第5話 ティアと買い物

 洗い物が終わり俺は今、縁側で日向ぼっこをしてくつろいでいる。家事をすることなんて現世ではほとんど無かったので、ただの皿洗いでも結構疲れた。それにしても本当にいい天気だな。昨日もそうだったけど天界の天気って変わらないのかな。気温も寒過ぎず暖か過ぎずちょうどいい。日本の春の陽気といった感じだ。


「レイさん。一緒にお買い物に行きませんか?」


 居間からティアが顔を出す。清楚な大人のお嬢様風の服装に着替えていた。お出かけモードといった感じだ。


「ああ、いいね。こんな日は何処かに出かけたくなる。・・・現世で引きこもりだった俺が言うのもなんだけど」

「うふふ、レイさんやわたくしたちが使う生活用品を色々と買わないといけませんし、レイさんのお洋服もそれ1着ではご不便ではないかと思いますので」

「あ、そうだね。俺はみんなみたいに天使の力で自由に着替えたり出来ないからね」

「では、早速行きましょうか」


 のどかなそして爽やかな田舎道をティアと並んで歩く。

 だけどなぜか少し恥ずかしくなってきて次第にティアとの距離を離していく。


「どうかされましたか?レイさん」

「いやそのなんていうか・・・ずっと一人ぼっちだったからさ。誰かの隣を歩くの、慣れてないんだ。ははは・・・」

「うふふ、レイさんて可愛いですね。では、早く慣れてしまいましょうか」


 そう言うとティアは俺の側に来ると、腕を絡めてきた。


「なな、何を!?」

「うふふ、早く慣れてくださいね。女の子が側にいること」

「い、いやでもいきなりこれはちょっと」


 腕だけではなくティアの大きくて柔らかいおっぱいも俺に当たっているんですが!

 わざと当てているのかティアは余裕の表情で俺を見つめてくる。こやつやりおるわ。


「ティ、ティアは慣れているんだね。男に」

「そんなことありませんわ。天界では基本的に天使同士での異性交遊は禁止されているんです。そもそのこのには女の天使しかおらず、男性の天使は別の場所にいらっしゃいますのでわたくしをはじめ、ここのほとんどの天使は一度たりともお会いしたことはございません。天国の天使学校も男女で分かれていますし、それに人間には性別に関わらず今回の課題のような特別な場合を除いて必要以上の接触は禁じられていますから、わたくしが男性に触れたりこんなにおしゃべりしたのはレイさんが初めてですよ。ですからわたくしは男性に慣れているのではなく、恐れ知らず、なのかもしれませんね」

「ははは、そうなのかもね」

「でも男性の方はみんな狼さんなんですよね。うふふ、レイさんもそうなんでしょうか」

「それはどうかな・・・ははは・・・」


 自分の男としての情けなさに悲しくなる。


「あっ、見えてきましたよ、レイさん。あそこに見えるのが人間生活特区です」


 そこは堅牢な石造りの壁に囲まれた大きな街だった。中には沢山の建物が並び小高い丘のようになっているところには少し小さいが城のようなものも見える。さながらファンタジーRPGに登場するような街だ。その街の上空では軽装鎧を着た天使たちが数人、飛んでいるのが見える。ミリアが言っていたなんとか警備隊ってやつかな。

 近づくにつれて人通りが少しずつ増えてくる。この人たちもみんな俺と同じように良くも悪くもない人間なのだろうか。人々の表情はどの人もいきいきとしていた。いや、死んでいるんだけど。

 近づいてわかったが街の周りは堀になっていてそこには川が流れていた。水はとても澄んでいて眩しく太陽の光を反射させている。あれ?天界には海が無かったんじゃなかったっけ。それならこの水はどこに流れているんだろう。

