第8話

……はぁ、なんでこんなことになってしまったんだろう。


あの後、俺は医師からいきなり


退院していいと言われ、家に帰ってきた。


あの女が何かやらかしてくれたらしい。


結果オーライか。


病院なんかにいたら襲われてしまうからな。


というかそれより、どう生きていけばいいのだろう?


家か……


ここにいると思い出したくないのに……


いや、俺は最初から一人なんだ。


「此処は血の匂いがしますね。」


っ……


「なんでお前がいるんだよ!」


「え? あとをつけてました。


上條晴翔さん、約束守ってくれるのでしょう?」


こいつの執念はすごいな。


「分ってるよ‼ ってか、お前、この前から俺の事


フルネームで呼ぶけど、それやめてくれない?」


「それでは、晴翔で。」


「……いきなり、呼び捨てかよ……。


まあ、いいけど。……お前の名前は?」


「はっ! 私としたことが! 申し上げていないなんて!


失礼しました。私は、柊と申します。」


「柊? なんか和風だな。いつ死んだんだ?」


「……失礼ですね。私は幽霊ではありません。」


「でも人間じゃないだろ?」


「私は、簡単に言えば妖というものの類です。」


「妖か……。」


本当にこいつみたいのが見えるようになってしまったのか。


妖なんて妄想の世界だと思ってた。


この世に存在していたなんて。


ああ、死にたい。


なんでこんな面倒なことに……


「で、願いってなんだ?」


早く願いとやらを叶えてやって


さっさと妖なんかと関わるのを


終わらせよう。


「私、人間になりたいんです。」


……え? こいつ何言ってんだ?


「おいおい、そんな願い叶うわけないだろう?」


ばかじゃねーのか、こいつ。


「いえ! 方法はあるんです。


私の昔の友人に、桜と言うものがいまして


その桜が、妖が人間になれる方法が書かれた


巻物の在処をしっているんです。


でも、昔の話でして、まず


桜がどこにいるのか分からないんです」


「えーっと、つまり、俺は


その桜ってやつを探せばいいってことか?」


「はい! よろしくお願いします!


私ひとりじゃ、とても探しきれなくて」


それにしても、なんで人間になりたいんだ?





















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上條晴翔の非日常的な毎日 @haru026

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