第15話 心の仮面編(2)

「タカオカさん! あなたにまかせた私がバカだったわ。あんたさ、何を指示してもまともに出来てないんだけど、やる気ないんでしょ? それとも、ただ単に頭悪いだけなの? 他の人に迷惑ばっかりかけて、何しに会社に来てるの?」



シバタは人を小馬鹿こばかにした言い方をした。すると、アヤは立ち上がり、目に涙を溜め、シバタを睨みつけた。



「何? 文句でもあるの? まともに仕事も出来ないのにナメたことしてんじゃねぇぞ!!」



シバタは、部屋中に響き渡る声でアヤを怒鳴りつけた。



「……申し訳、ございません」



アヤは流れ出しそうな涙を必死に抑え、頭を下げた。



「どうかしたのか!?」



アオキが会議を終え、オフィスに戻って来た。



「アオキ部長、タカオカさんの事なんですが、彼女のせいで仕事に支障が出て迷惑しております。後でお話しがあるのですが?」



「おい!!」



ジュンペイの怒りが爆発した。シバタに対して怒鳴り声をあげると、席を立ち、二人のいる方へと向かった。



「やめろ、サクラギ! 会社だぞ! 上司に喧嘩吹っ掛けたらまずいぞ」



ヤナセは必死にジュンペイを制止しようと試みる。しかし、ジュンペイはヤナセを振り払うと、そのまま前へと進みシバタの向かいに立った。



「やめてサクラギ君! ミスした私が悪いの。仕事中だよ!」



アヤはとっさに、このままでは自分のせいでジュンペイが大変なことになると感じとり、必死にやめさせようとした。



「シバタさん、自分がみっともないことしているって気が付かないんですか。タカオカさんは、ミスなくしっかりと仕事してるじゃないですか。あなた、嫉妬しっとしているんですよね。それで、嫌がらせしているんですよね」



「サクラギ君、私はあなたの上司よ。そんな口のききかたして、ただでは済まないわよ」



「……」



ジュンペイは、この後更に捨て台詞を吐き、(もう、クビでも左遷させんにでもどうにでもなっちまえ)と思ったが、ふと、ユキの笑顔が脳裏のうりをよぎり、思いとどまった。



「おっと、失礼しま~す」



ヤナセは、前のめりになり右手で手刀を切る姿勢で、ジュンペイとシバタの間に入った。アオキは、少し離れたところから険しい顔でジュンペイたちを見ている。



「サクラギ、上司に向かってそんな口のきき方はないんじゃないか」



ヤナセは淡々たんたんと言った。



「皆さん! お騒がせして申し訳ございません!」



ヤナセは頭を下げ、謝罪した。



「シバタさん、サクラギが失礼なこと言って申し訳ありませんでした」



シバタからの返答はない。



「アオキ部長、少しの間、よろしいでしょうか?」



ヤナセはそう言うと、アオキの立つ場所へと移動した。



「一応、話は聞くけど。私はこういったことがゆるせないということは、ヤナセ君には前に話したよな」



「はい、アオキ部長は、組織そしきの上下関係をなによりも重要視していらっしゃいます」



「それだったら、分かるな?」



「サクラギの処分を考えていらっしゃるんですね」



「彼は、上司であるシバタさんを罵倒ばとうした。それはすなわち、会社の秩序ちつじょを乱すということ。組織を壊す行為を行ったということだ。違うかな?」



アオキが言うと、オフィスの中は静まり返った。というよりは凍り付いたようである。



「ちょっと待って下さい。率直に言わせて頂きます。サクラギの処分は不当だと思います!」



















































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