく日常の世界に戻って行った。
だが、ここにその余韻を味わう者が居る。
歌うようにその場を闊歩する彼は、学生服の少年だった。
「素晴らしい」
漏れ出た声は楽しげに、鼻唄交じりに。
通常の人間は、竜人やそれに類するものの存在を忌避し、受け入れず、知覚しない。
ならばこの場でそれを理解し、楽しむ彼は、逆説的に通常の人間では無いという事になる。
「なんて力、なんて無慈悲。彼女はどうやら、半分程も"人"では無い」
この場で埒外の戦闘を繰り広げた者たちを除いてそれを知る者ーー
つまり彼こそがこの戦闘の仕掛け人、獣を怪異へと変じさせ、使役する"雑竜"達の
「ふふふ、もっと本気を見せてくれ、もっと無慈悲に……僕に"死"を見せてくれ……!」
少年はーー"竜人"赤城 誠二はーー日常に潜む恐るべき怪異は、形無き夜を掴むように虚空へと手を伸ばし、引きつった声で嗤った。
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