第2話穴に落ちたら竜と出逢ったとのこと
空は青く澄み渡り、遠くには水平線が確認できる。
ここは『異世界』…広大な大地を確認しながら僕こと『九条
「あばばばばばばば……あばば□○$$×△」
落ち着け〜!落ち着くんだ…こういう時は深呼吸をすればいい…『すう〜〜〜〜』…げふ!?駄目だ!強制的に空気が肺に入り込んでくる。
しかし、どうしてこんな状況に……?
確かバイトの面接で『神様』に出会って…?異世界行きが決定して足元に穴が開いて…………
……うん!間違いなく『
どうせなら地面に送ってほしかったけど、悔やんでもしょうがないか……それに、どうにかして現状を打破したいけどどうにもできないしね〜。
(さて…本当にどうしたもんかな…?)
確か、TVで4000m上空からパラシュートを開くまでの時間が40秒って言ってたっけ?既に軽く30秒は経過しているけど、落下した時の高度は旅客機から見たのと同じか、それより高い感じがしたから後1〜2分は大丈夫だろう。
けど、手も足も出ない状況だから素直に諦めるけどね!まあ、『死亡コース』確定だけど、僕のせいじゃないから例の罰則は無いと信じたいんだけど……
僕が思考を停止しようとした時に頭の中から声が聞こえた。
「…………ちゅう………………………テスト中。」
(んっ!?ついに幻聴まで聞こえたか…?あ〜…こんな事になるならもっと綺麗なお姉さんとあんな事や、こんな事をすればよかったな〜!)
「あ〜!a〜!テスッ!テスッ!本日は晴天なり。本日は晴天なり。只今、マイクの試験中!…イイタカヤマノボレ……聞こえていますか〜?司くん?返事どうぞ〜?」
(おお!正に神の助け!!!!)
「聞こえてるよ!聞こえてるから…早く助けて!!ドラ○も〜ん!!!」
「うん!それだけ冗談言えるなら大丈夫だよね?座標固定せずに転送したら空中に放り出されてたみたいだけど、『海中』に放り込んだ方が良かったかしら?」
「ごめんなさい!調子に乗りました…けど、本気で助けて欲しいのは事実なんです。」
器用に空中土下座をしつつ、謝罪の言葉を述べる。
「う〜ん…助けたい気持ちはあるんだけど、結論から言うとほぼ可能性は無いわね〜。」
「そこを何とか!!神様!!それにこの状況は、そっちの落ち度でもあるんだよね??」
「生意気な事を言うわね? 確かにこっちも悪いと思うけど、私が直接『力』を行使したら最悪、この世界が壊れちゃうよ?」
「もう少し、穏便に何とかなりませんかね…?」
「じゃあ、気休めかもだけど、これを送るわ。」
そう言った瞬間、僕の右手が光り小さな指輪がはめられていた。
「これは…?」
「この指輪は『身代りの指輪』ってアイテムね。装備としている者の致死量となるダメージを1回だけ防いでくれるのよ。けど、『毒』や『衰弱』なんかは死ぬ瞬間のダメージしか肩代わりしてくれないから意味無いけど、今回は『衝撃』のみだと思うから大丈夫だと思うよ………多分?」
うん…理屈は解ったけど、疑問系は止めてくれないかな…?せっかく希望が見えたのに再度、心が折れそうになるじゃん。
「そうそう!後は『メニュー』の中に転送する前に話してた装備やら入れておいたから付けといたら?メニューも装備も心の中で念じたら自動で出来るし、何も付けないより良いかもよ?焼け石に水かもしれないけどね。」
「うん…的確な指摘をありがとう……」
確かに、装備付けたって役に立つとは思えないけどね〜…『速度×重さ=破壊力』って某漫画でもあったし。
今の速度がどのくらいかは解らないけど、恐らく衝突したときの時の破壊力はダンプに突っ込まれたよりも大きってことぐらいは理解してる…
「じゃあ、要件もすんだから一旦、この回線は切るけど例の報告宜しくね〜!それと、さぼったら『罰則』だから気をつけて〜!バイバーイ!!」
「ちょ?待って!!待ってくださ〜い!!」
ガチャ…!!!ツー!ツー!ツー!
うわ〜…本当に切られた…まさかの『紙風船』より軽い対応……
いいもん…!泣かないもん…!絶対に生き残ってやるんだから!!
「(さて、馬鹿な事をするんじゃなくて、少しでも生き残る可能性を上げるかな……)」
僕は心の中で『メニュー』を表示するように念じる。
[メニュー]
① ステータス
名 前:クジョウ ツカサ
種 族:人族
職 業:異星人
Lv : 1
体 力:1200
魔 力: 600
物 攻: 340
物 防: 280
魔 攻: 310
魔 防: 230
敏 捷: 460
SP 残: 0
スキル:全状態異常耐性、身体能力向上、魔法適性、超回復、限界突破、ハーレム、女難、不幸体質
称 号:転生者、神に祝福される者、落下する者
② 装 備
黒鉄の剣、黒鉄の胸当て、手甲、足甲
③ 持ち物
オリハルコンインゴット×10、ミスリルインゴット×10、
金インゴット×20、銀インゴット×20、銅インゴット×20、水晶×20、黒曜鉄インゴット×50、鉄イン
ゴット×50
④ 通 貨
白金貨×10、金貨×100、銀貨×1000、銅貨×10000
「(ふむふむ…!さっぱり解らん!!)」
スキルとかは字を見て何と無く理解できたけど、ステータスと装備に至っては比較対象が無い!それに詳しく調べてる時間もないしね……
幸い、通貨はそこそこあるようだから、生き延びたら何とか生活には困らないんだろう……生き延びれたらの話だけど………
さて…装備も出来てるみたいだし、後は腹を括るかな……
「(ん〜…やっぱり痛いんだろうな〜…嫌だな〜………あれ!?落下地点に何かいる??)」
人じゃなさそうだけど、距離からして絶対に違う…動いているから生き物だとは思うけど…??
あ〜!!距離近づいてきて解った!
あれだ!尻尾と羽根と角があって、火を吹くやつ…よく日本のTVや漫画に登場する『最強生物』の代名詞になってるやつ!!
やっぱり、間近で見る『
ちなみに、激突まで残り1秒程である…………
「えっ……!?『
ずごごごーーーーーーーーーん!!!!!
「グオオオオオオオオーーーーーン!!!!」
当然ながら、僕は『
『神様への報告メモ:1日目』
この世界に来て、いきなり『竜』と激突しました…案外、神様と再開するのは早いかもしれません。
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