第11話 目覚め

あれから何年経ったのでしょう…皆は私を覚えて居るでしょうか…。人間との関係はどうなったのでしょう…。

随分待たせてしまいました。今、目覚めます____。



目を覚ますと知らない石造りの建物の中に居ました。とても綺麗な所です。皆は何処に居るでしょうか。


長年眠っていた身体は筋力が低下し、魔力を使い肉体を強化しても立つのがやっとの状態だ。なんとか壁際まで這いずって行き壁を使い立ち上がる。目の前の扉まで壁伝いに歩き扉を開ける。

開けると目の前に広がるのは知らない街…もしかしたら国なのだろうか。陽の光がとても眩しい。

すると何か物音がした。視線を移すと人間が立ち竦んでいた。鳩が豆鉄砲を食らったような表情をしてる。どこか見覚えのある顔をしてる。人間は、はっとしたように私を見る。とても驚いてるようだ。すると人間は問いかけてきた。

「初代魔王様…ですか?」

初代とはなんだろうとは思ったが魔王ではあるので私は人間に言った。

「確かに私は魔王ルネウス・エルナース・サタンであるぞ。人間の様だが…長は何処に居る?」

私は人間に問いかけた。長は何処だ。息子の様に育てた長は何処に居るのだ。

人間は言った。

「今の長は私が務めております…」

なんて事だ…私は眠すぎて人間の寿命を忘れてしまっていた…。その瞬間、私の意識は途切れた。

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