 街の入り口はその川に架かる桟橋の先にあった。桟橋のたもとには上空を飛んでいる天使と同じ鎧を着た天使が立っていた。


「あらティア!久しぶりね。元気してた?もうここでの課題はクリアしたんでしょ?今日は特区に何か用事?」

「ええ、今日はこのレイさんにここでのあれこれを教えて差し上げようと思いまして」

「へえ、この人間のお守りが新しい課題?」

「いえ、そういう訳ではないのですが・・・」

「まあなんでもいいや。ティアなら安心だからどうぞ通っていって、今日中には帰るんでしょ」

「はい、ありがとうございます。ではレイさん行きましょう」

「あ、うん。失礼します」


 警備天使の許可を得て俺とティアは桟橋を渡る。桟橋はしっかりとしたつくりでまったく揺れることはなかった。


「ねえ、ティア。この街は警備が結構厳重だけど何か危険にさらされていたりするの?」

「いえ。このような警備は形式的なものでほとんど意味はありません。ただ天使が何もしないというのはあれですし一応人間たちを管理しているという名目上、警備をしているというのが実状ですね。今は地獄との関係も大変良好ですし、危険といえる程の危険はありませんよ」

「そうなんだ。それとティアなら安心って言うのは?」

「この特区では人間の自主性を尊重しているので天使が入るのは特別な場合を除いてあまり推奨されていないんです。そして先程も申しました通り、天使と人間が必要以上に干渉し合うのは禁じられています。わたくしも学校の課題でここに来るまでは一度も来たことはありませんでしたし、それが終わった後も今日までは来ませんでした。レイさん。今後はたまにこの街へのお使いを頼んでもよろしいでしょうか」

「ああ、その程度のことなら任せてよ」

「ありがとうございます」


 天使も天使で色々と事情があるんだな。

 桟橋を渡りきるとそこには大きな門が構えていてその両脇にも鎧姿の天使がいた。門をくぐるとまず見えてきたのは大きな純白の女天使像だ。祈りを捧げるようなポーズをとっていて神聖なオーラを放っていた。ティアが大天使様をかたどった像だと解説する。道はその大天使像を境目に二手に分かれていて俺とティアは左に進み街の中央方向へ向かった。街の中央は大きな広場になっていて沢山の出店が並んでいた。どの店の店主も大きな声で客の呼び込みをしていてとても活気があった。広場というよりも市場といった感じだ。さらにティアが解説する。


「この特区はこので使命を無事クリアされた人々が住むことを許されているんです。本当は使命をクリアすれば天国へ行くことも出来るのですが、ここの人たちは中間を気に入って永住することに決めた人たちなんですよ。ここは中間で唯一人間が自分の意志で自由に生活することが出来るんです。ですからみなさん商売をしたり色々と好きなことをされています」


 そうか、だからみんな表情が明るいのか。自由に暮らせるっていいな。


「ところでティア。さっきこの街での課題が云々って言っていたけど、ここにはよく来てたの?」

「はい。わたくしは以前この街で人間の商売の仕方について学ばせていただいていたのです。まずはわたくしがお世話になっていたお店に向かいましょう」


 広場を通り抜けレトロな喫茶店やアンティークショップが立ち並ぶ、少し落ち着いた雰囲気を持つ通りへと入る。


「わたくしこの通りの雰囲気が大好きなんです。時間がゆっくりと流れているような感じがして」

「そうだね。俺も好きになりそうだよ」


 ティアはうふふと笑うとまたしても腕を絡めてきた。しかも今度は手を恋人繋ぎにして。


「男の人とのデートってこんな感じなのでしょうか」

「そそそ、そうなのかな。よく分かんないけど・・・」


 そんな風にしてお互い初めてのデート気分に浸りつつ通りを歩く。なんだか恥ずかしくてくすぐったいような感覚だ。まさか自分が死後の世界で天使とデートすることになるとは夢にも思わなかった。

 しばらく歩くとティアは、とある店の前で足を止めた。その店は古着や手作りのアクセサリーなどを売っているみたいだった。ティアによく似合っている店だな。


「ここが前にわたくしがお世話になっていたお店です。とても可愛くてでもそれでいて落ち着きのある良いお店だと思いませんか?」

「そうだね。なんだかティアみたいだ」

「えっ、そ、そうでしょうか」


 ティアの顔が少し赤くなる。うわ、ティアの照れた顔、凄く可愛い。俺もつられて少し照れくさくなる。


「あれっ!ティアちゃんかい?まあ久しぶりだねぇ、いらっしゃい、どうぞお入り」

「あっ、おばあちゃん!お久しぶりです!お元気でしたか?」

「ああ、まだまだ若い者には負けないよ。それに私ゃとっくに死んでるんだから死にゃしないね。はははははは。あら、ティアちゃん。そちらの殿方は?」

「この方はレイさん。今はこの方と暮らしているんです」

「どうも、初めまして。レイです」

「まあまあ、ティアちゃんのお婿さんなのね」

「いえっ、そういう訳では」

「うふふ、今日はレイさんのお洋服を買いに来たんです」

「ああそれなら良いのが色々あるよ。こっちにおいで」


 店の奥に入ると小さいがメンズファッションのコーナーがあった。店の雰囲気通り落ち着いた色の少し地味な服が多かったが、元引きこもりの俺にはそっちの方がいい。


「レイさん。どれにします?」

「そうだな。俺、ファッションには全然興味なくてさ。ぶっちゃけ着れればなんでもいいんだよね」

「では、わたくしが選んで差し上げますね。ええと、これなんていかがでしょう」

「水色の毛糸の手編みのセーターだね。ちょっと派手かも」

「実はこれ。わたくしが編んだものなんです。まだ売れ残っていたみたいですね」

「えっ、そうなんだ」

「はい。天界にしかいない特別な動物の毛で編んだセーターでここの暖かな気候でも暑さを感じることが無く、また着心地もとっても良くて凄く軽いんですよ。おすすめです」

「じゃあ、それにするよ」

「ありがとうございます!」


 ティアが編んだセーターと他に数着を選び会計に向かう。


「あ、そういえば俺、お金持ってないんだけど」

「それは大丈夫です。天使だけが使える魔法のカードがありますので」


 そういうとティアはおばあさんに何やら白い羽が描かれた魔法のカードとやらを渡した。


「それが魔法のカード?」

「はい。課題に関連する費用は全てこの天使専用クレジットカードで経費として落ちますので、心配いりませんよ」


 意外としっかりしているんだな・・・天使。


「では、おばあちゃん。また来ますね」

「おや、もう行っちゃうのかい。また来てちょうだいね。旦那さんも」

「はい。旦那では無いですが」

「うふふ」


 ティアと二人で店を出る。


「次はどこに行くの?」

「そうですね。基本的な生活用品は大体既にお家に置かれていたんですが、お掃除道具が無かったのでそれを買いに。後、食材は定期的にお家に届くようになっていますがここでしか買えない美味しいものがあるのでそれを調達しに行こうと思っています」

「よし、それじゃあ行こうか」

「あ、レイさん。そのお洋服しまっておきますよ」

「え?どこに?」

「ここにです」


 ティアはそう言うと指をパチンと鳴らした。すると目の前の空間に歪みがしょうじて光の渦が現れた。


「これは?」

「これはそうですね、便利なポケットといったものでしょうか。色々と仕舞えて取り出しも自由自在なんですよ。天使はみんな持っているんです」


 へえ、ド〇〇もんの道具みたいだ。便利だな。


「ここに投げ込めばいいのかな」

「はい。ぽいっとしちゃってください」


 ぽいっ。

 あっという間に荷物は光の中に飲み込まれティアがもう一度指を鳴らすと光の渦は消滅した。

 その後、別の店で掃除用具をいくつか買い(これは魔法のような道具ではなく普通の掃除機や箒だった)俺とティアはまた中央広場まで戻ってきた。


「ここで食材を調達するの?」

「はい。こちらです」


 ティアは野菜を売っている屋台の前で足を止めた。沢山の種類の野菜が屋台にこれでもかと山盛りになっている。現世の野菜と同じ・・・いや。同じようで違う!ぐるぐるとらせん状に曲がっている長ネギにゼリーのようにぷるぷるなニンジン、こっちには「鉄のようにかたい鋼鉄ジャガイモ」と書いてある札がある。その下には真っ黒いジャガイモが積まれていた。・・・何なんだ、これは?


