第12話

目を覚ますと見知らぬ天井。煌びやかな光が窓から差し込む。私の記憶には無い光景だ。

ベッドに預けていた身体を起こし自身の肉体を見る。衰弱はしているが何の問題も無さそうだ。

暫くしたら、ドアが開いた。先程、意識の途切れる前に話をした人間の娘のようだ。

娘は心配そうに「大丈夫ですか?何処か痛いところなどはありますか?」と聞いてくる。私は「身体は大丈夫だが、水をくれないか?」と尋ねた。

娘は持ってきた水差しの水をグラスにつぎ渡してくれた。

私は水を飲み干し、「少し本調子ではないので少し眠りますね」と娘に空のグラス渡し伝えた。

娘は頷き脇のテーブルにグラスを置いて、枕を直してくれた。とても優しい娘だ。

娘は「おやすみなさい」と言うと静かに退室して行った。きっと起きたら忙しくなると思いながら、私はまた眠りについた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る