第3話

 

 答えを言い終わった瞬間、また空から眩しいばかりの光が降りそそぐ。

 しかし、今度のそれはさっきの凶暴なまでの光ではなく、どこか柔らかく温かみのある光で僕達を包み込む。

 そして、光が消え僕たちは眼を開けるとそこにはもう宇宙人の姿は無く。

 僕達4人は校舎の屋上で立ちすくんでいた。

「あれ?俺達何してたんだっけ?」

 部長の言葉に僕たちは意識を取り戻し、みんなで顔を見合わせる。

「あれ、空が晴れてるぞ?おかしいな……さっきまでは曇ってたはずなのに」

 吉村の言葉に僕たちは空を見上げる。

「ほんとだ!よしこれでB・B彗星が見れるぞ!」

 加納がそう言って嬉々として皆は天文台の方に向かっていく。

「おい、佐伯! 何やってんだ早く来いよ」

 部長の声に僕は、今行く。と返事をして天文台の方に向かう。

 そして、今僕たちが立っていた所をもう一度振り返る。

「おかしいな……誰か……誰かもう一人ここにいたような気がするんだけどな……」

 天文台の方から部長の声が聞こえる。

「解ってるよ、今行くから」







「ご苦労だったS3470。いや、今は小夜と呼ぶべきだったかな?」

 男の声は小夜に話しかける。

「いえ、S3470で結構です閣下」

 ふむ、そう一言声を漏らし、顎を一撫でする。

「君の地球に関する報告書全部読ませてもらったよ。実に興味深い所が多いな。

 小夜は黙ったままだ。

「特に君と一緒にいたあの四人の地球人達は実に面白い。いや、それ以外にもとても興味を魅かれる事ばかりだ。これは本星に持って帰って詳細に分析しなくてはいけないだろうな」

 そこでようやく小夜は話す。

「はい、閣下。ありがとうございます」

 うむ、そう言うとその男は小夜を下がらせた。

 廊下に出た小夜は窓から見える景色を眺める。

「部長、吉村君、加納君そして……佐伯君。ありがとう。そして……さようなら」

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星空の彼方 流民 @ruminn

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