貴方は…。


そんな時貴方が現れた。

真夏の暑い日差しが輝ってる時に

貴方は前の学校の制服を着ていた。

そんな貴方は、満面の笑みで私達の教室にやって来た。

貴方がクラスに馴染むのは時間の問題だった。

転校してきたはずの貴方が、クラスの中心的存在になった時。私とは全然違う種類だと思ったの。

それなのに…


「あのさ…」

そう言って話しかけてきた。


「は…い?」


「なんで、みんなが笑ってる時に笑わないの?」


「え…」


「いや、無理なんか笑わないでいんだけどさ…そんなに俺つまらない?」


「い…やそんなんじゃ…」


「俺が来てから1度も笑った所見てないから。もしかして俺のこと嫌い?」


「え…と…」


「やめなよ!桐谷くん…この子桐谷くんのせいなんかじゃないよ。幼稚園の時から1回も笑った所見てないし。本当に気味が悪い。」


『気味が悪い。』


気味が悪い…その言葉が頭の中でループする。


「あ…ごめんなさい」


「なんで、謝んだよ。」


「え。」


「俺…そもそもアンタの事何も知らないし」


「あ…そうだよね。」


「だから、名前。名前教えて。」


「え…」


「だーから、名前。名前知らなきゃこれから呼べねーじゃん?!」


「あ…坂木…です」


「下。」


「え。」


「下の名前は?」


「え!りこ…です。」


「いー名前じゃん!よろしくな!りこ!」


キラキラな笑顔で私の名前を呼んだ貴方を

私はハッキリと覚えてるよ。

私より何倍も綺麗な笑顔が…私を見つけてくれた。

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私が笑う意味 @1167r

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