「この野菜が美味しい食材?ていうかこれ野菜?」

「はい。野菜は天使も栽培していますが、なぜか人間の方たちがつくる野菜の方がとても美味しいのです。現世で農家をされていた方がこちらに来て独自に改良されたそうですよ。天使たちがつくっているものは現世の人間たちの農業をまねただけですので。あ、今朝のエリーゼさんがつくってくれたお味噌汁に入っていたニンジンとほうれん草が天使がつくった野菜です。あれはあれで美味しいんですけどね。わたくしがこの街に通っていた頃はこの人間の方たちが栽培したものをよく買って帰っていました」


 俺はその現世をまねた天使の野菜の方がいいな・・・。

 ティアは6人で食べる数日分の量の野菜を次々と便に投げ込んでいった。支払いはもちろん魔法のカードで。


「今日はこんなところでしょうか。レイさん、付き合ってくれてありがとうございました」

「いや、こっちこそ服まで買ってもらっちゃって。それに楽しかったよ、ありがとう。ティア」

「うふふ、わたくしもレイさんとのデート、とても楽しかったです。あっ、レイさん。もう一つだけ寄り道してもよろしいでしょうか」

「うん。いいよ」

「では、少しだけここでお待ちください」


 ティアは何を見つけたのか広場の端の方へ小走りに駆けていった。戻ってくるとその手には見覚えのあるものが握られていた。


「あれ、それって」

「はい!あんず飴です!わたくしこれが大好きなんですよ、うふふ」


 そう言ってティアはあんず飴をぺろっと舐めた。目を輝かせてあんず飴に夢中になる姿はまるで幼い少女のようでとても可愛かった。普段は落ち着いている大人のお姉さんだけどこんな一面もあるんだな。


「じゃあ、行こうか」


 ティアに手を差し出す。ティアは嬉しそうに微笑むと俺の手を取った。

 ・・・はっ!さっきまでちょくちょく手を繋いでいたから無意識に手を差し出してしまった。手を繋いだ後に気付いたが俺に似合わないことをしてしまったと少し恥ずかしくなる。そして手を繋いだまま広場を出ようとした時に事件は起こった。


「きゃああああああ!!」


 突然、広場の何処かから女の人の大きな悲鳴が上がった。


「な、何だ!?」

「どうかしたのか!?」


 広場にいる商人や客の人たちがざわつく。


「ご、強盗だーーー!!」


 見ると一人の背の高い細身の男が大きなカバンを抱えてこちらに走ってくる。


「何事だ!!」


 俺たちを挟んで反対側からは街の入り口の門の前にいた軽装鎧の天使が駆けつけて来た。広場の上空からも天使が下りてくる。強盗は足を止め天使たちとにらめ合う。お、俺たちはどうすれば・・・。俺の手をティアがぎゅっと力を込めて握った。ティアの顔を見ると恐怖の色が浮かんでいるのが分かった。次の瞬間、強盗はティアの腕を掴み自分の方に無理やり引き寄せた。俺とティアの手は離れ、あんず飴が地面に落ちてひび割れる。そして強盗はティアの首筋にナイフを突きつけた。


「い、いやあぁぁぁ!!」

「ティア!!」

「うるせぇ!このアマ、おとなしくしねぇとぶっ殺すぞ!!さあ、道を開けろ!」


 強盗が喚き散らし辺りの緊張感は一段と増す。ティアは涙目になり恐怖で足ががくがくと震えていた。ふと、ティアの頭上を見るとメーターが出現していた。

 げっ!あのメーターは!!や、やばい。ティアもやばいけど、俺もやばい!それに、今の状況であの鬼に来られるともう何が何だか分からなくなる!今メーターの数値は悲しみが70で、ストレスが80を示している。どちらも100溜まるまであまり余裕が無い。ここはひとまずティアを落ち着かせよう。


「ティア!!だ、大丈夫だから!とりあえず落ち着いて!!」


 ティアは怯えて泣きそうになりながら首を小さく横に振った。そりゃそうか、この状況じゃあ無理だよな。メーターの数値は少しずつ上がり続ける。ど、どうすりゃいいんだ!人質を取られていて天使たちも手を出せそうにない。何か考えろ、俺!何か良いアイデアは・・・そうだ!さっきのジャガイモ!


