'umikūmākolu、ウミクーマーコル。ハワイの言葉で10と3の意味。

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 八月一日。土曜日の朝。朱里のダンナの朝くんが、車で家まで迎えに来てくれた。途中でコンビニに寄って由香の家のステーションワゴンと合流する。アルコールを仕入れて、車の中で朱里と乾杯した。

 久し振りに会った理沙ちゃんと瑠夏は最後部の座席に荷物を広げ、秘密基地を作って遊んでいた。髪の長い二人が仲良くしていると姉妹みたいに見える。理沙ちゃんの髪はカラーリングされた淡い茶色。瑠夏は黒髪に四本だけメッシュを入れていた。


 車の中でビキニに着替えてショートパンツを履いた。ビーチに降りる前にラッシュガードを羽織る。瑠夏にも羽織るように言った。今日の材木座には強い陽射しが降り注いでいる。

 昼になって海の家でバーベキューを始めた。大好きなウインナーが焼けても子供たちは夢中で遊んでいる。結局、理沙ちゃんと瑠夏が食べたのはウインナーだけ。由香の兄弟たちは肉と焼きおにぎりも少し口にした。

 午後からは朝くんと由香のダンナさんが、釣りをしたり子供たちを浮き輪で泳がせたりしてくれた。私と由香も交替で海に入った。十歳下の由香は初め敬語で話していたけれど、帰るまでには以前より距離が近付いた気がする。朱里は四歳下。朱里は海の家で休んだり、たまにバーで飲んだりしている。午前中はずっと車で休んでいた。


「何かついてるよ」

 灼けて痛む太腿にアロエジェルを刷り込んでいて、隣で横たわる朱里の腿に虫みたいな物を見つけた。

「あ。つけまぁ」

 酔ったのか、つらいのか。やっぱりつらいのかな。でも楽しいね。

 それから朱里はエアコンを効かせた車内に戻った。彼女は拡張型心筋症からの慢性心不全だ。湯船に入れず、たまに様子を見ながら低温のシャワーを浴びることしか出来ない。


 夕方、海の家でシャワーを浴びて、居酒屋に向かった。朱里は少し回復して飲んだり、トイレで二回吐いたりしながら少し食べた。帰りは朝くんに送ってもらって、理沙ちゃんと朱里が家に泊まった。アパートに近いドラッグストアでお互いの飲み物と朱里の煙草、子供たちの菓子などを買ってきた。車の中で眠っていた理沙ちゃんと瑠夏は、日付が変わるまで起きていて二人で同じベッドで眠った。朱里と私も酒が尽きて寝ることにした。夏休み中にまた遊ぶ約束をした。慧くんのことを話した。

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