私が笑う意味
麗
笑顔なんて
笑顔なんて…。
『あんたが笑うと気味が悪いのよ』
母親が離婚をする直後幼いながらに母親を元気づけようとした私に放った言葉。
もともと仲が良くない両親達が離婚するなんて時間の問題だとうすうす気づいていた。
けれど、私がくち出す事じゃないと思っていたからそっと…
「お母さん…頑張ろうね!」
これから女1つで私を育てるであろう母親に頑張って行こうねとそっと笑顔を向けた私に向けて言った言葉である。
親に言われただけで合ったのか私は自分が笑う顔を絶対に人には見せない。
私は笑顔なんて嫌いだ。
笑わない私をみんなが気味悪がるのは
自然な事で私は自然とクラスから浮いていた。
みんな大きな声で笑ったり
ニコニコしたりしてるけど。
私の気味が悪い笑みとは違うのだろう。
あの『あんたが笑うと気味が悪いのよ』と言われてもう13年経っているのに…未だに笑う事が怖くて気味が悪い私は未だに私にすみついている。
家に帰ればもう13年間もお酒に溺れてる母親がリビングで寝ている。13年間の中でちゃんと母親と話したのは数回と言えるほど少ない。
もちろんお酒に溺れている母親とまともに話せる訳もなく…。口を開けば『あんたさえお腹にいなかったら私は違う人と一緒だったのよ』『本当に今も昔本当に気味が悪い』
母は私がいる事で自分の幸せを逃してる。
だから、少しでも母の気持ちを乱さないように
私達は自然と会話をする事は無くなっていった。
母と私。親と子。だけど、どこか他とは違うから
他と私。分かってもらおうとは思わない。
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