第5話 新婚生活編(1)
二人が公園を後にしたあの日から、まもなく一年が経とうとしていた。ジュンペイは、ユキの明るい
「
ジュンペイは、ネガティブな姿勢で寝室から起きてくると、居間にあるダイニングテーブルの椅子へと腰掛けた。そして、ユキが朝食を運んでくるまでの間、コーヒーを飲みつつ、スポーツ新聞に目を通す。
「……今年も『マウンテンズ』の優勝は厳しいかな。四番の『アンダーソン』がしっかりしないからダメなんだよ。バットを短く持ちすぎなんだよな……」
なにやらジュンペイは、
「……えっ?」
出来上がった料理の入ったお皿を持ち、こちらへ向かってくるユキの姿を見て、ジュンペイは強い違和感を感じた。
「えっ、アメリカ? えっ……くっ、『
ジョンペイは近づいてくる違和感を見て、思わず
「ジョンちゃん、どうしたのいきなり? 舞台の
ユキは不思議そうにジュンペイを見て、手に持った、料理の入ったお皿をダイニングテーブルの上に置いた。ジュンペイはメニューの中の一品、『目玉焼き』を凝視している。
「残りは今持ってくるね」
ユキはそう言うと、その場を離れようとした。
「ちょっと待て、この『目玉焼き』何があったんだ?」
「何があったって……何が?」
二人の『目玉焼き』に対する価値観が一致しない。
「いや、この『目玉焼き』の黄身に刺さってるのって、アメリカの
「この旗のこと? だって、なんか
「……なるほど! そういうことね」
ジュンペイは、ユキの言っていることが、なんとなく理解出来た。彼女が残りのメニューを持ってくると、二人は朝食を取った。
「
ジュンペイは、『目玉焼き』の件でユキが気分を害してしまったのではないかと心配になり、何か気のきいたことを言わなければとネタを探した。だが、何も思い浮かべることが出来ず、焦った彼は、ちょうどミルクを飲み終えた後に、何も考えずに口走った。
「ありがとう。って言っても、コップに|注そそ》いだだけだよ」
「それは違うぞ! たくさんある
ジュンペイは必死にごまかした。
その後、食事を終えると、ジュンペイは
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