「ティア!!ジャガイモだ!!」

「ぐ、ぐすっ・・・?ジャガイモが・・・何、ですか・・・?」


 俺はジェスチャーで必死にティアに作戦を伝える。理解してくれ、ティア!

 ティアはしばらく俺の動きを見ているとハッとして、小さくうなずいた。やった!分かってくれたみたいだ。そしてティアがパチンと指を鳴らすと強盗の頭上に光の渦が発生しそこから一つの真っ黒い鋼鉄ジャガイモが落下した。鋼鉄ジャガイモは見事に強盗の頭にヒットして、強盗はぐぎゃっと変な声を出して地面に倒れた。


「ティア!大丈夫だった?怪我はない?」


 俺はティアに駆け寄る。ティアはポカンと地面に突っ伏した強盗を見ていたが、俺に気付くと安心したのかまた涙目になり俺に抱き着いてきた。


「ティ、ティア?」

「こ、怖かったです。凄く怖かったです。う、うわーーーん!!」


 ティアの涙腺が崩壊した。


「そうだね、怖かったよね。でもティアが無事で本当に良かった」


 ティアは子供のように泣きじゃくる。俺はティアの頭を優しくなでる。ああ、これでハッピーエン・・・


 ぴんぽ~~~ん


 そう、ハッピンポ~ン・・・てっ!!


「うう、ぐすっ。レイさん、すみません。悲しみメーターは涙に反応してしまうので」

「い、いや。いいんだよ、安心して泣いちゃったんだもんね」


 そこに赤鬼と青鬼登場。


「おい~、今日3回目だぞ。おしおきする方も疲れちゃうぜ~」

「あはは・・・すいません」

「お!じゃあおしおきはこれで」


 赤鬼は地面に転がっていた先程の鋼鉄ジャガイモをひょいと拾うと、それをメジャーリーガー並みの剛速球で俺に向かってぶん投げた。


「ひっ!!!」


 もちろん俺は避ける暇も無く、ジャガイモは俺の顔にめり込んだ。



 太陽が一番高いところから少しずつ下りてきている。もう昼を過ぎたんだな。街を出て俺とティアは家への帰路を歩いている。俺の手を握るティアはなぜかご機嫌だった。


「レイさん!先程のレイさん、凄くかっこよかったです!わたくし惚れ惚れしてしまいました!うふふ」

「あはは・・・そうかな。俺は何もしてない気がするけど」

「いえっ!急なアクシデントに見舞われてもあの気丈な振る舞い、あの的確なアドバイス!わたくしが無事なのは全てレイさんのおかげです!ありがとうございます!」

「うん、ティアに何もなくて本当によかったよ。ところであの世に来てまでも犯罪を犯す人がいるんだね」

「そうですね。でも犯罪を犯す人間は本当にごくわずかですよ。昨年の天界での人間の犯罪件数はたったの2件でしたので、今日のわたくしたちはたまたま運が悪く巻き込まれてしまいましたが・・・」

「天界で犯罪を犯した人間はどうなるの?」

「まずは天使たちによって公正に裁かれます。その後ほとんどの場合地獄へ送られていくことになりますね。あ、そんなことよりレイさん。もうお昼も過ぎましたし、お腹空きませんか?先程のお礼にお昼ご飯をおつくりしますね」

「おお、それは楽しみだな」


 こうして俺とティアは無事に家に到着し、初めてのデートは終わりを迎えたのだった。

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