彼と付き合って、出来るようになったこと

彼と付き合う前は、寝てばかり…元カレと別れてからしばらく実家で暮らしていたのだが、寝て、たまに起きてパソコンをいじって、親の作ったご飯を食べて、そのまままた寝るという生活だった。

彼と付き合い始め、自宅に戻り、そのまま一緒に暮らすようになり、生活にも大分変化が出てきた。外によく出るようになった。夜に散歩に出かけたり、早朝も歩いたな。今は自転車を買ってもらったので、それでちょっと遠出したり…その結果、割合よく眠れるようになった。実家にいたときは、断眠といって、数時間毎に目が覚めてしまったのだが、最近はそれもあまりない。

後は、画期的なことといえば料理。統合失調症の人にとっては、料理はとても難しい。何しろ料理はパーツを組み立て統合させるものだから、失調している部分を使わないといけないわけで、でも「失われた」部分はどうにもならないわけで。

けれど、彼が初めて家にきたときに作ったカレーを、とても美味しい美味しいと食べてくれたのが感動的で、もっと作ってあげたいな~と思うようになった。

まず献立を考えることが一番の困難。何を作ろうか、それが苦痛でならない。だから私の料理のレパートリーはとても貧相だ。同じものの繰り返し。けれども彼はそれでも良いと言ってくれる。テレビを見始めたのもよい傾向で、コマーシャルや料理番組で見たものを、イメージで作ってみる。コマーシャルはウェブで作り方を載せている場合もあるので、好都合。大事で、でも私に欠けているものは、出来上がったときにどうなるのか想像できないことなので、色々見てみるようになった。

主治医からは、そんなあなたを見るのは初めてだわ、と褒められた。彼の存在が大きいのね、とも。その通り、彼がいるからちょっと頑張ってみようかな、と思うわけで、彼がいなくなったら、もう私は生きていけないと思う。何かのコマーシャルで、やる気スイッチ、というのがあったが、私のやる気スイッチは、彼がくれたペンダント。二人の名前が刻まれていて、それを胸元にむけてとんとん、と叩く。それで動きだそうと決意するのだった。

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