第3話 自己紹介
「それでは改めましてそれぞれの自己紹介をしたいと思います」
俺と5人の女の子は円を囲むように座りエリーゼが指揮を執り自己紹介が始まった。ちなみに全員にちゃんと服を着てもらった。
「はい!ではまず私から!名前はエリーゼ!立派な大天使様のようになるために日々勉強中の天使です!
天使エリーゼ。金髪ツインテールの女の子。やはり少しハーフっぽい顔。いや天使っぽいというべきか。身体は細身で貧乳。はきはきと喋っていつも元気いっぱいといった感じだ。いつの間にか服を着替えていて魔法少女から今は真っ白なワンピースを着ている。まさに天使だ。すごく可愛い。
「次はあたしか。エリーゼの自己紹介をテンプレにして。名前はクロエ。職業は天使。天使力は人間感知。特技と趣味はとくになし。以上」
天使クロエ。髪色は赤。髪型は腰まで伸びるストレートだがあまり整えている様子はなくぼさついている。身長は5人の中で一番高くモデル体型。声は低いほうでさばさばした喋り方。そして髪色のせいか派手目な印象でなんか近寄りがたい。でも、この子もすごく可愛い。服装は下半身まで隠れる程でかいTシャツ一枚。先程、服を着てくれとお願いした時に少し文句を言いながらも渋々着てくれた。鬼が来なくて良かった、本当に。
「あの、ちょっといいですか」
「何。人間」
「人間感知とはどういった能力なんですか?」
「んー、そうね。人間に分かりやすくいうと、あれ。サーモグラフィーってやつ?あれみたいに暗闇とかでも人間が何処にいるのか一目で分かるの。日常生活では全く役に立たないけど、将来偉くなって人間を管理する立場になった時には存分に使うつもり」
つまり俺はクロエからは逃げられないってことか・・・
「あはは・・・」
エリーゼが俺の隣で苦笑いする。
「あ、次は私ですね。名前はユキといいます。あまり勉強は得意ではないですし自信もありませんが将来は沢山活躍できる天使になれたらいいなと思っています。天使力は・・・すみません、まだ目覚めていなくて、何も使えません・・・。あ、それから特技は本を読むのがみんなより速いってよく言われるので、それかな。趣味はお人形さんと遊ぶことです。一番のお気に入りはこの子でホタテっていいます。ほら、ホタテ。ご挨拶して」
そう言ってクリーム色のテディベアをこちらに向けお辞儀をさせる女の子、天使ユキ。和名のような名前の通り見た目は完全に日本人の美少女。髪型は肩まで伸びる黒髪ストレート。身長は5人の中で一番低く、服装も子供っぽいので現世でいうと小学校高学年ぐらいに見える。弱気でおとなしそうな感じ。先程この子の裸も見てしまったので、何というか、俺は少し罪悪感を感じている。
「ああ、よろしくねユキちゃん。それからホタテも」
ユキがにっこりと笑う。ああ、可愛いな~。
「んじゃ次はミリアだね!名前はミリア。天使やってま~す。天使力は永続飛行!みんなは少ししか飛べないけど、ミリアは何時間でもず~っと飛ぶことが出来るんだよ!すごいでしょ!この天使力を更に磨いて将来は天界警備監視隊に入るのが夢なんだ!特技は誰とでもすぐ仲良くなれること。君とも早く仲良しになりたいな!趣味は~、お昼寝かな。えへへ、ふわふわ飛びながら寝るとすごく気持ちいいんだよ~」
天使ミリア。これまたかなり可愛い美少女。髪型はショートボブで髪色は緑。エリーゼよりも元気はつらつといった感じ。そして巨乳。なぜか体操着にブルマを着ている。なぜ?
「あの、ミリア。ちょっといいかな」
「なぁに?」
「その服は一体?」
「ああ!えへへ、嬉しいでしょ」
「え?」
「日本っていう国の男の人はみんなこの格好が好きなんでしょ?これを着ていれば君ともっと早く仲良くなれるかなって思って」
激しい勘違いだ。いや、まあ、嬉しくない訳じゃないけど、いや、嬉しいんだけど、そうじゃないような。
「では、最後はわたくしですね。名前はティアと申します。皆さんと同じく天使です。天使力は、ふふ、まだ内緒にしておきますね。特技はお裁縫や編み物。お洋服をつくって人間の方たち相手に商売もしているんですよ。趣味はのんびりすることでしょうか。ふふ」
穏やかな笑みを浮かべる天使ティア。とても美しいお姉さんといった感じの美少女。だけどまだ幼さも残っている顔。立ったまま地面につきそうな程長い美しいクリーム色の髪。大人びたロングスカートのワンピースに手作り風の白いレースのカーディガンを着ている。自分でつくったのかな。
そろいもそろって美少女だらけ。これからこの子たちに囲まれて暮らすなんて、なんて幸せなんだ~!
・・・鬼が来なければ。
「あ、じゃあ俺も自己紹介を。俺の名前は、」
「レイさんです!」
「・・・違うよ。エリーゼ」
「ああ!ごめんなさい、説明不足で。死後の世界では生前の名前は使えないのです」
「え、そうなの?」
「はい。ここでは担当の天使がその人間の名前を決めるのが決まりなのです」
「つまり・・・エリーゼが決めたの?」
「はい!」
「それで・・・レイ?」
「はい!」
「もしかして・・・幽霊とかの霊、からとった?」
「はい!日本の方らしく!」
安易だーーー。
エ「では、改めてよろしくお願いしますね!レイさん!」
ク「よろしく」
ユ「お、お願いします」
ミ「よっろしく~!」
テ「よろしくお願いします」
「う、うん。よろしくね・・・」
改めて考えてみるとこの子たちをみんな幸せにしないといけないんだよな。生きている時はたった一人の女の子も幸せに出来なかった俺にそんなこと可能なのだろうか。しかし、やらなければおしおきが待っている。・・・うう、やるしかない。やるしかないんだ。今度こそ頑張れ。俺。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます